全社顧客管理基盤の統合に向けた営業業務改革及びMA設計・活用支援を行い商材アップ・クロスセルに向けた基盤構築を実現

全社顧客管理基盤の統合に向けた営業業務改革及びMA設計・活用支援を行い商材アップ・クロスセルに向けた基盤構築を実現

左からStrh株式会社 代表取締役 杉山元紀、ENGAWA株式会社 営業企画部 寺内 千恵 様、代表取締役社長 牛山 隆信 様、営業企画部 山崎 秀樹 様

在住・訪日外国人向けメディアであるTokyo Weekenderの運営から、海外向けのプロモーション支援、地方メーカー・ブランドの物販・広報支援まで、まさにクロスボーダーでマーケティング支援を行っているENGAWA株式会社。さらなる事業の拡大に向け、全社顧客管理基盤の統合及び顧客情報を活用したクロス・アップセルの強化に取り組まれています。

Strh(ストラ)は2022年4月よりENGAWA社の全社顧客管理基盤の統合に向けた営業業務改革及び、マーケティングオートメーションツールであるPardotの設計〜運用のご支援を行っています。今回は同社の代表取締役社長の牛山様、営業企画部の寺内様、山崎様に実際にStrhの支援を受けた変化や感じたことなど、詳しくお話を伺いました。

CRMデータ活用に対して経営視点を持ち、事業・現場にも理解のあるパートナーを探していた

最初に貴社の事業について改めて教えてください。

牛山様:
弊社の設立は2015年12月で大きく3つの事業部から構成されている会社です。グローバルコミュニケーション事業部とグローバルインフルエンサーマーケティング事業部は、海外の人に向けたマーケティングを行う事業部。ジャパンブランドプロデュース事業部は主に地域の事業者様やメーカー・ブランド様に物販や広報など含めてトータルで支援する事業部です。

創業のきっかけは、前職のPR会社で海外向けに事業開発やマーケティング、プロモーション領域の担当をしたことです。当時、日本への外国人旅行客がとても増えており、かつ地方創生が政策として掲げられているなか、地域の支援がかなり盛り上がっているタイミングでした。世の中を見渡した時に、海外向けのグローバルマーケティング支援の会社や地域向けの支援会社はありましたが、その掛け合わせ、地域と海外を繋ぐクロスボーダーマーケティングを行う企業がほとんどなく、今後の自分の時間を使うのであれば是非やりたいと思い創業しました。

最初に貴社の事業について改めて教えてください。

在住・訪日外国人向けメディア雑誌「Tokyo Weekender

今回3事業部横断的にセールス・マーケティング領域のご支援をさせていただきましたが、当初どのような課題感を持たれていたのでしょうか?

牛山様:
事業部ごとの個別課題というよりは、社全体としてSalesforce・CRMデータに対しての活用課題がありました。Salesforceの導入自体はStrhさんにご支援いただく1-2年ほど前から行っていましたが、、限定的な利用に留まっており、顧客情報や既に決まった案件の情報などを登録し、数字をモニタリングすることしかできていない状態でした。

社員数も増加し、これからさらに事業を伸ばしていく上で、顧客管理基盤の統合・整理と、これまで各マネージャーによる属人的で個別最適化された運用の型化が必要だと考えており、個別の事業部単位ではなくENGAWA社全体のCRMや営業企画という観点で、課題の洗い出しやアクションプランの検討を行うタイミングでStrhさんにご参画いただいたという経緯になります。

セールス・マーケティング領域の支援を行っている企業が多くある中で、Strhの支援を受ける決め手は何でしょうか?

牛山様:
正直当時の社内で取り組みの全体感や、あるべき像をイメージできているメンバーがおらず、Salesforce社や知見のある方に話を聞いたりしましたが、社内で1人オールインワンの人財を採用して推進するのは非常に難しいと感じました。

支援会社も様々な立ち位置の会社があると思ってますが、当時の僕たちは、ひとつひとつの部分課題のことで困っているというより、経営目線でどういった課題からどのように取り組むべきか、その咀嚼といいますか、現状把握と道筋立てがないといきなり各論のPardotの話をしても意味がないと考えていました。

数社と打ち合わせを行い、事業全体の経営目線での理解と会社のステージに合わせた伴走支援をしていただける会社というのが僕の必須条件で、杉山さんとお話させていただいてその点ご理解いただけていると考えて決定しました。

セールス・マーケティング領域の支援を行っている企業が多くある中で、Strhの支援を受ける決め手は何でしょうか?

Strhの支援方針や取り組み方などを評価してくださったのでしょうか?

牛山様:
そうですね。どの組織も同じものは一つもないと考えています。取り組む内容が違えば人も違うように、組織に合わせた戦略が大事だと考えています。戦略というと高度に聞こえますが、身の丈の理解がまずは大事だと思ってます。例えば”今どのような取り組みができる人間がいるのか”や、”どのような事業フェーズなのか”。そうしたお話をさせていただいた中で、是非Strhさんとご一緒したいなと思いました。

杉山:
ご支援開始当初のミーティングではその辺りの話をよくされてたという印象はありました。ノウハウやツールの話より、ENGAWA社の現在の事業フェーズであったり、各事業部の営業メンバーの状況や、顧客とのコミュニケーションの状態などを踏まえ、「いま何ができるかを優先順位をつけていってくださいね」と最初によく仰っていて、それはすごく印象に残っています。

牛山様:
その点については自問自答しているところもありました。このような話をすると僕ら自身が整理をして言語化しないといけない。いずれにせよプロジェクト初期設定がすごく大事だと考えていたので。少し口酸っぱく言っちゃってごめんなさい(笑)

営業現場含めた密な連携で2プロジェクトを並行して推進

事業や顧客・現場を深く理解し、ソリューションの提案を行う過程では、現場とのコミュニケーションは重要になりそうですね。

杉山:
そうですね。最初はPardot活用のご支援から入らせていただいたのですが、各事業部のセールスサイドで「顧客資産の最大化」というキーワードがあり、そこに向けた業務改革のご支援を進めるにあたり、顧客や営業活動の現状の解像度をあげるために、営業現場の方やプロジェクトメンバーの富樫様・寺内様と頻度高くインタビュー含めコミュニケーションを取らせていただきました。

Pardotの活用支援と顧客管理基盤の統合に向けた営業業務改革では、それぞれ具体的にどのような支援を受けたのでしょうか?

寺内様:
まず各部署で様々な顧客管理の運用が行われていたため、各部署に対するインタビュー結果を基に、現状整理と”あるべき姿”の設定を一緒に行っていただきました。 その中で、改善の優先順位や、どのように管理するのが最適か等、細かな点も含めてサポートしていただきました。

また、Pardotについては活用目的や今後の活用方針、営業へのメリットや具体的な営業に関わる業務プロセスの資料作成、営業現場へ説明会を開いていただいたり、また、細かなところではデータクレンジングを現場に依頼する際に、これを行うことでのメリットなども含めて丁寧にレクチャーいただいたことで、私たちも動きやすくなってよかったと思います。

Pardotの活用支援と顧客管理基盤の統合に向けた営業業務改革では、それぞれ具体的にどのような支援を受けたのでしょうか?

本プロジェクトを通して、Strhとして思い入れのある内容や重点的にリソースを割いた点はありますか?

杉山:
Pardot活用もSalesforceに統合した顧客情報の活用の推進についても、最終的にはENGAWAさんに自走いただく必要があるため、プロジェクトメンバーの方々には「自分たちでどのように活用を進めるのか」「どのようにしてシステムに手を入れるのか」など特に意識して、進めさせていただきました。

営業現場からは様々な観点から要望を受けましたし、今後も改善を進める中で要望は拾い続ける必要がある一方で、それらを限りあるリソースの中で、どのように優先順位を付けて取り組むかも含め装着することは意識しました。

営業がデータを基に打ち手の議論を行う状態になった

今回、支援を受けて現在見え始めた変化などはございますか?

山崎様:
今までは、Salesforceから顧客セグメントの割合だったり受注率など分析すること・推進していくことも難しいところでしたが、“統一された営業上必要なデータ”やKPI指標は何に置くべきか、その推移やどういった状況で何を打ち手として実行すべきかなど、そうした会話ができるようになった事自体がとても進歩していると感じます。ご支援していただく前はこうした目線での会話自体ができていなかったので、とてもいい傾向にあると思います。

ご支援が始まり、営業が追っている指標や顧客や商談に関するデータがかなり揃ってきており、出来上がったマニュアルなどに沿って更に精緻なデータが増加している状態です。ただ、今はSalesforceやPardotをとにかく使っていくというフェーズにいて、まだPardotも高度な運用に関しては完全に自走しているわけではないです。一方で、数ヶ月前まではできていなかったリードや顧客に対するアクションができるようになってきているのが、現状よく見えてきているかと感じます。どういった観点でどの指標を見て、どこを最適化していくかなどもご支援いただいたことでリードが増加してきているので、今後またより良い数値が見れるように自走していきます。

支援の前後で営業現場での顧客データの管理や活用における変化を肌で感じる部分はありますか?

山崎様:
そもそも今までデータ登録すら散発的にしかできていない状態だったので、営業が揃ってデータ登録できるようになった事自体が大きくプラスになったと感じています。営業メンバーと相対している中で、推進過程ではあるものの8割程度は入力される状態になり、CRMデータの入力・活用マニュアルもできたので、困った時にどこを見ればいいか分かる環境を整えることができました。これからは他にも外部の拡張ツールを活用して自動でSalesforceと連携してログが残る状態を作るなど、より一歩踏み込んだ活用を進めようと考えています。

営業現場のデータ登録負担を可能な限り軽減することはもちろんですが、このデータが今後の会社にとってどれだけプラスになるかといった意図・目的を伝えることによって、営業現場がデータを気にしなかった状態から、データを定常的にモニタリングし、活用していきたいという状態までもってこれたので、ものすごくポジティブな状況ができていると思います。

支援の前後で営業現場での顧客データの管理や活用における変化を肌で感じる部分はありますか?

機械的な支援ではなく、目的から作業手順まで理解を深めながら推進できた

営業現場の方含めStrhとのコミュニケーションについてはどのような印象をお持ちになりましたでしょうか?

寺内様:
最初の方はわからないことも多く、何度も連絡していましたが、その都度杉山さんがわかりやすく伝えてくださるので、概念から作業内容までとてもイメージがつきやすくなりました。以前他のコンサル会社の方と一緒にやっていたときは、機能の説明は理解できたものの、導入後の運用イメージや最適な状態がわからず、結果プロジェクトが進まないことが多かったんです。

杉山さんは目的から概念、どのような流れで作業を行うのか、作業の内容まで順を追ってご説明いただけるので、ひとつひとつ理解を深めながらプロジェクトを進めることができたと思います。

実際にこの部分はStrhとしても支援のなかで意識した部分だったんですか?

杉山:
プロジェクトを着実に進めて、最終的には自走できるとこまでもっていくには、一人ひとりの業務状況やバックボーンに合わせて、理解を深めていただく必要があると感じていたので、何かを説明させていただく際には皆さまそれぞれの理解度を加味した説明をすることはかなり意識していました。

牛山様:
そうなんですよね。当時ご一緒していた他のコンサル会社の方は、「ツールを導入すること」が仕事になっている印象が強かったです。例えば、このボタンをこう使ってくださいなどのHow toは教えていただいても、なぜ(Why?)の部分や概念などの話がやや不足していたの、理解に苦戦していました。

なので、Pardotの導入に関して支援していただいていたものの、ただセットアップを完了するだけのタスクのように感じていたんです。そんなときにStrhさんに途中から参加いただいたことで、今までわからなかった意図の部分も明確にしながらできたので、その点もとても良かったです。

実際にこの部分はStrhとしても支援のなかで意識した部分だったんですか?

今後のマーケティング、MAの活用において思い描いてることはありますか?

山崎様:
MAツールとしてPardotを活用していますが、まだ完全自動化できておらず、キャンペーンの実行に関してある程度手動運用であることが現状です。今はまだ”誰”に対して”どのような”コミュニケーションを行うかは選びながら行っているため、リソースが不十分ではありますが、個人的には、より数値から物事を判断できるように、機械的にできるところは更に自動処理で対応できるようにと考えています。

牛山様:
ビジネス面で考えると、部門間のクロスセルやアップセルを含め、顧客単価をどう上げていくかが課題であると思います。

弊社は単一メディア・プロダクトを販売する事業構造ではないので、 1クライアントに対して色々な打ち手をご提案できるというのが良さでもあり、マーケティングの難しいところでもあります。ツールの使い方という意味では自動化を進めていくことはもちろんです。しかし、その先に何があるかというとクライアントに対する価値をどう最大化するか、ひいては自社の収益をどう最大化するかです。そこには、まだまだ伸びしろがあると思っています。

また、取り組んでいるマーケティングの領域としても、自社のターゲット市場であるインバウンド市場はまだまだ途上で業界自体が未成熟なところがあるので、だからこそ顧客理解から具体的なマーケティング活動までを、どう精度を高く実行できるかが、弊社にとってはとても大きいことだと考えていて、より一層強化をしていきたいと考えています。

Strhとこの取り組みをしていなかったらMA活用を中断し営業企画機能もなかった

今回のプロジェクトの中で印象に残ってるエピソードはありますか?

寺内様:
初めてPardotからメール配信をした時のことが記憶に残っています。前日の夕方17時くらいに、明日配信することが急遽決まり杉山さんに相談したところ、その次の日の正午くらいにはもうドキュメントで、どのような設計でどのように設定するのかを文面で残してくださったことがあり、それがすごく印象に残っていて、今でも見返して活用しています。

一つ一つの対応は素早く、でも全体としては丁寧に時間をかけてご支援いただきました。

山崎様:
僕は途中からプロジェクトに参画させていただいていますが、僕は割と日々の業務の中で何でも「これって何だろう?」と調べて勝手に動くタイプで、詰まったときに「これどうだっけ?」といった話題や課題感を投げかける機会が多かったです。以前担当されていた会社さんだと、回答に1~2営業日かかって返答がありましたが、杉山さんはものすごい早いスピードでかつ結構な長文で丁寧に対応いただいたことが印象に残っています。

会社としては色んなことを並行してスピード感もって推進していく必要がありまして、Strhさんの業務に対しての心意気やスタンスといったところが、ものすごくフィットしたのを感じており、とてもいい印象しかないですね。

牛山様:
先ほどもお話した通り、Pardotの導入については、導入しても使いこなせないしコストもかかり、現場も動かないのではないかと考えて、Strhさんとご一緒する前は正直プロジェクトの中断も検討していました。

状況的にもコロナの影響もあって、インバウンド旅行客が減少し、業績的にはそれほどモメンタムも強くなかったので、。正直、「いい企業か人がいたら」続けようというくらいに思っていました。いい企業や人の条件は先ほど言ったように、事業理解とその伴走が条件でした。結果ご一緒できて色々ありながらもここまでこうして来れたのはとてもありがたく思っています。

Strhさんの支援がなければ、そもそも営業企画的な機能自体をつくることすらやめてたと思いますし、そうするといま山崎が担当しているポジションもなかったと思います。あの時この取り組みを中断していた場合は、今この状況でビジネス上のアクセルを踏めてなかったでしょうし、会社の中長期の向かうべき方向に対して基盤になるようなチームや機能の礎ができてとても感謝しています。

しかも本日初めて対面でお会いできて(笑)

今回のプロジェクトの中で印象に残ってるエピソードはありますか?

Strhのコンサルティングサービスは特にどういった企業に価値を感じてもらえると思いますか?

牛山様:
どういった企業・課題に対してもご支援できるかと思いますが、オペレーションが高度化しきっていない企業は大きなバリューを感じられるのではないかと思います。仕組みができていて、型もできているところを改善をするのは、データもあれば、組織もできているので難易度も高くないと思っています。

ですので、どちらかというとマーケティングやCRM含めて、アーリーフェーズな企業で、かつ難しい課題を持たれている企業が特に合うのではないでしょうか。

難易度めっちゃ高い系のところがよりバリューを感じられると思うので、すごいカオスなベンチャーのクライアントを紹介しますよ(笑)実際なかなかそういったところを支援できる企業は少ないので、そう言えるのはStrhさんの対応力の高さゆえだと思うんですよね。

杉山:
牛山さんが仰られたのはまさにそうで、アーリーフェーズの企業は余白の方が多いので、何かをできてないことを見つけて改善するスタンスというよりは、一緒にないものを創るスタンスでないと難しいと考えてまして、お客様と一緒に理想に向けて組み立てていくという意味では、レスポンス含めたスピード感やその分かりやすさであったり、寄り添うスタンスは前提として考えていることでもあります。

執筆者 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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