デジタルマーケティングとは?10個の手法やメリットなどを徹底解説
この記事でわかること
- デジタルマーケティングを活用してビジネス成長をさせている成功事例
- デジタルマーケティングが普及した背景や重要性
- デジタルマーケティングを始める際に抑えておくべきポイントデジタルマーケティングを始める際に抑えておくべきポイント
- 代表的なデジタルマーケティングの手法
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
デジタルマーケティングは各種デジタル媒体や、そこから取得できるデータを活用したマーケティング手法のことを指します。
デジタルマーケティングと一口で言っても、さまざまな種類があるため、どのマーケティング手法を活用すればよいか迷う方もいるでしょう。
そこで本記事では、デジタルマーケティングの目的や重要性を踏まえたうえで、10通りの手法やメリットなどを解説します。デジタルマーケティングを活用してビジネスを拡大させたい方は、ぜひ最後までご一読ください。
目次
デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングは、顧客から得られるデータを用いてWebサイトやメールなどのデジタルテクノロジーを活用したマーケティング手法です。
近年、BtoC/BtoB問わず多くの企業がデジタルマーケティングに取り組んでおり、もはやデジタルマーケティングはビジネスをするうえでは欠かせません。
本項では、以下3つについて深掘りしていきます。
- デジタルマーケティングの目的
- デジタルマーケティングの重要性
- デジタルマーケティングのWebマーケティングの違い
それぞれ詳しく解説します。
参考:BtoBマーケティングとは?戦略の立て方やそのプロセス、成功事例までプロが解説
デジタルマーケティングの目的
デジタルマーケティングの主な目的は、ビジネスの成長や収益向上です。
ここでいうビジネスの成長とは、新規顧客の獲得や既存顧客とのエンゲージメントの向上、ブランド知名度の拡大などが含まれます。
たとえば、ファッションブランドが新しいコレクションを発表したい場合、デジタルマーケティングを活用することで、SNS広告や検索エンジン広告を通じて、特定の年齢層や趣味嗜好が合ったユーザーにアプローチできます。
ユーザーへうまくアプローチできれば、購入意欲を沸かせることができ、結果的に売上アップに繋がるでしょう。
デジタルマーケティングの重要性
デジタルマーケティングは、現代の競争の激しいビジネス環境において、企業やブランドが成功を収めるために必要不可欠です。
これまで、消費者はチラシやカタログ、実店舗での消費行動や、BtoBであれば営業担当者の提案を受けて商品やサービスを発注するといった購買行動が当たり前でした。
一方、現在では「5G」をはじめとする高速通信技術の発達やスマートフォンの普及によって、ほぼすべての購買行動にWebサイトやSNSなどのデジタルチャネルが絡んでいると言っても過言ではありません。
たとえば、チラシやカタログを見て商品を探していたのが、Webサイトで口コミを見たりSNSのフィードから商品を検索したりするようになり、実店舗で購買がすべてだったのがECサイトからオンライン上で商品を購入できるようになりました。BtoBについてもオンラインで申込みまで完結するサービスや商品も増加しています。
このように、消費者の購買行動が多様化するなかで、企業やブランドとしてはオンライン・オフライン関わらず、消費者の行動をデータを用いてより深く理解し、顧客に寄り添ったコミュニケーションが行える接点をいかに作るかが重要になります。
そのような背景から近年では企業のマーケティング戦略においても、いかにデジタルデータやテクノロジーを取り入れて顧客データを収集するか、それらのデータを活用してより顧客体験を提供できるかがとても重要な経営アジェンダになっています。
デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い
デジタルマーケティングとよく混同されるものとして、Webマーケティングがあります。
デジタルマーケティングは、Webサイトやモバイルアプリ、SNS、電子メールなどのオンラインデータやチャネルに加えて、イベントや来店データなどのオフラインデータも活用したマーケティング手法です。
一方、Webマーケティングはデジタルマーケティングの一部であり、特にWebサイトを中心としたマーケティング手法です。具体的にはSEOやWebサイト運用など、最終的にユーザーをWebサイトに誘導したうえでWeb上でのコンバージョンを目的としています。
要するに、デジタルマーケティングはオンライン・オフライン全体を対象にした幅広いデータやチャネルを用いたアプローチを意味するのに対し、Webマーケティングは、Webサイトを中心にしたアプローチを意味しています。
Webマーケティングの上位概念としてデジタルマーケティングがあると考えてください。
デジタルマーケティングの手法10選
ここからはデジタルマーケティングの手法として代表的な10の手法を紹介したいと思います。
- Webサイト運用
- 動画マーケティング
- CRM
- マーケティング・オートメーション
- SNS運用
- メールマーケティング
- デジタル広告
- アプリマーケティング
- リターゲティング広告
- ネイティブ広告
各手法の特徴を理解することで、自社に適したデジタルマーケティング手法を確立できるようになるでしょう。
1.Webサイト運用
デジタルマーケティングにおける重要な手法の1つとして、Webサイト運用は欠かせません。
Webサイトは、企業やブランドの顔となり、ほとんどの顧客は最初に企業のホームページを訪れます。そのため、良い印象を与え、情報を簡潔に伝えることが重要です。
Webサイト運用の中にも以下3つのマーケティング手法が存在し、関心を引くコンテンツを提供するためには、いずれも大切な手法となります。
- SEO対策
- MEO対策
- コンテンツマーケティング
それぞれ詳しく解説します。
SEO対策
SEO(検索エンジン最適化)対策は、Webサイトやコンテンツの可視性を向上させ、検索エンジン上での上位表示を図る重要な手法です。
Webサイトやコンテンツが検索エンジン上で上位に表示されることで、ユーザーの目に留まりやすくなり、知りたい情報をより簡単に見つけられます。適切なキーワードの選定やWebサイト内部の最適化、外部からのリンク獲得などの手法を用いることで、検索エンジンのアルゴリズムに適した形で情報を提供できます。
MEO対策
MEO対策とは、マップエンジンを最適化する手法です。
主にGoogleマップが対象となり、Googleマップ上での検索順位を上位に表示させるためにさまざまな施策を打ちます。
たとえば、渋谷区でカフェを出店している場合「渋谷 カフェ」とGoogleマップで調べた際に、自店が検索上位に入るように関連性の高いキーワードをプロフィールに盛り込むといった施策が考えられます。マップエンジンの検索結果で上位表示されると、自分が行っているビジネスの認知度が広がり、問い合わせや来店などに繋がるでしょう。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、広告ではない情報を用いてマーケティングする手法です。ブログ記事や動画、ホワイトペーパーなどが該当し、コンテンツに訪れた見込みユーザーとの関係を構築していきます。高品質で有益なコンテンツを提供することで、ユーザーの関心を引き、信頼を築くことが可能です。お問い合わせや購入などに繋がる重要な手法とも言えるため、戦略的に取り組む価値があります。
参照:コンテンツマーケティングとは?成功事例や具体的な進め方、手法まで徹底解説
2.動画マーケティング
動画マーケティングは、テキストだけでは表現できない商品の魅力を映像コンテンツを通して伝えて、販促・集客する手法です。動画は、視覚だけでなく聴覚でも情報を伝えられるため、ユーザーに直感的に訴えかける力があります。
たとえば、ある化粧品ブランドが新製品を発売する際、美しいモデルが実際に製品を使用しながら使い方を説明する動画を制作することが考えられます。
製品の効果や使用方法が視聴者に分かりやすく示されるのに加え、モデルを採用していることで「使ってみたい」と思わせることができ、購買意欲を高める効果が期待できます。視覚的な情報の伝達力を活かして、ブランドの魅力を広く伝えられるでしょう。
3.CRM
CRM(Customer Relationship Management)は直訳すると「顧客関係管理」となります。広義では「顧客と良い関係を築き、それを継続していくために必要なデータ管理・施策・考え方」を指しますが、単純にシステムやツールのことを指すこともあります。
たとえば、あるオンラインショッピングサイトがCRMを活用する場合、顧客の過去の購買履歴や閲覧履歴を分析して、顧客ごとに合わせた商品提案を行えます。
これにより、顧客は自分の好みに合った情報を受け取ることができ、より満足度の高いショッピング体験を得ることが可能です。
顧客の個別ニーズへの対応や顧客情報の適切な活用を通じて、ビジネスにおける長期的な成功をサポートしてくれるでしょう。
参照:CRMとは?導入メリットや機能、選び方やおすすめツールまで解説
4.マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーション(MA)は、データを一元管理しマーケティング活動を自動化するソフトウェアです。
時間とリソースの効率的な活用が求められるデジタル環境においてマーケティング業務の自動化は、人手による作業を軽減し、一貫性のある情報提供を実現できるメリットをもたらします。顧客の行動履歴や興味をもとに、適切なコンテンツや情報を自動的に提供することで、エンゲージメントを向上させることが可能です。
たとえば、あるフィットネスクラブが新規会員を獲得するためにマーケティング・オートメーションを活用するとします。
Webサイトに訪れたユーザーに対して、無料体験クラスの案内メールを自動的に送信し、参加してくれた方に対して自動的にお礼のメールに加えてキャンペーンの案内を送ることもでき、顧客の興味を引き続けることができます。
このように、顧客の行動に基づいて適切なメッセージを自動的に届けることで、見込み客に効率的かつ効果的なアプローチができるでしょう。
参照:マーケティングオートメーション(MA)とは?機能や選び方、おすすめツールまで紹介
5.SNS運用
スマートフォンが普及したことによって、多くの方がSNSを用いて情報収集する時代となりました。
SNSを活用することで、ブランドの知名度向上や顧客との対話の機会が生まれ、コミュニティの形成を促進します。SNS上で活発にコンテンツを提供しユーザーと対話することで、顧客の関心を引き、信頼関係を築くことが可能です。
また、SNS上の口コミもユーザーの意思決定に大きく関わるため、リアルな声をもとにオペレーションや商品などの改善を継続して行うことが重要です。
6.メールマーケティング
メールマーケティングは、メールを利用し顧客に対してコミュニケーションを取る手法です。メールマーケティングの重要性は、適切なメッセージを適切なタイミングで送ることで、顧客の興味を引き、情報を提供できる点にあります。
たとえば、あるオンラインショップが新商品の情報やセールのお知らせを顧客に送るためにメールマーケティングを活用するとします。
顧客の過去の購買履歴や閲覧履歴をもとに、個々に合わせたオファーや商品情報を提供でき、顧客は自分に興味のある情報を手に入れることができます。
このように、適切なタイミングでメールを送ることができれば、購買を検討するきっかけとなる可能性が高まるでしょう。
参照:【マーケ担当者必読】メールマーケティングとは?メルマガとの違い、メリット・デメリット、具体的な手法等について解説
7.デジタル広告
デジタル広告は、インターネット上に表示される広告です。
オンラインプラットフォームを通じて、ターゲットユーザーに対して適切な広告を表示することで、ブランドの知名度向上や顧客の獲得を促進できます。
デジタル広告はさまざまな種類があり、代表的な広告の種類は主に以下4つです。
- リスティング広告
- SNS広告
- ディスプレイ広告
- 純広告
それぞれ詳しく解説します。
リスティング広告
リスティング広告は「検索連動型広告」とも言われ、ユーザーが検索したキーワードに対して特定の広告を表示します。ユーザーが特定のキーワードで検索する際に、関連する広告を表示することでユーザーの検索意図に合った情報を提供できます。
見込みの高いユーザー(顕在層)を狙って効果的にアプローチできるため、お問い合わせや購入に繋がりやすいでしょう。
また、入札する広告費によっては広告出稿した当日に上位表示が可能です。
SEOやコンテンツマーケティングなどと比較するとコストはかかるものの即効性の高い施策であり、すぐに成果を出したい企業には有効な手法です。
参照:リスティング広告とは?メリットや始め方、成功のポイントまで簡単に解説
参照:Google広告とは?費用形態やメリット、始め方までわかりやすく解説
SNS広告
SNS広告は、LINEやインスタグラムなどのソーシャルメディアプラットフォームに配信する広告です。SNS広告の最大の長所は、高精度なターゲティングができることです。
SNSを利用する際、利用者は年齢や性別などを入力するため、個人データが蓄積されており、かつ閲覧・視聴ログから興味のあるコンテンツも特定できるため、年齢層や居住地域、興味関心商材などといった細かなターゲティングができます。
顧客・行動データから細かなターゲティングが行えるので、自社のサービス・プロダクトを知らない「潜在層」に対して商品認知をさせる場合にも有効です。
さらに、リターゲティングを行えば、興味関心度が一定高い「準顕在層~顕在層」に対しても効果を発揮します。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイト上に表示される画像広告や動画広告などを指します。
テキストのみのリスティング広告と比較すると、画像や動画などでアプローチできるため、ユーザーの目にとまりやすいメリットがあります。
ディスプレイ広告を表示する場合、Webサイトやアプリのコンテンツと関連性を持たせることが重要です。
たとえば、ある自動車メーカーが自社の新しい車を広告に出稿するとします。自動車関連のWebサイトやアプリ内に、その新車の写真や特徴を紹介する広告を表示し、特定のターゲット層に合わせて、ユーザーの関心を引きます。
このように、多くのユーザーにブランドや商品を知ってもらい、注意を引き、商品やサービスの購入に繋げられるでしょう。
参照:ディスプレイ広告とは?仕組みやメリット、運用のポイントを分かりやすく解説
純広告
純広告は、各種メディアから特定の広告枠を購入して掲載する広告です。
広告主が自社の商品やサービスを宣伝し、ターゲットユーザーに対して訴求できます。広告を適切な場所に配置し、魅力的なコピーとビジュアルを組み合わせることで、ユーザーに強い印象を与えることが可能です。
純広告は、主に以下の種類があります。
- テキスト広告
- バナー広告
- 記事広告
それぞれアプローチの仕方が異なるため、種類を把握したうえで、自社にあった純広告を選びましょう。
8.アプリマーケティング
アプリマーケティングは、スマホやタブレットなどを利用するマーケティング手法です。
アプリを通じてユーザーと直接コミュニケーションをとり、情報を提供することで、ユーザーとの関係を構築できます。たとえば、アプリ内でクーポンやお得情報などを配信すれば、店舗へユーザーを呼び込むことも可能ですし、ユーザーにとって有益な情報を発信することで店舗のイメージの向上が図れるでしょう。
アプリを活用してユーザーに特別な価値を提供し、ブランドのファンを増やすことにも繋がるでしょう。
参照:モバイルマーケティングに欠かせない ”モバイル計測パートナー”とは何か
9.リターゲティング広告
リターゲティング広告は、Webサイトやアプリを訪れたことのあるユーザーに対して再表示される広告です。既に興味を示したユーザーに対して、再度広告を表示することで、購買やアクションにつながるチャンスを増やせるでしょう。
たとえば、あるオンラインショップのWebサイトを訪れたユーザーが、特定の商品ページを閲覧した後にWebサイトを離れたとします。そのユーザーに対して同じ商品や関連商品の広告を、ほかのWebサイトやソーシャルメディア上で表示し、再度商品に対する興味関心を喚起し、コンバージョンに繋げていきます。
リターゲティング広告はリスティング広告やSNS広告、ディスプレイ広告のそれぞれで機能の1つとして備わっているため、どの媒体でリターゲティングを行うかも、消費者の購買行動をもとに検討を行う必要があります。
参照:リターゲティングとは?仕組みや種類、運用の手順まで分かりやすく解説
10.ネイティブ広告
ネイティブ広告は、Webメディア内のコラム記事の中に表示される広告のことです。ユーザーがWebページやアプリ内のコンテンツと同じように広告を見るため、広告が不快に感じられにくいというメリットがあります。
コンテンツと調和させることで、ユーザーにストレスなく閲覧してもらうことができ、ユーザーのコンテンツ体験を毀損することなく自社サービスをプロモーションできます。
ただし、広告枠に表示されているタイトルと実際のコンテンツ内容が乖離していると、消費者は「騙された」と感じてしまい、ブランドイメージの低下に繋がることもあるので注意が必要です。
デジタルマーケティングを行うメリット
デジタルマーケティングをするメリットは、主に以下3つです。
あらかじめメリットを把握しておくことで、よりデジタルマーケティングの魅力を感じられるようになるでしょう。
施策のプロセスや結果が定量的に把握できる
デジタルマーケティングの1つメリットに、施策のプロセスや結果を定量的に把握できることが挙げられます。
デジタルマーケティングは、Webサイトやアプリのアクセスデータや広告クリック数、コンバージョン率などの情報がリアルタイムで収集されます。リアルタイムの情報をもとに、どの施策がどれだけの成果を上げているか、どの部分を改善すべきかなどを客観的なデータにもとづいて判断することが可能です。
正確なデータに基づいた意思決定や最適化が可能となり、マーケティング活動の成果を高められるでしょう。
ターゲットが明確にできる
デジタルマーケティングでは、Webサイトの訪問者データやSNSのユーザー属性などを分析できます。どのような方が商品やサービスに興味を持っているかを把握できるため、ターゲットに合わせて効果的なアプローチが可能です。
たとえば、スポーツウェアを販売するオンラインショップが、Webサイトのアクセスデータを分析して男性の訪問者が多いことを把握したとします。
分析結果を踏まえて、男性向けのスポーツウェアの広告を制作し、男性ユーザーに向けて効果的に広告を配信できます。このように、デジタルマーケティングを活用すればターゲットを特定できるため、商品やサービスを訴求しやすくなるでしょう。
参照:顧客セグメントとは?作り方や活用の流れ、成功事例を分かりやすく解説
次の施策が打ちやすくなる
デジタルマーケティングは、過去のデータと経験をもとに、次のマーケティング施策を行いやすい点がメリットです。
取得したデータを数値化するため、コンバージョン率や訪問数などの良し悪しが明確にできます。
たとえば、自社のオンラインショップが過去のメールマーケティングキャンペーンの成果データを分析し、とある商品カテゴリーのメールクリック率が高かったとします。
その結果をもとに、次のキャンペーンでは同じカテゴリの商品を中心にしたメールを作成し、配信するといった施策が打てるのです。
過去のデータを基にして次の施策を計画し、より効果的なマーケティングを展開できるでしょう。
デジタルマーケティングを始める前に抑えておくべきポイント
デジタルマーケティングは、ビジネスの拡大やブランドの認知度の向上などに重要な役割を果たしますが、しっかりと設計しなければその効果も出にくくなり、コストだけが重くなっていくといったことにもなりかねません。
デジタルマーケティングを始める場合、主に以下3つのポイントを抑えておく必要があります。
効率よくマーケティングを行いたいのであれば、この3つの内容を参考にしてみてください。
目的や目標を明確にする
デジタルマーケティングを始める際、まずは明確な目的や目標を設定することが重要です。「資料請求や問い合わせなどのコンバージョン率をあげたい」「新規顧客が欲しい」など、マーケティングをするには必ず目的があるはずです。
この目的をしっかりと定めなければ、漫然とこなしている状態になってしまい、効果的にユーザーへ商品やサービスをアプローチできません。
目的や目標を設定することで、どのような結果を得たいのかが明確になり、それに合わせた施策や戦略を立てられます。マーケティング戦略の方向性を定め、成果を最大化するためのステップを踏むために目的や目標を明確にしましょう。
自社サービス・商品のターゲットとペルソナを明確にする
デジタルマーケティングを成功させるためには、自社のサービスや商品を誰に向けて広めるのかを明確にする必要があります。
誰に向けてマーケティングするのかを明確にすることで、効果的なアプローチ方法を確立できます。たとえば、健康食品を販売する会社がデジタルマーケティングする際、ターゲットは健康を意識する方たちです。若い方よりも中年の方のほうが健康に気を使う傾向があるため、このターゲット層に対して40代の主婦をターゲットとしたペルソナを作成するとします。このペルソナに合わせて、SNSで健康に関する情報を提供するコンテンツや広告の配信をすることで、ターゲットの関心を引きつけることが可能です。効果的なマーケティング戦略を立て、ターゲット層に適切なメッセージを届けるため、自社サービスや商品のターゲットとペルソナを明確にしておきましょう。
参照:【DLできるテンプレート公開】ペルソナとは?作り方の5つのステップや具体的な活用方法を解説
ペルソナのカスタマージャーニーを整理し顧客接点を明確にする
デジタルマーケティングを始める際には、自社のターゲットとなるペルソナがどのように商品やサービスを知り、購入までの過程を経ていくのかという「カスタマージャーニー」を整理することが重要です。
ペルソナのカスタマージャーニーを理解することで、顧客がどの段階でどの情報を求めるのか、どのタイミングで接点があるのかを把握できます。
ターゲットのニーズや行動を深堀り「どこで自社の情報を見てもらうのか」「どのようにして商品やサービスの魅力を伝えて購入まで至らせるのか」などを検討・設定します。
そうすれば、適切なタイミングでターゲットにアプローチでき、顧客のニーズや要望に合わせたコンテンツや提案を行えるでしょう。
参照:カスタマージャーニー作成の教科書【テンプレート無料公開】
デジタルマーケティングに役立つ資格はある?
デジタルマーケティングと聞くと、難しいイメージを持ち「資格が必要なのでは?」と思う方もいるかもしれません。デジタルマーケティングをするうえで必ずしも資格を取らなければならないことはありませんが、役立つ資格はあります。
本項では、デジタルマーケティングに役立つ資格を5つご紹介します。
- Webアナリスト検定
- Web解析士
- Google広告認定資格
- マーケティング・ビジネス実務検定
- ITパスポート試験
以下5つの内容をぜひ参考にしてみてください。
Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、Webサイトのアクセスデータを分析するためのスキルを養成する資格です。デジタルマーケティングではデータの分析が重要であり、Webサイトのアクセス状況やユーザーの行動を把握することは戦略立案や改善のために役立ちます。この資格を取得することで、正確なデータの読み取りや解釈が容易にできるようになります。データ分析スキルを高め、Webサイトの成果を向上させるための重要な資格と言えるでしょう。
Web解析士
Web解析士資格は、Webサイトのアクセスデータを詳細に分析し、ユーザーの行動や傾向を理解する能力を養成する資格です。デジタルマーケティングでは、効果的な戦略の策定や改善のため、正確なデータの読み取りと解釈が不可欠です。Web解析士資格を持つことで、データに基づいた意思決定が可能になります。正確なデータ分析スキルを身につけ、Webサイトの効果的な最適化や改善に貢献できる能力を備えることができるでしょう。
Google広告認定資格
Google広告認定資格は、Googleが提供する広告プラットフォームの知識を証明するものです。この資格を持つことで、Google広告の運用や最適化に関する幅広いスキルを習得できます。デジタルマーケティングでは、Google広告を活用してターゲットユーザーにリーチする方法もあります。認定資格を取得することで、効果的な広告キャンペーンの計画と実行を行うための体系的な知識の習得が可能です。
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス実務検定は、特定の業種や職種にとらわれない幅広いマーケティング知識を測る資格です。顧客が何を求めているのかを分析し、本当に求めている商品やサービスを提供し、価値を提供するために役立ちます。マーケティング理論や幅広い知識を身につけられ、消費者の反応を予測し、適切なタイミングで商品やサービスを提供できるようになるでしょう。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、コンピュータの基本的な知識やネットワーク、セキュリティに関する基礎を学ぶための試験です。特にデジタルマーケティングの世界では、Webサイトやデジタルツールを使用して情報を広めることが重要です。ITパスポート試験の資格を取得すれば、IT全般に関わる知識を習得できるため、Webサイトの運用やデジタルツールの使用などがスムーズにできるようになります。基本的なIT知識を習得し、デジタル領域での仕事をより効果的に行うための資格と言えるでしょう。
デジタルマーケティングの成功事例
最後に、デジタルマーケティングの成功事例を3つご紹介します。
- 資生堂
- パナソニック
- 株式会社USEN
デジタルマーケティングに取り組むイメージを沸きやすくするために、ぜひ参考にしてください。
資生堂
資生堂は、デジタルマーケティングを積極的に活用し、コスメティックブランドとしての存在感をオンラインでも際立たせております。内容は、動画マーケティングの1つであるライブコマースを活用し、商品の紹介を行いつつユーザーとのコミュニケーションを取れるようにしました。ECサイトでキャンペーン実施の告知も行い、販売促進を積極的に行っています。また、Web上でスキンケアやメイクアップ方法などを紹介し、自宅でビューティーコンサルタントのカウンセリングを受けられるようにしました。このように、資生堂はデジタルマーケティングを通じてブランドと顧客との関係を築き、オンラインコミュニケーションを通じて顧客の関心を高めています。
パナソニック
パナソニックは、SNSをうまく活用し、売上が前モデルの倍以上になった商品があります。新商品である「オーブントースター ビストロ」のプロモーションをインスタグラムで行い、トースターを活用したレシピ紹介をしました。実際のモデルとなっている家族が、パナソニック製の冷蔵庫やレンジなどを使用し調理する様子を自宅で撮影し「真似してみたい」と思わせるようなコンテンツにしています。また、キーワードや製品需要などを明確にし、カスタマージャーニーの理解を深めてコミュニケーション設計を行いました。結果、前モデルと比較して売上が倍以になったため、成功したと言えるでしょう。
株式会社USEN
株式会社USENは、広告運用の最適化でコンバージョンが倍以上になった事例があります。飲食店向けのタブレットPOSレジ「Uレジ」が広告運用の対象商品で、飲食店経営者に向けて広告を配信しました。AIを活用してキャッチコピーや色などを切り分けながら検証し、ターゲット層に適切なメッセージを届けられるように施策を打ちました。結果、コンバージョン数を安定させることができ、通常の2〜3倍まで増やせたのです。POSレジを利用する店舗経営者を対象に、効率的な売上管理や顧客分析などのメリットを訴求する広告キャンペーンを展開したことが、成功した秘訣です。
まとめ
本記事では、デジタルマーケティングの目的や重要性を踏まえた上で、10通りの手法やメリットなどを解説しました。デジタルマーケティングは、ビジネスの拡大やブランドの認知度を向上させるために重要なマーケティング手法です。まずは自社の顧客や事業目標を正しく理解した上で、Webサイト運用や動画マーケティング、デジタル広告などのチャネル選択や運用を行いましょう。
Strhではマーケティング戦略策定から施策運用支援、システム構築までマーケティング課題に合わせたソリューションをご提案いたします。
自社のマーケティングについて課題を感じられている方は、まずはお気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント