GA4の分析方法を徹底解説!Googleアナリティクス4の画面の見方から分析で見るべきポイントまで紹介します

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GA4の分析方法を徹底解説!Googleアナリティクス4の画面の見方から分析で見るべきポイントまで紹介します

この記事でわかること

  • GA4におけるコンバージョンの基本と、UA(ユニバーサルアナリティクス)との計測方法の違い
  • GA4でコンバージョン計測を行うための事前準備(データストリーム・イベント設計など)と設定方法
  • 設定したコンバージョンイベントが正しく計測されているかを確認する方法(リアルタイムレポートや探索レポートの活用)
  • コンバージョンが記録されない原因(設定ミス・イベント名の不一致など)とその対処法
  • GA4のコンバージョンデータを活用した施策評価・チャネル分析・改善アクションへのつなげ方

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

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  • GA4のコンバージョン設定手順が複雑で、自社サイトで正しく計測できているか不安
  • GTMやイベント設計の知識がなく、思った通りにコンバージョンが取れていない
  • 取得したコンバージョンデータをマーケティング施策にどう活かせばいいか悩んでいる
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GA4(Googleアナリティクス4)を導入したものの、「データの見方や分析方法が難しい」「マーケティング施策にどう活かせばいいのか分からない」と悩んでいませんか?

UAのサポート終了に伴い多くの企業がGA4へ移行されました。しかし、GA4は従来のUAとはデータの計測方法やレポートの見方が大きく異なるため、「使い方が難しい」と感じる方も少なくありません。

本記事ではGA4の基本機能や導入後の分析方法を分かりやすく解説し、実際に自社のWebサイトでデータを活用する方法を詳しく紹介します。

まず、GA4とは何か知りたい方は以下の記事をご覧になってから、本記事を参考にすることをお勧めします。

参照:Googleアナリティクスとは?最新のGA4のメリットや導入・設定方法などを紹介

GA4でのデータ分析の重要性

近年、スマートフォンの普及・浸透により、ユーザーはWebサイトやアプリ、SNSなど複数のチャネルを行き来しながら、情報収集や購買行動を行うのが一般的になってきました。こうしたユーザー行動の多様化により、従来の「ページ単位」のデータだけではユーザーの意図やニーズを正確に捉えることが難しくなっています。

従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)ではセッションやページビューを中心としたレポートが主流でしたが、ユーザーがどのチャネルから接触しどのような経路をたどってコンバージョンに至ったのかを深く理解するには限界がありました。

そこで登場したのがGA4です。GA4は「ユーザー中心の分析」をコンセプトに設計されており、すべての行動を「イベント」として記録することで、より詳細で柔軟なデータ分析を実現しています。たとえば、商品詳細ページの閲覧や動画再生、問い合わせボタンのクリックといった具体的なアクションを追跡できるため、UX改善やマーケティング施策の見直しに役立つ重要な示唆が得られます。

さらにGA4はWebサイトとアプリのデータを一元的に統合できるため、ユーザーの全体像を包括的に把握することが可能です。チャネルを横断してユーザー行動を分析できる点は、これまでのツールにはなかった大きな強みと言えるでしょう。

こうした背景からGA4は「使えたら便利なツール」ではなく、「ユーザー中心のマーケティングを行うために欠かせない基盤」として、今や多くの企業にとって必要不可欠な存在となりつつあります。

GA4のデータ分析でできること

では、GA4を活用して具体的にどのような分析ができるのかを、3つのポイントに分けて紹介します。

ユーザーのサイト内の行動を詳細に分析できる

GA4ではユーザーがWebサイト内でどのような行動をとったのかを、従来よりも詳細に追跡・分析することが可能です。

たとえば「どのページが閲覧されたのか」「どのCTA(Call To Action)ボタンがクリックされたのか」「フォーム送信や動画再生が行われたのか」など、ユーザーのアクションをすべて「イベント」として記録できます。

これにより「お問い合わせページまでは訪れているが、フォーム送信には至っていない」「ブログ記事の閲覧数は多いが、商品ページへの遷移が少ない」といったユーザー行動の傾向や離脱ポイントを可視化できます。

こうした行動データから得られるインサイトは、コンテンツの見直しや導線の改善、コンバージョン率の向上を目指すうえで欠かせないヒントとなります。

ユーザーの流入経路を分析できる

GA4では検索エンジンやSNS、広告、メール、リファラー(他サイトからの遷移)など、さまざまなチャネルからの流入を正確に把握することができます。

中でも注目したいのが「どのチャネルが成果にどれだけ貢献しているのか」を多角的に評価できる点です。たとえば、「最初の訪問はInstagram経由だったが、実際にコンバージョンに至ったのはGoogle検索からの再訪問だった」といったように、ユーザーの行動を一連の流れとして捉えられるようになります。

さらにGA4の「アトリビューション分析」機能を活用することで、各チャネルの貢献度を可視化し、広告費の配分見直しやチャネルごとの施策最適化に役立てることができます。限られたリソースを最大限に活かすためにも、こうした分析は非常に有効です。

機械学習による予測分析ができる

GA4の大きな特長のひとつがGoogleの機械学習技術を活用した「予測分析機能」です。

ユーザーの行動データが蓄積されていくことで、GA4はその傾向を学習し、「このユーザーは今後購入する可能性が高い」「このユーザーは離脱するリスクがある」といった、将来の行動を自動的に予測できるようになります。

たとえば、離脱リスクの高いユーザーに対してはリターゲティング広告を配信したり、LTV(顧客生涯価値)が高いユーザーには特別なオファーを用意したりと、ユーザーの状態に応じたアプローチが可能になります。

過去のデータを振り返るだけでなく、「これから起こりうる未来」に目を向けた施策を打てる点が、GA4ならではの大きな強みです。

GA4の画面の見方と分析ツール

GA4には、データ分析に必要な機能がわかりやすく整理されたメニュー構成が用意されています。主に「ホーム」「レポート」「探索」「広告」「管理」という5つのセクションに分かれており、それぞれの役割を理解することで、より効率的なデータ分析と施策立案が可能になります。以下では、各セクションの画面構成と注目ポイントを詳しく解説していきます。

ホーム

GA4分析ホーム画面

GA4の「ホーム」画面は、サイト全体の現状を俯瞰できるダッシュボードとして設計されています。日々の確認や異常値の早期発見に最適です。

項目解説
ユーザー数指定期間中に訪問したユーザー数の推移を表示。集客状況の把握に役立ちます。
イベント数ユーザーが起こしたアクション(クリック、スクロール、ページ遷移など)をカウント。サイトのエンゲージメントを測る指標です。
多く見られたページ閲覧数が多いページの一覧。人気コンテンツの特定や導線改善の参考になります。
流入経路別のセッション数検索エンジン、広告、SNSなど、流入元ごとのセッション数を表示。チャネルごとの効果測定に有効です。
直近30分のユーザーの行動リアルタイムでサイトにアクセスしているユーザーの動きを確認できます。キャンペーン施策の即時検証にも活用可能です。

レポート

レポート画面

「レポート」セクションでは、ユーザーの属性や行動、サイト内でのコンバージョン状況を把握できます。標準レポートが豊富に揃っており、定期的なパフォーマンス確認に便利です。

項目詳細
リアルタイムの概要今この瞬間にサイトへアクセスしているユーザーの行動や位置情報、ページ閲覧状況などをリアルタイムで確認。
レポートのスナップショット分析指標を一目でまとめて見ることのできるダッシュボード形式のレポート。
ユーザー属性ユーザーの地域、言語、性別、年齢などの属性情報を確認可能。
テクノロジーユーザーが使用しているデバイスやOS、ブラウザなどの技術的環境を確認する。
ライフサイクルユーザーの獲得、エンゲージメント、収益といった行動を流れで把握。
集客どのチャネルからユーザーが訪問しているかを分析。マーケティング施策の成果を評価するのに役立ちます。
エンゲージメントユーザーがどれだけサイトに関心を持っているかを測る指標。滞在時間や資料ダウンロードや問い合わせといったイベント発生数などの行動を分析できます。
収益化ECサイトなどであれば、売上や平均購入単価などをトラッキングし、収益状況を可視化します。

探索

探索画面

「探索」はGA4の中でも高度な分析を行うための強力な機能です。自由に条件を設定し、ユーザー行動の深掘りや仮説検証が可能です。

項目詳細
自由形式クロス集計やチャート形式など、目的に応じた自由な分析レイアウトを作成できます。
ファネルデータ探索ユーザーがコンバージョンに至るまでのステップを視覚化します。ボトルネックの特定に最適です。
経路データ探索ユーザーがどのようなページやアクションをたどったか行動経路をツリー形式で可視化。
セグメントの重複異なるセグメントのユーザーがどれほど重なっているかを確認でき、ターゲティング精度の向上に貢献します。
ユーザーエクスプローラ個別ユーザーの行動履歴を1人ひとりレベルで追跡可能。CRM施策との連携にも有効です。
コホートデータ探索共通の属性を持つユーザーグループの行動を追跡します。
ユーザーのライフタイムユーザーが初めて訪れてから離脱・継続に至るまでの一連の行動や収益への貢献を可視化。

広告

広告画面

「広告」セクションではGoogle広告や他の媒体との連携状況を確認でき、広告施策の効果を測定・最適化するために利用されます。

たとえば、広告経由の流入がその後どのようなアクションにつながったか、ROIがどれほどだったかを分析することが可能です。また、GA4で設定したコンバージョンイベントをGoogle広告にインポートしてオーディエンスリストを作成したり、リターゲティングに活用することもできます。

管理

管理画面

「管理」セクションでは、GA4プロパティ・ユーザー権限・データストリーム・イベント・コンバージョンなどの各種設定を行います。GA4の土台となる部分であり、正確なデータ収集と分析のためには初期設定が非常に重要です。

特に、イベントの設定やコンバージョンの定義は分析の方向性を左右するため、導入初期にしっかりと設計しておきたいポイントです。

GA4で分析を行う際に見るべきポイントと確認方法

GA4は柔軟かつ詳細なデータ分析が可能ですが、的確なインサイトを得るためには見るべき指標や分析手順を正しく理解することが不可欠です。ここでは、GA4での代表的な分析項目とそれぞれの確認方法を分かりやすく解説していきます。

ユーザー属性

GA4では、訪問者の年齢・性別・地域・言語・興味関心などの属性情報を把握できます。これらのデータは、ターゲットユーザーの理解や広告セグメントの最適化に非常に役立ちます。

■確認方法

GA4の左側メニューから「レポート」→「ユーザー」→「ユーザー属性」→「ユーザー属性サマリー」へと進みます。

ユーザー属性画面

ここでは、地域・年齢・性別・言語ごとのセッション数やエンゲージメント時間などを確認できます。

より詳細なデータを見たい場合は、「ユーザー属性の詳細」セクションでディメンションを切り替えながら分析を行うことが可能です。

流入経路

どのチャネル(検索・SNS・広告・メールなど)を経由してユーザーがサイトへ流入しているのかを確認できます。施策別のパフォーマンス比較や投資対効果の評価に不可欠なデータです。

■確認方法

「レポート」→「ライフサイクル」→「集客」→「トラフィック獲得」を選択します。

トラフィック獲得画面

ここでは、デフォルトチャネルグループ・セッションメディア・参照元といったディメンションを使って、流入元ごとの違いを比較できます。さらに、エンゲージメント時間やコンバージョンへの寄与といった指標もあわせて確認すると、より深い洞察が得られます。

セッション

ユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでの「ひとまとまりの行動」をセッションとして記録します。トラフィックの規模感やアクセスの波を把握する上で基本となる指標です。

■確認方法

「レポート」→「ライフサイクル」→「集客」→「集客サマリー」で確認できます。

集客サマリー画面

「セッション数」や「新規ユーザーとの比較」などを軸に分析を進めることができます。また、「探索」機能を活用すれば、特定の条件と掛け合わせた詳細な分析も可能です。

ページのスクロール数

GA4ではページのスクロール率をイベントとして自動計測できるため、コンテンツの熟読度やUXの改善ポイントを把握するのに最適です。

■確認方法

「レポート」→「ライフサイクル」→「エンゲージメント」→「イベント」へと進み、イベント名「scroll(スクロール)」の発生数をチェックします。

さらに、ページごとにスクロールイベントの発生回数を知りたい場合は「探索」レポート機能を活用し、「page_location」と「event_name」を掛け合わせることでクロス分析が可能です。

イベント画面

クロスデバイスユーザー

GA4ではGoogleシグナルを有効化することで、同一ユーザーのデバイス横断の行動も追跡可能になります。スマホ・PCの行き来を含めたユーザージャーニーの把握に有効です。

■確認方法

1.GA4の管理画面から「データの収集と修正」→「データ収集」でGoogleシグナルを有効にします。

データの収集画面

2.その後「レポート」→「ユーザー」→「ユーザー属性」や「テクノロジー」から、クロスデバイスの傾向を確認することができます。さらに深く分析したい場合は、「探索」レポートでユーザーIDやセッションIDを使って行動を追跡することも可能です。

概要画面

探索

GA4の「探索」機能は自由な切り口でデータを深掘りできる強力なツールです。仮説を検証したり、特定のユーザー群の行動傾向を明らかにしたいときに活用します。

■確認方法

左メニューの「探索」から「自由形式」「ファネル分析」「経路分析」など任意のテンプレートを選択します。テンプレートギャラリーには複数のテンプレートが用意されています。自由形式を選択すれば、ディメンションや指標をドラッグ&ドロップして、自分だけの分析モデルを構築することが可能です。また、探索結果は保存や共有もできるため、マーケティングチームとの情報連携にも便利です。

自由形式画面

探索テンプレート▽

探索テンプレート

GA4の「イベント計測」とUAの「セッションベース計測」の違い

Googleアナリティクスの新旧バージョンで最も大きな違いの一つが、データの計測方法です。UAは「セッションベース」、一方でGA4は「イベントベース」での計測を採用しています。

UAでは、ユーザーがWebサイトを訪れてから離脱するまでのまとまり(セッション)を中心にデータを記録しており、ページビューや滞在時間、離脱率など、訪問単位のデータが主な分析対象でした。そのため、ページをまたがるユーザーの具体的なアクションや細かな挙動を把握するには限界があり、追加のカスタマイズが必要でした。

対してGA4では、すべてのユーザー行動が「イベント」として記録されるという根本的な設計変更が行われています。たとえば、ページの閲覧だけでなくスクロール・動画再生・フォーム入力・リンククリックなど、ユーザーが起こす一つひとつのアクションが標準でイベントとして計測される仕組みになっています。

この違いにより、GA4ではセッションの枠を超えてユーザーの行動を立体的に捉えることが可能になり、より精緻な分析ができるようになりました。マーケティング施策の精度を高めるうえでも、GA4のイベントベースの考え方は今後のデータ分析の主流となるでしょう。

項目名UAGA4
計測単位セッションベースイベントベース
主な計測内容ページビュー、滞在時間、離脱率などクリック、スクロール、フォーム送信、動画再生など
カスタム計測イベントは都度設定が必要多くのイベントは自動計測される(拡張計測機能)
クロスプラットフォーム分析基本的にWebが中心Webとアプリを統合して計測可能
分析の柔軟性限定的(セッションに依存)柔軟で多角的な分析が可能

GA4の主な指標と確認方法

GA4の主な指標と確認方法

エンゲージメントとは

GA4におけるエンゲージメントは、ユーザーがWebサイトやアプリでどれだけ積極的にコンテンツと関わったかを示す指標です。単なる訪問数ではなく、実際の滞在や行動の質を測る上で重要な役割を果たします。

主な指標

  • エンゲージメント率:ユーザーのセッションのうち、一定時間以上の滞在やコンバージョンなど、エンゲージメントがあった割合
  • エンゲージメント時間:ユーザーがページやアプリに滞在した合計時間
  • スクロール率:ページを90%までスクロールしたユーザーの割合

確認方法

エンゲージメントの状況を確認するには、「レポート」→「エンゲージメント」→「エンゲージメント概要」にアクセスします。さらに、「イベントレポート」では、どのようなユーザーアクション(たとえばボタンのクリックや動画の再生など)がエンゲージメント向上に貢献しているのかを分析することができます。また、直帰率の高いページを特定し、CTAボタンの配置変更や動画の追加など、具体的な改善施策を検討するのも効果的です。

エンゲージメントの概要

コンバージョン

GA4では、購入や問い合わせ、会員登録などの重要なアクションを「イベント」として記録し、それをコンバージョンとして分析します。

主な指標

  • コンバージョン数:指定されたコンバージョンイベントの達成回数
  • コンバージョン率:セッション数に対するコンバージョンの発生割合
  • コンバージョンパス:ユーザーがどの経路を通ってコンバージョンに至ったか

確認方法

コンバージョンの達成状況を確認するには、「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」へ進み、設定済みのコンバージョンイベントをチェックします。さらに、「探索レポート」を活用すれば、チャネル別やユーザーの行動経路別に分析することが可能です。コンバージョン率が低いページを特定し、フォームの簡素化やCTAの改善など、より効果的な導線設計につなげることができます。

イベント確認画面

ユーザー属性

ユーザー属性の分析では訪問者の年齢・性別・地域・デバイスなどの情報を可視化し、ターゲットごとの行動傾向を把握します。

主な指標

  • ユーザー数:ユニークユーザーの訪問数
  • 年齢・性別:訪問者の年代や性別の構成比率
  • 流入元(チャネル):オーガニック検索、SNS、広告などのトラフィックソース
  • 使用デバイス:ユーザーが利用している端末(PC、スマホ、タブレットなど)

確認方法

ユーザー属性を確認するには、「レポート」→「ユーザー」→「ユーザー属性サマリー」へと進みます。さらに、「集客レポート」では、どの流入チャネルが最もコンバージョンに寄与しているかを確認できます。ユーザーの属性ごとにエンゲージメント率やコンバージョン率を比較することで、よりターゲットに即したコンテンツや広告戦略を立てることが可能になります。

ユーザー属性サマリー画面

GA4を活用したマーケティングデータ分析と最適化

GA4は単なるアクセス解析ツールではなく、ユーザー理解を深めマーケティング施策の精度を高めるための強力なプラットフォームです。ここでは、GA4の分析機能の中でもよりマーケティング施策の最適化に直結する「探索レポート」「イベント計測とコンバージョン分析」「Googleタグマネージャーの活用」について詳しく解説します。

GA4探索レポートの活用

GA4探索レポート画面

GA4の探索レポートはユーザーの行動を深く掘り下げられる分析手段です。標準レポートでは見えにくいユーザーの動線や傾向を把握し、コンバージョンに貢献している経路やエンゲージメントの高いセグメントを明らかにできます。

探索レポートでは、以下のような高度な分析が可能です。

  • フリーフォーム探索:自由な切り口でディメンションと指標を組み合わせ、カスタムレポートを作成。
  • 経路データ探索:ユーザーがたどった行動フローをツリー形式で可視化。
  • セグメント重複探索:複数セグメントの重なりを分析し、ターゲットとなるユーザー像を明確化。
  • ファネル探索:コンバージョンに至るまでのステップ(例:LP → 商品ページ → カート → 購入)を段階的に分析。

このような機能を活用することで、「どのチャネル経由のユーザーがより多くのステップを踏んで購入しているか」「離脱が多いページはどこか」といった具体的な仮説検証が可能になります。

GA4のイベント計測とコンバージョン分析

イベント計測

GA4では、ユーザーのアクションすべてが「イベント」として記録されます。ページビューはもちろん、ボタンのクリック、スクロール、動画の再生、フォーム送信など、多種多様な行動を計測対象にできるのが大きな特徴です。

■自動で計測されるイベント(Enhanced Measurement)

ページビュー、スクロール、外部リンククリック、サイト内検索などが初期設定で自動計測されます。

■手動で設定するカスタムイベント

特定のボタンやフォームなど、自動では検出されない重要アクションは、カスタムイベントとして設定が必要です。

コンバージョン分析

コンバージョンとは、ユーザーがWebサイト上で達成すべき「成果」(例:商品購入、資料請求、会員登録など)のことです。GA4では、イベントの中から重要なアクションを「コンバージョン」として設定することで、詳細なパフォーマンス分析が可能になります。

■コンバージョンの設定方法

「管理」→「プロパティ設定」→「データの表示」→「イベント」メニューで、該当イベントの横にある「キーイベントとしてマークをつける」を「オン」にするだけで、コンバージョンとして扱えます。

キーイベント確認画面

■コンバージョン経路の分析

「探索」機能のファネル分析を使えば、ユーザーがどの経路を通ってコンバージョンに至ったのかを可視化できます。

Googleタグマネージャーの活用

Googleタグマネージャー(GTM)は、GA4の計測タグを一元管理できる無料ツールです。Webサイトのコードを直接編集することなくタグの追加や変更が可能になるため、マーケティング担当者でも比較的容易に操作できます。

GTMについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

参照:Googleタグマネージャー(GTM)とは?使い方や利用メリット、導入方法を徹底解説

GTMを使うメリット

GTMを導入することで、以下のような利点が得られます。

  • コーディング不要で設定や変更ができ、実装作業のスピードが上がる
  • クリック、スクロール、フォーム送信などのイベントを柔軟に計測できる
  • GA4だけでなく、広告タグやヒートマップ、チャットボットなど他ツールとの連携も簡単に行える

GA4とGTMの基本的な連携手順

1.Googleタグマネージャーにログインし、新しいコンテナを作成
2.GTMのトラッキングコードをWebサイトの <head> に設置
3.GTM内で「GA4 設定タグ」を作成し、測定ID(G-XXXXXXXX)を入力
4.トリガーとして「All Pages(全ページ)」を選択
5.設定が完了したら「公開」してGA4との連携を完了

GTMを活用したイベント計測

GTMを使えば、GA4で自動検出されない細かなユーザーアクションも計測できます。

  • クリックイベントの計測:特定のボタンやリンクのクリックをトリガーにイベントを発火
  • フォーム送信の計測:送信完了時のアクションを検出して計測
  • スクロールイベントの計測:ページの50%、75%など、任意のスクロール量をイベント化

これらの設定を行うことで、サイト内でのユーザーアクションをより正確に把握し、施策改善に活かすことが可能になります。

GA4設定時の注意点

GA4は強力な分析ツールですが、その機能を正しく活用するには初期設定が非常に重要です。設定ミスがあると誤ったデータが蓄積されてしまい、分析結果に悪影響を及ぼしかねません。ここでは、GA4の設定時によくあるミスとそれを防ぐための具体的な注意点を紹介します。

データストリームの設定ミスを防ぐ

GA4ではデータストリームの設定が最初の重要なステップです。ここでの設定ミスは、その後のデータ収集や分析に大きな影響を与えるため、慎重に行いましょう。

ウェブストリームの詳細画面

データストリーム設定ミスを防ぐには、以下のポイントに注意することが大切です。

■データストリームの種類を確認

GA4では「Web」「iOS」「Android」の3つのデータストリームがあります。自社の計測したい対象に応じた適切なタイプを選びましょう。

■測定IDやアプリIDの入力ミス防止

Webサイトの場合は「測定ID(G-XXXXXXXX)」、アプリの場合は「アプリID」の正確な入力が必須です。特に手入力の際は、余計なスペースや文字抜けに注意が必要です。

■設定後にデータ受信を確認

リアルタイムレポートやデバッグビューで、設定したストリームが正しくデータを受信しているかを必ずチェックしましょう。

■デバッグモードの活用

GA4には「デバッグビュー」がありイベントの発火状況をリアルタイムで確認できます。公開前にテスト環境で動作確認を行うことで、ミスを事前に防げます。

自動測定機能の適用範囲を確認する

GA4では拡張計測機能(Enhanced Measurement)により主要なイベントが自動で収集されます。ただし、すべてのサイトにとって必要なイベントとは限らないため、事前に確認が必要です。

■自動で計測されるイベント

ページビュー、スクロール、外部リンクのクリック、サイト内検索、動画のエンゲージメント、ファイルのダウンロードなどが対象です。

■設定画面で確認・変更

「管理」「プロパティ設定」「データの収集と修正」「データストリーム」で任意のウェブストリームをクリックし、「ウェブストリームの詳細」から「拡張計測機能」へと進むことで、各イベントのON/OFFを切り替えることができます。

■不要なイベントの無効化

たとえば外部リンククリックや動画再生が分析に不要な場合、それらを無効化することで、不要なノイズデータの蓄積を防げます。

コンバージョンイベントの設定ミスに注意

GA4では任意のイベントを「コンバージョン」として指定する必要があります。設定ミスがあるとコンバージョンが正しく記録されず、施策評価に支障をきたす恐れがあります。

注意すべきポイントはこちらです。

■イベント名の誤り

イベント名が正確でないと認識されません。スペースや大文字・小文字の違いでもエラーの原因となるため、公式のイベント名をそのまま使用するのが安全です。

■必要なイベントをコンバージョンに設定

GA4ではイベントを収集しただけではコンバージョンとはみなされません。「管理」→「プロパティ設定」→「データの表示」→「キー―ベント」から設定したいイベントをキーイベントとして設定する必要があります。

キーイベントのチェックをつける画面

■設定後の確認

リアルタイムレポートや探索レポートを使って、イベントが意図通り「コンバージョン」として記録されているかを確認することが重要です。

データ保持期間の設定を「14か月」に変更する

GA4の初期設定ではユーザーデータの保持期間が「2か月」に制限されています。このままだと過去データとの比較や年間単位での分析ができなくなってしまいます。

長期的な分析が必要な場合は、必ずデータ保持期間を「14か月」に変更しておきましょう。これにより、1年以上にわたるユーザー行動の変化や、マーケティング施策の効果を中長期的に追跡できます。

設定変更は、「管理」→「プロパティ設定」→「データの収集と修正」→「データ保持」から行えます。

データの保持画面

内部トラフィックの除外

正確な分析を行うには、自社の社員や関係者によるアクセス(内部トラフィック)を除外することが不可欠です。これを怠ると、実際のユーザー行動と異なる数値がレポートされてしまいます。

■内部トラフィックの除外設定

「管理管理」→[プロパティ設定」→「データストリーム」で使用しているストリームを選択、ウェブストリームの詳細画面から「タグの設定を行う」をクリックします。表示された画面の中の「内部トラフィックの定義」を選択すると、内部トラフィックルールの作成・設定画面が表示されます。

内部トラフィックの画面

ここに、除外したいルールを設定します。一般的な除外例としては、「自社のオフィスのIPアドレスと等しい」と設定します。「traffic_type の値」は「Internal」のまま設定してください。

内部トラフィックのルールを表示する画面

ここまで設定した後に必ず、データフィルタで「除外」を有効化を行いましょう。内部トラフィックの除外は定義だけではトラフィックは除外できません。もう一度「管理」にもどり、「プロパティ設定」「データの収集と修正」「データフィルター」選択し、データフィルターの作成します。

データフィルターの編集画面

内部トラフィック除外時の注意点

■IPアドレスの指定ミス

除外したいIPアドレスは正確に入力しましょう。サブネットマスクなど、形式にも注意が必要です。

■動的IPの場合は定期的に確認

社内ネットワークが動的IPの場合、時間とともにIPが変わることがあります。定期的にアクセスログをチェックして、除外設定の見直しを行いましょう。

■フィルタ設定の適用確認

「内部トラフィックを定義」しただけでは除外されません。設定ステータスが「テスト」になっている場合は、「除外」へと切り替えることを忘れずに。

GA4の初期設定は今後のすべての分析の「土台」となるものです。最初の段階で正しく設定できていれば、後々のレポート作成や施策評価がスムーズに行えるようになります。設定時には必ずチェックリストを用意し、複数人でのダブルチェックをおすすめします。

まとめ

本記事では、GA4の基本的な画面構成から、ユーザー行動や流入経路、コンバージョンに至るまでの具体的な分析方法を徹底的に解説してきました。

GA4は、従来のUAとは異なり、ユーザー中心のイベントベース計測を採用しています。そのため、「どのチャネルから訪れたユーザーが、どんな経路でサイトを回遊し、最終的にどのアクションを取ったのか?」といった、より深い分析が可能です。

なかでも注目すべきポイントは、GA4の「探索レポート」機能によって柔軟で高度な分析が行える点、ユーザーの行動を「イベント」や「コンバージョン」として可視化できることによって施策評価の精度が向上する点、そしてGoogleタグマネージャー(GTM)と連携することで計測設定を自動化・最適化できる点の3つです。

また、GA4を効果的に活用するためには、設定ミスを防ぎ、初期構築を正確に行うことが欠かせません。データストリームの設定やコンバージョンイベントの定義、内部トラフィックの除外設定といった基本事項をしっかり押さえることで、信頼性の高いデータに基づいたマーケティングが実現します。

GA4の活用は、単なるアクセス解析を超えて、成果につながるデータ分析”を可能にする第一歩です。ぜひ本記事を参考に、GA4を活用した分析と最適化を実践してみてください。

なお、GA4の導入支援や活用に不安がある方には、ストラが提供する下記のサービスもご活用いただけます。

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執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloudアドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagementスペシャリスト
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagement コンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント
Salesforce認定Data Cloudコンサルタント

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