【2025年最新版】GA4の使い方とは?画面の確認方法やアドオンツールまで徹底解説

この記事でわかること
- GA4の使い方
- GA4で実現できること
- GA4の画面の見方と基本操作
- GA4を使うときに知っておきたい重要用語
- GA4をより効果的に活用するためのポイント

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
GA4の使い方でお悩みの方は、Strhにご相談ください
- 思ったようにデータを見られず、GA4は扱いづらいと感じている
- GA4を導入したのに、どう使いこなせばよいか分からない
- どのレポートを見れば、自社にとって重要な指標が分かるのかわからない
GA4(Googleアナリティクス4)は従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは大きく異なり、イベントベースの計測を採用した新しい分析ツールです。しかし、「GA4の画面の見方がわからない」「UAと違いすぎて使い方が難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか?
本記事ではGA4の基本的な使い方から設定方法、データ分析のコツまでを図解付きでわかりやすく解説します。GA4をスムーズに導入し、正確なデータ分析ができるようになりましょう!
GA4についてより詳しく知りたいという方は、こちらの記事をご覧ください。
参照:Googleアナリティクスの基本と活用方法
目次
GA4(Googleアナリティクス4)とは?
GA4(Googleアナリティクス4)はGoogleが提供する最新のアクセス解析ツールです。従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは異なり、イベントベースの計測を採用しているためユーザーの行動をより詳細に分析できます。本章ではGA4の基本的な概念や導入のメリット、設定方法について解説します。
GA4で実現できること
GA4は、単なるアクセス数の把握にとどまらず、ユーザー行動や集客施策の効果を多角的に分析できる次世代型のアクセス解析ツールです。特に以下の3点が大きな特徴です。
①イベントベースのデータ計測ができる
GA4の最も大きな特徴はすべてのユーザー行動を「イベント」として捉える仕組みです。ページビューだけでなく、スクロール、クリック、動画の再生、フォームの送信など多様なアクションが個別のイベントとして自動的または手動で記録されます。
これにより、ユーザーがサイト内でどのような行動を取ったかを詳細に把握することが可能となり、コンバージョンに至るまでのプロセスを多角的に分析できます。
②クロスデバイス計測ができる
現代のユーザー行動はスマートフォン・タブレット・PCなどの複数デバイスにまたがっています。GA4ではGoogleシグナルの利用やユーザーIDの導入により、こうしたクロスデバイスの行動を1つのユーザーとして紐付けて追跡することができます。
これによりセッション単位の分析では把握できなかった行動の全体像を可視化し、より実態に即したデータが得られるようになります。
③施策ごとの成果把握がしやすい
GA4ではマーケティング施策やコンテンツ改善の効果測定もより高度に行うことができます。イベントを活用して細かく設定したコンバージョンの発生状況をモニタリングしたり、カスタムディメンションを使って特定の条件下でのユーザー行動を分析したりすることで施策がユーザー行動にどのように影響しているかを数値で確認できます。
また、A/Bテストやファネル分析などにも対応しており、マーケティングやUX改善の意思決定を強力にサポートします。
GA4の導入・設定方法
GA4を活用するには正しい導入と初期設定が欠かせません。以下では、GA4の導入から基本的な設定までの流れを4つのステップに分けて解説します。
①GA4プロパティとストリームを作成する
GA4の利用を開始するには、Googleアナリティクスの管理画面から新たに「GA4プロパティ」を作成する必要があります。プロパティ作成時にはWebサイトやアプリを接続するための「データストリーム」も同時に設定します。Web用のストリームではURLやストリーム名を指定するだけで、計測に必要な初期設定が自動で生成されます。
■設定方法
1.管理メニューからプロパティを作成
左下の歯車アイコン「管理」をクリックし、左上の「+作成」プロパティを選択します。

2.プロパティ情報を入力
- プロパティ名(例:自社サイト名)
- レポートのタイムゾーン(例:日本)
- 通貨(例:JPY)
上記3つを指定し、「次へ」をクリックします。

3.ビジネス情報を選択
業種とビジネス規模を選び、「利用目的」を任意で選択したら「作成」をクリックします。


4.データストリームを作成(Webの場合)
「データストリームの選択」画面で「ウェブ」を選びます。
- 対象URL(https://~で始まる)
- ストリーム名(任意)
上記2つを入力し、「ストリームを作成」をクリック


5.測定ID(G-XXXXXXXXXX)を確認
作成後に表示される「測定ID(Measurement ID)」をコピーしておきます。このIDは後でWebサイトにタグを設置する際に使用します。

以上でGA4の基本的なプロパティとストリームの作成は完了します。Web用のストリームでは、ページビューやスクロールなどの主要なイベントが自動で収集される設定が含まれており、初期段階では追加設定をしなくても主要な分析が可能です。
②GA4タグをWebサイトに設置する
GA4でデータを取得するには、生成された「計測タグ(gtag.js)」をWebサイトに埋め込む必要があります。HTMLの<head>タグ内にタグコードを設置することでユーザーの行動データが自動で収集されるようになります。なお、Googleタグマネージャーを利用している場合はより柔軟なタグ管理が可能です。
■設定方法
【タグの取得手順】
1.管理メニューからデータストリームを開く
左下の「管理」→ 左の「プロパティ」欄で対象プロパティを選択 →「データストリーム」をクリックします。
2.対象のWebストリームを選択
Web用のストリーム(URLが表示されているもの)を選択すると詳細画面が開きます。

3.タグ設定手順を確認
表示された画面の「タグの実装手順を表示する」→「手動でインストールする」を選択します。

4.表示されたタグをコピー
<script>~</script> で囲まれたコードをすべてコピーします。

【タグの設置手順】
5.WebサイトのHTMLにタグを貼り付ける
コピーしたタグコードを自社WebサイトのHTML内の <head> タグ直下に貼り付けます。
【Googleタグマネージャーを使う場合】
1.新しいタグを作成

2.タグの種類で「Googleアナリティクス: GA4 設定」を選択


3.測定IDを入力

4.トリガーで「すべてのページ」を指定し追加 → ワークスペース右上の「保存」ボタンをクリックして公開

③プロパティやデータストリームを設定する
タグの設置が完了したら、GA4の管理画面上で「データ保持期間」や「タイムゾーン」「通貨」などの基本情報を設定しておきましょう。また、Botトラフィックの除外設定も忘れずに行うことでより正確なデータ収集が可能になります。
■設定方法
【レポートのタイムゾーンと通貨の確認】
1.左下の「管理」→ 該当プロパティ列の「プロパティ設定」をクリック
2.「レポートのタイムゾーン」「通貨」を確認・修正
※ タイムゾーンが日本の場合は「日本」「GMT+09:00」、通貨は「JPY」を選択
3.「保存」をクリック
この設定を誤ると日付をまたぐセッションや売上金額が正しく表示されない可能性があります。

【データ保持期間の変更】
1.「管理」→「データの収集と修正」→「データの保持」をクリック
2.「イベントデータの保持期間」で「14か月」を選択(デフォルトは2か月)
3.「保存」をクリック
データ保持期間を延ばすことで長期的なトレンド分析や過去比較が可能になります。

【Botトラフィックの除外】
1.「管理」→「データストリーム」→ 対象のWebストリームをクリック
2.「タグ設定を管理」→「内部トラフィックの定義」→「ルールを作成」


3.条件に「traffic_type = internal」などを設定(社内IPなど)
4.「データフィルタ」→「フィルタを作成」で「internal」を除外に設定、フィルタの状態で「有効」を選択し保存


これにより社内スタッフやBotによるアクセスが除外され、外部ユーザーの実データのみを分析対象にできます。
④ イベント・コンバージョンを設定する
GA4で追跡したいイベントを定義し、重要なアクションについては「コンバージョン」として登録します。例えば、問い合わせフォームの送信完了や資料ダウンロードなどが該当します。これにより、ユーザーがどのような行動を取ったかを可視化でき、KPIに基づいた施策改善が行えるようになります。
■設定方法
【イベントを手動で追加する手順】
1.左下「管理」→ 対象プロパティの「イベント」をクリック
2.「イベントを作成」をクリック

3.「作成」を選択し、以下を入力、「作成」をクリック
- 条件となるイベント名(例:page_view, click など)
- パラメータ(例:page_location が thanks.html に一致)

既存イベントを条件付きで再定義することも可能です。
【コンバージョンとして登録する手順】
1.GA4の管理画面を開く → [管理] → [データの表示] →[キーイベント]を選択
2.コンバージョン対象のイベントを選ぶ → 計測したいイベントの「キーとしてマークをつける」スイッチをオンにします。

3.[管理] → [キーイベント] を開き、先ほどマークしたイベントがリストに表示されているかを確認し、設定が正しく反映されているかチェックします。

4.リアルタイムレポートで計測状況を確認 → [レポート] → [リアルタイムの概要] を開き、コンバージョンイベントが正しく記録されているか確認します。

参照:GA4のコンバージョン設定を徹底解説!確実にできる設定手順・よく起こるトラブルと対応を紹介
GA4画面の見方と基本操作
GA4では視覚的に整理されたインターフェースを通じて、多様なデータを確認できます。従来のアナリティクスと異なりユーザー行動を「イベント」単位で可視化する構成となっているため、トップページからレポート、分析、管理まで直感的に操作できるのが特徴です。
本章ではGA4の画面構成を中心に、ホーム画面で見られる情報や各種レポートの基本的な活用方法について解説します。
ホーム画面の理解
GA4にログインすると最初に表示されるのが「ホーム」画面です。ホーム画面では、サイト全体の状況を把握するための主要な指標がダッシュボード形式で表示されます。また、ホーム画面には最近のトラフィックの変化や注目すべきイベントの自動ハイライトも表示され、簡易な状況確認や分析のきっかけを得るには非常に便利です。ホーム画面で確認できる主な指標は以下の通りです。
指標 | 内容 |
---|---|
ユーザー数 | 指定期間中にWebサイトを訪れたユーザー数 |
新規ユーザー数 | 初めてサイトを訪問したユーザーの数 |
合計イベント数 | 計測された全イベントの合計(クリック・スクロール等) |
平均エンゲージメント時間 | ユーザーがアクティブにサイトを操作していた平均時間 |
コンバージョン数 | 設定した目標を達成した回数(例:問い合わせ送信) |
レポート画面の活用
GA4のレポート画面ではユーザーの属性や行動、流入経路、成果の確認ができます。従来のUAと比べてより自由度の高いカスタマイズが可能で、目的に応じて分析しやすい構成になっています。
ユーザーレポート
ユーザーレポートでは訪問者の年齢・性別・地域・使用デバイスなど属性情報を中心に分析ができます。どの層がサイトにアクセスしているかを知ることでターゲティング施策や広告配信の参考になります。
例えば、スマートフォンからの訪問が多い場合はモバイル向けUIの最適化が求められるでしょう。また、年齢層や地域によってコンテンツ戦略を変える判断材料にもなります。
集客レポート
集客レポートではユーザーがどのような経路を通ってサイトにたどり着いたかを把握できます。主な流入元には自然検索、ソーシャルメディア、メール、広告などが含まれます。
GA4では「セッションの参照元 / メディア」や「チャネルグループ別」などで表示でき、各経路ごとの成果を可視化できます。SEOや広告施策の評価に不可欠なレポートです。
エンゲージメントレポート
ユーザーがサイト上でどのような行動を取ったかを分析するのがエンゲージメントレポートです。ページビュー数、セッション時間、直帰率といった従来の指標に加え、エンゲージメント時間やイベント数などGA4独自の指標も確認できます。
これによりページごとの関心度やコンテンツの強弱を定量的に把握し、改善点を明確にすることが可能です。
収益レポート(ECサイト向け)
ECサイトなどで導入している場合、収益レポートを活用することで購入や契約といったコンバージョンの内容を分析できます。商品別の売上や購入に至るまでの導線も可視化できるため、売上向上のためのヒントを得られます。
探索レポートによる深掘り分析
GA4には標準レポートだけでは得られない深い分析が可能な「探索レポート」機能があります。これは自由に指標やディメンションを選択してカスタム分析を行えるツールで、ユーザーの行動や傾向を細かく追跡したいときに役立ちます。探索レポートは「何が起きたか」を深く理解するために非常に有効です。特にマーケティングやUX改善においては欠かせない分析手法となります。
手法 | 内容 |
---|---|
セグメント比較 | 特定のユーザー群を切り出して比較分析を行う |
パス分析 | ユーザーの行動遷移を視覚的に把握できる |
コホート分析 | 同時期に訪問したユーザーの行動を追跡し定着率を確認 |
ファネル分析 | コンバージョンまでの導線を可視化し離脱ポイントを把握 |
Google広告との連携
GA4とGoogle広告を連携させることで、広告による集客からコンバージョンまでを一貫して追跡することが可能になります。連携後はGA4のレポート内で広告成果を可視化でき、媒体横断でのパフォーマンス比較にも役立ちます。
広告スナップショット
広告の成果を視覚的に確認できるのが広告スナップショット機能です。どの広告から何件のコンバージョンが発生したのか、ユーザーがどのような経路をたどったのかを可視化できます。グラフ表示にも対応しており、社内報告資料としても便利です。
パフォーマンス
チャネル別にコンバージョンの推移や広告費対効果(ROAS)を確認できます。これにより、媒体ごとの成果を比較し、広告予算の最適化に繋げることができます。
アトリビューション
アトリビューション分析では、複数の広告接点の中でどの経路がコンバージョンにどれだけ寄与したかを可視化できます。ファーストクリックやラストクリック、データドリブンアトリビューションなどのモデルを選択可能です。
管理画面の設定
GA4の管理画面ではデータの収集設定やユーザー管理など、分析基盤を整えるための操作が可能です。導入初期だけでなく運用フェーズにおいても頻繁にアクセスする場所となります。よく使う項目は以下の通りです。
項目 | 説明 |
---|---|
プロパティの設定 | タイムゾーン、通貨、Googleシグナルの有効化など |
データストリーム設定 | Webやアプリのストリームの確認・修正 |
イベントとコンバージョン | 自動・カスタムイベントの確認とコンバージョンの登録 |
アクセス管理 | ユーザーや管理者の権限設定 |
参照:Google広告とは?費用形態やメリット、始め方までわかりやすく解説
GA4を使うときに知っておきたい重要用語
GA4では、アクセス解析に必要な情報を「指標」「ディメンション」「イベント」といった概念に基づいて処理・表示します。
正確なデータ分析を行うためには、これらの用語の意味と役割を正しく理解しておくことが不可欠です。
本章ではそれぞれの用語がGA4でどのように使われるのか、具体例とあわせて解説します。
指標(Metrics)
指標とはユーザーの行動や成果などの数値で測定できるデータのことです。
レポートに表示される数値はすべてこの「指標」に該当し、分析の中心的な役割を担います。GA4でよく使われる代表的な指標は以下の通りです。
指標 | 意味・内容 |
---|---|
セッション数 | ユーザーが一定時間内にサイトを訪問していた回数 |
ユーザー数 | サイトにアクセスした実ユーザーの数(初回訪問を1とカウント) |
新規ユーザー数 | 初めてサイトを訪問したユーザーの数 |
コンバージョン数 | 設定された目標(例:資料請求や購入)を達成した回数 |
平均エンゲージメント時間 | サイトに滞在してアクティブだった平均時間 |
ディメンション(Dimensions)
「ディメンション」とは指標を分類・分析するための属性情報を指します。ユーザーがどこから来たのか、どのページを見たのかなどを把握するために使われます。主なディメンション名について以下にまとめました。
ディメンション名 | 説明 |
---|---|
国 | アクセス元の国(例:日本、アメリカなど) |
デバイスカテゴリ | ユーザーが使用した端末の種類(モバイル/PCなど) |
参照元/メディア | アクセス元のチャネル(Google / organic など) |
イベント名 | 実行されたイベントの種類(page_view、click など) |
ページパス | 訪問されたページのパス(URL) |
イベント(Event)
GA4の中心的な概念が「イベント」です。ユーザーのすべての行動をイベントとして捉えることで自由度の高いデータ収集が可能になります。主なイベントの種類は以下の通りです。
これらはGA4で自動的に収集される「拡張計測機能イベント」のほか、管理者が設定するカスタムイベントも含まれます。重要な行動については、イベントを「コンバージョン」として登録することで成果指標として扱うことができます。以下は主なイベントの一例です。
イベント名 | 内容 |
---|---|
page_view | ページが表示された |
scroll | ページを90%以上スクロールした |
click | リンクやボタンがクリックされた |
file_download | PDFなどのファイルがダウンロードされた |
video_start / video_complete | 動画の再生開始/終了 |
GA4の標準レポートの使い方
GA4では特別な設定をしなくても初期状態で使える「標準レポート」が多数用意されています。これらのレポートを活用すればWebサイトの全体的なパフォーマンスを把握するだけでなく、訪問者の特徴や行動パターン、課題の発見などにもつなげられます。
標準レポートは主に「ユーザー」「集客」「エンゲージメント」「収益」などのカテゴリに分類されており、基本的な分析の出発点として非常に有効です。特に初心者の方はまずこの標準レポートから慣れていくことで、GA4全体の理解が深まりやすくなります。
本章では代表的な3つのレポート(ユーザー・集客・エンゲージメント)について、標準レポートを使ってWebサイトの状況を把握するための基本的な分析方法を解説します。
ユーザーレポート
ユーザーレポートはWebサイトの訪問者の属性や利用環境を把握するための基本レポートです。GA4の標準レポートを使えば、年齢や性別、地域、使用デバイス、言語などユーザーの全体像をつかむことができます。
これによりサイトが本来想定しているターゲット層に届いているのか、また訪問者の行動に偏りがあるかどうかを客観的に確認できます。
■使い方
1.レポート > ユーザー > ユーザー属性サマリーを開く
年齢、性別、地域などがグラフと数値で表示されます。

2.地域別にユーザー数を確認
特定地域からのアクセスが多い場合、地域限定キャンペーンやローカライズ戦略の検討に役立ちます。
3.使用デバイスの割合を確認(ユーザー > テクノロジー > 概要)
モバイル比率が高いなら、スマートフォン向けUIや読み込み速度の最適化が求められます。

4.新規 / リピーターの割合を確認(ライフサイクル > 維持率 )
再訪率が低い場合は、コンテンツの更新頻度やリマインド施策の見直しが必要です。

5.ユーザー獲得経路と掛け合わせて分析(レポート > 集客> 集客サマリー)
自然検索、SNS、広告など流入元別に属性を比較し、反応の良いチャネルを明確にします。

集客レポート
集客レポートはユーザーがどこから訪問しているのかを把握し、集客施策の成果を評価するための重要なレポートです。GA4では、チャネルグループ別・参照元/メディア別・キャンペーン別など、複数の切り口で流入経路を確認できます。
■使い方
1.[レポート]>[集客]>[トラフィック獲得]を開く
このレポートでは、新規ユーザーの流入元ごとの指標(セッション数、エンゲージメント時間、コンバージョン数など)が表示されます。
![1.[レポート]>[集客]>[トラフィック獲得]を開く](https://www.strh.co.jp/wp-content/uploads/2025/04/image-44-1024x425.png)
2.[セッションのデフォルトチャネルグループ]を確認
「Organic Search」「Direct」「Paid Search」などのチャネル別に成果を比較可能です。
3.成果が高いチャネルを特定
「セッション数」が多く「エンゲージメント率」や「コンバージョン率」も高いチャネルは、質の高い流入源と判断できます。
4.キャンペーンURLの効果を確認
UTMパラメータを付けたURLで流入したユーザーの動向を、[キャンペーン名]や[参照元/メディア]で絞って評価できます。
エンゲージメントレポート
エンゲージメントレポートはユーザーがサイト内でどのように行動しているかを可視化するレポートです。特にGA4では「エンゲージメント率」や「平均エンゲージメント時間」などユーザーの滞在と関心度を示す指標が中心に据えられています。
■使い方
1.[レポート]>[エンゲージメント]>[ページとスクリーン]を開く
各ページの表示回数やエンゲージメント時間、イベント数を一覧で確認できます。
![1.[レポート]>[エンゲージメント]>[ページとスクリーン]を開く](https://www.strh.co.jp/wp-content/uploads/2025/04/image-45-1024x422.png)
2.エンゲージメント時間の短いページを特定
情報量やコンテンツの配置に課題がある可能性があります。改善対象の候補として抽出します。
3.イベント数の多いページを抽出
CTAのクリックやスクロール完了など、関心の高いアクションが多発しているページを特定できます。
4.ページタイトルごとの成果を比較
同一カテゴリ内でパフォーマンスが良いページと悪いページを比べることで改善のヒントが見つかります。
より詳しくGA4で分析したい方へ
標準レポートだけでは見えてこないユーザーの深層的な行動や傾向を把握するには、より高度な分析ツールや外部連携の活用が必要です。GA4には自由度の高い探索レポート機能が用意されており、さらに外部BIツールやヒートマップツールとの連携を通じて定量・定性の両面からの分析が可能になります。
本章では分析精度を高めたい担当者や改善施策の根拠をより明確にしたいWeb担当者に向けて、実務で役立つ高度な活用法を紹介します。
探索レポートの活用
探索レポート(エクスプロレーション)はGA4の中でもっとも自由度の高い分析機能です。標準レポートでは表示されない指標同士の組み合わせやカスタムセグメントの比較など柔軟な分析設計ができるのが大きな特徴です。代表的な手法として以下の3つがあります。
コホート分析
同じ期間にサイトを訪問したユーザーの再訪傾向や行動を時系列で比較する手法です。
例えば「初回訪問から7日以内に再訪したユーザーの割合」を見ることで、継続率の低下ポイントや改善余地を見つけることができます。サブスクリプション型サービスやコンテンツメディアでは特に有効な分析です。
パス分析
ユーザーがどのような順序でページを閲覧したかを視覚的に確認できます。「トップページ → サービス紹介 → 資料請求」といった理想的な導線と実際のユーザー行動を比較し、離脱ポイントを特定するのに役立ちます。UX改善やCTAの設置場所検討時に重宝される手法です。
セグメント比較分析
特定の条件を満たすユーザー(例:スマホ経由の訪問者・直帰したユーザー)だけを抽出し、他のユーザー群と比較できます。ABテストやターゲット戦略の仮説検証に適しており、施策の影響を定量的に示したい場面で効果を発揮します。
Looker Studioの活用(旧Data Studio)
Googleが提供する無料のBIツール「Looker Studio(旧:Googleデータポータル)」は、GA4のデータをより分かりやすく、そしてビジュアルに表現するのに最適なツールです。ダッシュボード形式で指標を一覧表示したり、グラフや表を自由に配置してレポートを構成できます。
特に以下のようなシーンでの活用が有効です。
- 定期的な経営レポートの作成(GA4 + Google広告 + Googleスプレッドシートの統合表示)
- クライアントや社内メンバーへの共有用にわかりやすいビジュアライズ
- KPIの達成状況をリアルタイムで確認するためのモニタリング用ダッシュボード
GA4とLooker Studioはネイティブ連携されており、API設定などは不要です。レポート作成後はURLを共有するだけで最新情報が常に反映されるため、運用負荷も最小限に抑えられます。
Googleサーチコンソールとの連携
GA4単体ではユーザーがどんな検索ワードを使ってサイトへ流入してきたのかまでは確認できません。そこで、Googleサーチコンソールとの連携を行うことで検索キーワードとクリック率、平均掲載順位などのSEOに関する指標をGA4の管理画面から一元的に確認できるようになります。これによりSEO施策の成果や課題を定量的に把握できるため、キーワード選定やコンテンツ改善の方向性を明確にできます。この連携によって得られる代表的なデータは以下の通りです。
指標 | 内容 |
---|---|
クエリ | 実際に検索されたキーワード |
クリック数 | 検索結果からサイトがクリックされた回数 |
表示回数 | 検索結果に表示された回数 |
平均掲載順位 | 指定クエリに対するGoogleでの掲載順位 |
ヒートマップツールとの連携
ユーザーがどこに視線を集中させているか、どのエリアをクリックしているかといった「視覚的行動」を分析するには、ヒートマップツールの導入が有効です。GA4が定量分析に強いのに対し、ヒートマップは定性情報を補完するため、両者を組み合わせることで多角的なユーザー理解が可能になります。GA4の「イベント」では把握しづらいページ内での細かな行動が明確になるため、特にLP(ランディングページ)や商品ページなどCV直結ページの改善において、重要なヒントを得られます。以下のような内容を可視化できます。
ヒートマップの種類 | 特徴 |
---|---|
クリックマップ | ページ内でクリックが集中しているエリア |
スクロールマップ | ユーザーの離脱ポイント、注視範囲 |
アテンションマップ | 視線が集中したエリア(視認時間) |
GA4をより効果的に活用するための3つのポイント
GA4を導入してデータを見られるようにするだけでは十分とはいえません。目的を持ってデータを見ること、組織的に分析を活かす体制を整えることによってはじめてGA4はその真価を発揮します。
本章ではGA4を継続的に活用し、Webサイトやビジネスの成果向上につなげるための具体的な活用ポイントを解説します。

目的とKPIの設定
GA4を活用する第一歩は「なぜ分析するのか」「どんな成果を目指すのか」を明確にすることです。目的とKPIが定まることでデータを見るべき視点がはっきりし、無駄のない分析が可能になります。
分析の焦点が定まる
GA4で効果的にデータ分析を行うには、事前に「何を知りたいのか」「どの数値を改善すべきか」という分析の目的を明確にし、それに基づいたKPI(重要指標)を設定することが欠かせません。目的とKPIがはっきりしていれば、数あるレポートやデータの中から「今見るべき指標」に集中することができ、分析の迷走を防ぐことができます。
例えば「資料請求を増やすこと」を目的にした場合、KPIは「フォーム送信数」や「フォーム到達ページのセッション数」となります。このKPIを軸に「流入経路ごとのコンバージョン率」「フォーム到達前のページ遷移パターン」「モバイルとPCでの完了率の違い」など明確な視点でレポートを確認できるようになります。
目的が曖昧なままだと、数字を追うことが目的になってしまい、改善につながるヒントを見逃すことにもつながります。まず「なぜこの分析を行うのか」を言語化することがデータを活かす第一歩です。
改善策が明確になる
上記例のように「資料請求を増やす」という課題に対してKPIとして「フォーム送信完了数」や「到達ページの閲覧数」を設定しレポートを確認することで、「流入チャネルごとのコンバージョン率の差」や「離脱の多いページ」などの課題が見つかりやすくなります。
フォーム送信率が低ければ、入力項目の見直しや導線改善、モバイル対応状況のチェックといった対策が導き出されます。また、特定の流入経路の成果が低ければ、広告の訴求内容や遷移先のページ構成を再検討する必要があります。
定期的なレポート作成と分析
GA4でデータを継続的に活用するには「定期的なレポート作成と振り返り」が欠かせません。定点観測を行うことで、単発的な変化に振り回されることなく正しい傾向と課題を把握することができます。
現状把握と課題の発見ができる
週次や月次でレポートを作成しておくと、前月比・前年比などの比較がしやすくなり、「トラフィックが減った原因は何か」「コンバージョンが伸びた施策は何か」といった問いに対して定量的な根拠をもって答えられるようになります。
特にマーケティングや改善施策を複数展開している場合、複数チャネルのパフォーマンスを一元的に追える体制は非常に重要です。
改善策を立案できる
定期レポートには数値の変化に加えて、変動の要因や背景も言語化して残しておくことが望ましいです。これにより次の施策を検討する際の材料となり、「どの施策が効果的だったのか」を客観的に振り返ることができます。
例えば、ページ滞在時間が伸びているのであれば、そのページの構成や導線を他ページにも展開するというように、レポートから自然な改善案を導くことが可能になります。
チームでの知識共有
GA4の活用を属人化せずチーム全体で運用していくには、分析結果を共有しナレッジとして蓄積していく体制づくりが必要です。分析から得られた知見を共有することで、全体最適な改善が進みやすくなります。
チームメンバーそれぞれの視点から分析結果を解釈できる
同じデータでも役割や立場によって見え方は異なります。例えば、UX担当者はユーザーの動きに注目し、広告担当者は流入経路とCPAを見るなど複数の視点を掛け合わせることでより本質的な課題発見につながります。
定例ミーティングなどでGA4の数値をもとに意見を出し合う習慣を作ることでチーム全体の分析リテラシーも自然と向上していきます。
チームメンバーが自分の仕事が組織全体の目標達成に貢献していることを実感できる
KPIとGA4の指標を紐づけて共有することで自分の担当業務が最終的なビジネスゴールにどうつながっているのかが明確になります。これはモチベーション向上や主体的な改善提案の促進にもつながります。
例えば、「自分が改善したページのコンバージョン率が2倍になった」といった成功体験が可視化されると、分析を業務の一部として自然に取り入れる文化が育まれていきます。
まとめ
GA4は従来のアクセス解析ツールとは異なる概念と機能を持ち、より多角的で実践的な分析を可能にする強力なツールです。ページビューやセッションといった表面的な指標にとどまらず、イベントベースの計測や探索レポートの活用によってユーザー行動の深層まで把握することができます。
しかしツールを導入するだけでは十分ではありません。目的を明確にしてKPIを設定し、継続的にレポートを作成していくことが成果につながる活用の第一歩です。さらにチーム全体でデータを共有し、改善のヒントを組織全体で掴む体制をつくることでGA4は単なる分析ツールではなく、ビジネスを成長させるための意思決定の支援基盤となります。
本記事で紹介した基本操作と活用のポイントを押さえることでGA4のデータを実務に活かしやすくなり、成果につながる分析が実現しやすくなります。初めてGA4を使う方もすでに導入済みの方も今一度自社にとっての活用方針を見直し、より確かな改善へとつなげてください。
Strhでは、GA4の導入支援やデータ分析のサポートを提供し、企業のデジタルマーケティングの最適化を支援しています。GA4を活用した効果的なデータ分析やサイト運用に関するご相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
また、ストラのBtoBマーケティング戦略策定支援やBtoBマーケティング伴走支援、データ分析支援について、さらに詳しく知りたい方はこちらのページで紹介しています。
GA4の使い方でお悩みの方は、Strhにご相談ください
- 思ったようにデータを見られず、GA4は扱いづらいと感じている
- GA4を導入したのに、どう使いこなせばよいか分からない
- どのレポートを見れば、自社にとって重要な指標が分かるのかわからない

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloudアドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagementスペシャリスト
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagement コンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント
Salesforce認定Data Cloudコンサルタント