【メルマガのクリック率を上げるポイント】業種別平均データや計算式もご紹介
この記事でわかること
- メルマガのクリック率とは?概要と計算方法
- 業種別のメルマガ平均クリック率
- メルマガのクリック率と開封率・反応率の違い
- メルマガのクリック率を上げるポイント
- クリック率を測定後にすべきこと
- メルマガのクリック率向上に役立つセールスライティングの知識
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
メルマガに取り組んでいるもののクリック率が低く、問い合わせや資料請求などに繋がらずに困っている。
この記事は上記のような方に向けて、メルマガのクリック率の計算方法や平均データを踏まえつつ、クリック率を上げるためのポイントをまとめてご紹介します。最後にクリック率を高める上で役立つセールスライティングについても解説していますので、ぜひ最後までご確認ください。
参照:【マーケ担当者必読】メールマーケティングとは?メルマガとの違い、メリット・デメリット、具体的な手法等について解説
1.メルマガのクリック率とは
まずはメルマガのクリック率の計算方法をおさらいしつつ、業種別の平均データなどを確認していきましょう。
メルマガにおけるクリック率の概要と計算方法
メルマガのクリック率とは、メルマガに記載しているURLをクリックした人の割合を示す指標です。
どれだけメルマガを配信しても、記載しているURLがクリックされなければ、具体的な成果に繋げることはできません。そのためメルマガのクリック率は、資料請求などのコンバージョンを得るためにも、重要な指標と言えるでしょう。メルマガのクリック率は以下の計算式で算出できます。
クリック率=(クリックした受信者数÷送信成功数)×100 |
例えば送信成功数が2000件、クリックした受信者数が60人だった場合のクリック率は以下のように求められるでしょう。
(60÷2000)×100=クリック率 3% |
【業種別】メルマガの平均クリック率
ここでメルマガの平均クリック率について、「平均メール開封率・クリック率レポート (2022年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報」のレポートを引用して、確認してみましょう。
業種別 | 平均クリック率 |
---|---|
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン | 3.35% |
建築・建設 | 4.54% |
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ | 3.36% |
教育(大学、社会人) | 3.54% |
コンサルタント/HR/人材 | 3.23% |
ファイナンス | 2.94% |
医療 | 3.32% |
保険 | 2.58% |
製造/物流/エンジニアリング | 3.10% |
NPO/行政サービス | 4.04% |
不動産 | 2.91% |
小売/消費サービス | 3.42% |
教育(小中高) | 4.10% |
テクノロジー/通信 | 3.26% |
フィットネス | 3.43% |
業種不明 | 3.06% |
上記のとおり平均クリック率は3%前後となっているため、自社でメルマガに取り組む際の目安にしてください。
メルマガのクリック率を計測するには
メルマガのクリック率を計測するには、メール配信システムやGoogleアナリティクス、マーケティングオートメーションといったツールの導入が必要になります。
メールマーケティングを主軸としている場合はメール配信システムでも構いませんが、他のマーケティング施策も展開している場合は、Googleアナリティクスやマーケティングオートメーションを導入するとよいでしょう。特にGoogleアナリティクスは無料で導入できる上、メルマガだけではなく、Webサイトに関する指標も測定できるのでおすすめです。
メルマガにおけるクリック率と開封率・反応率との違い
クリック率の概要の最後に、関連した指標である開封率と反応率との違いについて確認しておきましょう。
開封率とは
開封率とは、配信したメルマガがどれくらいの顧客に開封されたかを示す指標であり、以下の計算式で算出できます。
開封率=(開封数÷メルマガの送信成功数)×100 |
例えば送信成功数が1000件で、そのうち200件が開封された場合の開封率は以下のようになります。
(200÷1000)×100=開封率 20% |
メルマガ内のURLがクリックされるには、そもそも開封されなければならないため、開封率はクリック率を高める上でも重要な指標となるのです。
反応率とは
メルマガにおける反応率とは、開封されたメルマガのうち、どれくらいのメルマガ内のURLがクリックされたかを示す指標です。以下の計算式で算出できます。
反応率=(クリック数÷開封数)×100 |
例えば、送信したメルマガのうち500件が開封され、クリック数が60件だった場合、反応率は以下のように求められます。
(60÷500)×100=反応率 12% |
反応率はメール本文について評価したい場合に、特に重要になる指標と言えるでしょう。
2.メルマガのクリック率を上げる12のポイント
ここからはメルマガのクリック率を上げるポイントをご紹介します。
ポイント①:ターゲットと目的を明確にする
一つ目のポイントは、ターゲット顧客像と目的をあらかじめ明確にしておくという点です。
まずはターゲットについて深く分析し、どういった情報を求めているのかを考察します。
そこからメルマガを読んだ顧客にどういった行動を取ってほしいのか、といった目的を策定しましょう。ターゲットと目的が明確になることで、メルマガ内容の精度が高まり、クリックされる確率も高まるのです。
ポイント②:パーソナライゼーション
次に挙げられるポイントは、パーソナライゼーションです。
パーソナライゼーションとは、顧客一人ひとりに最適化された情報やコンテンツを提供する取り組みであり、メルマガにおいても有効と言えます。
例えば配信ターゲットの過去の行動を踏まえ、メルマガの件名や本文などを調整することで、受信者の興味関心を高めることができるでしょう。その結果、メルマガ内のURLがクリックされる確率も高まることが期待できます。
ポイント③:メルマガのコンテンツは一つに絞る
メルマガに含めるコンテンツを一つに絞るという点も、クリック率を高める上で重要なポイントになります。
メルマガ内にコンテンツが複数あると、読者の意識が分散してしまい、結局何が書かれていたのか印象に残りにくいのです。メルマガを配信する際はコンテンツを一つに絞り、顧客の意識が分散してしまわないようにすることで、クリックといったアクションに繋げることができるでしょう。
ポイント④:HTMLメールやマルチパートメールを活用する
続いて挙げられるポイントは、HTMLメールやマルチパートメールの活用です。
メルマガで読者の関心を引くには、テキストだけでなく画像などの要素を含めた内容にする必要があります。そのため、メルマガを配信する際は基本的にHTMLメールを活用しましょう。ただし受信側の環境によって、HTMLメールは表示されない場合があります。
そういったケースでもメールを表示できるように、マルチパートメールを活用することもポイントになるでしょう。マルチパートメールを採用することで、HTMLメールが表示されなくても、テキストメールが表示されるため、適切に情報を届けることが可能です。
ポイント⑤:CTAを工夫する
CTA(Call to Action)の位置などを工夫することで、クリック率を高めることが可能です。
CTAとはメルマガを読み終わった読者に行動を促す要素のことであり、URLもその一つと言えます。CTAを設置する際は以下のような点を押さえましょう。
CTAをファーストビューと末尾に設置する
CTAをメルマガ下部だけに設置すると、最後まで読まれなかった場合、CTAが目に入りません。
そのためCTAはファーストビューと末尾の両方に設置することをおすすめします。どちらにも設置することで、ファーストビューだけ読んで詳細が知りたくなった読者と、メルマガを最後まで確認した読者双方の行動を促すことができるでしょう。
ボタンとテキスト両方を設置する
またCTAの形式として、ボタン形式とテキスト形式両方を設置しておくことも、ポイントになります。
例えばファーストビューにCTAボタンを置くことで、ファーストビューだけで詳細が知りたくなった読者に、衝動的なクリックを促す効果を得られるでしょう。メルマガを最後まで読んだ読者であれば、テキスト形式のCTAでもクリックが期待できます。
CTAボタンの色を工夫する
赤色は危険なイメージ、緑は安全なイメージといったように、人は色によって抱く印象が変わります。そのためCTAについても、色によってクリック率が大幅に変わるケースがあるのです。
背景色とのコントラストなども含め、読者の注目を集めやすい色のボタンを設置できれば、クリック率を高めることができるでしょう。一概に「この色を使えば確実に高められる」というものはないため、複数の色をテストして、どの色が効果的か検証していくことをおすすめします。
ポイント⑥:ファーストビューに重要な情報を加える
次に挙げられるのは、ファーストビューに重要な情報を加えるという点です。メルマガが開封されたからといって、必ずしも最後まで読まれるとは限りません。
もし開封されてもファーストビュー(メール開封後最初に表示される範囲)に、読み進めたいと思える要素がなければ、そこで閉じられてしまうでしょう。そのため、できるだけファーストビューには読者にとってのメリットや読むべき理由を記載し、最後まで読むように促す必要があるのです。
ポイント⑦:希少性や限定性をアピールする
メルマガで訴求するコンテンツに、もし希少性や限定性などの要素がある場合、その点を強く強調することで、クリックなどのコンバージョンに繋げることができるでしょう。
人間は得られることよりも、失うことを本能的に避けるという心理があります。そのため期間限定や数量限定など、今クリックしなければ損するかもしれない状況を訴えることで、クリックなどの行動を喚起しやすいのです。
ポイント⑧:動画や画像を活用する
次に挙げられるのは、動画や画像を活用するという点です。
テキストだけのメルマガよりも、動画や画像が盛り込まれている方が、読者の関心も引きやすいと言えます。
また動画や画像の方が直感的に理解しやすく、より短い時間でメルマガの内容を伝えることができるのです。その結果、メルマガにおけるクリック率も高まることが期待できるでしょう。ただし動画の種類によっては、再生できるメーラーが限られるケースがあるため、活用する場合はあらかじめ調べておくことをおすすめします。
ポイント⑨:開封率を高める
メルマガ内のURLがクリックされるには、前提としてメルマガが開封されている必要があります。
そのためクリック率を高めるには、開封率も同時に高めていかなければなりません。開封率を高めるにあたっては、以下のような点が重要になります。
タイトル・件名を工夫する
メルマガが開封されるかを大きく左右する要素としてまず挙げられるのが、タイトル・件名です。
タイトル・件名に興味のない内容が書かれていた場合、誰もそのメルマガを開封しようとは思いません。そのためタイトル・件名にメルマガを読むメリットや価値、または顧客の氏名などを含めることで、メルマガへの注目を集め、開封されるように工夫することが重要になるでしょう。
プリヘッダーを活用する
開封率を高める上でプリヘッダーも重要な役割を果たします。
プリヘッダーとは、受信ボックス内においてタイトル・件名の下に表示される文章のことです。
プリヘッダーに読むことによって得られるメリットや重要な内容を含めていれば、それだけ読者の気を引き、開封率も高めることができます。具体的にはタイトル・件名には含めきれなかった重要な情報などを、プリヘッダーに記載するとよいでしょう。
配信タイミングを最適化する
配信するタイミングを最適化することで、開封率を高めることが可能です。
ターゲットによってメールをチェックするタイミングは異なります。例えばビジネスパーソンであれば、通勤時や昼休憩時などにメールを見る可能性が高いため、その時間帯を狙って配信するのです。
このようにターゲットによって配信タイミングを工夫することで、開封率を高めることができます。
参照:【メルマガの開封率を上げるポイント】効果的なタイトル・件名の付け方も紹介
ポイント⑩:モバイルに最適化する
次に挙げられるポイントは、モバイルに最適化するという点です。
スマートフォンが普及した現代において、メルマガを確認するデバイスは多様化しています。そういった時代の変化に適応するため、メルマガ自体をレスポンシブデザインにするなど、モバイル端末でも正しく表示されるように配慮する必要があります。どんなデバイスでも情報を適切に表示できれば、クリック率の向上にも繋げることができるでしょう。
ポイント⑪:テストメールを行う
続いて挙げられるのは、テストメールを行うという点です。メルマガを制作した後は、顧客に配信する前にテストメールを行い、実際の見え方などをチェックしましょう。
受信者側の立場になって件名やプリヘッダー、ファーストビューの見え方などを確認していきます。「想定よりも見にくかった、読みにくかった」などの問題があった場合は、適切に修正することでメルマガの精度を高めることができ、結果としてクリック率の向上も見込まれるのです。
ポイント⑫:スプリットランテスト(ABテスト)を行う
ポイントの最後にご紹介するのは、スプリットランテスト(ABテスト)を行うという点です。
スプリットランテストは2つの違った広告を制作し、同じ顧客層に配信することで、反応や効果の違いを確認する手法のことです。
件名やプリヘッダー、CTAボタンの色などを変えたメルマガを2つ用意し、どちらの方がクリック率が高かったのか検証しましょう。スプリットランテストを繰り返して行うことで、クリック率の高いメルマガへと改善していくことができるのです。
3.メルマガのクリック率を測定した後にすべきこと
メルマガのクリック率を高めるポイントを押さえていただいたところで、次にクリック率を測定した後に行うべき対応について見ていきましょう。
1.仮説を立てて改善点を探る
クリック率を測定した後は、まず仮説を立てて改善点を探りましょう。
クリック率の結果とメルマガの内容や件名などを踏まえて、どこに問題があったのかを探ります。そこから、例えば「ファーストビューが分かりにくかったのでは」といった仮説を立て、ファーストビューに記載するメリットを箇条書きに変更する、といったように具体的な改善策を検討していきます。
2.次回の配信に活かす
改善点を抽出した後は、その内容を次回配信分に活かさなければなりません。
そのため改善点を反映させたメルマガを新たに制作しましょう。仮説検証のスピード感を高めるためには、改善点を基にした数種類のメルマガを用意し、スプリッドランテストを行うことがポイントになります。
3.検証と改善のサイクルを継続して回す
改善点を反映させたメルマガを配信した後は、再びクリック率を含めた効果を検証しましょう。
そこから再び問題や課題を抽出し、メルマガの調整や改善を行うのです。
スプリットランテストで最も効果が高かったメルマガも、そのまま運用するのではなく、別の仮説に基づいたメルマガと比較テストを行うことで、さらに効果の高いメルマガを導き出すことができるでしょう。このように検証と改善のPDCAサイクルを継続して回していくことで、クリック率を高めていくことができるのです。
4.メルマガのクリック率改善に役立つセールスライティングの知識
最後にメルマガのクリック率改善に役立つセールスライティングの知識について、概要をお伝えします。
セールスライティングの基本的な型
セールスライティングは、元々広告の文章を書くために用いられる技術ですが、メルマガの本文を制作する際にも応用できます。
セールスライティングの大家であるロバート・コリアー氏が1937年に出した著書「The Robert Collier Letter Book」によると、セールスライティングには以下の6つの要素が含まれるとしています。
1.書き出し | 相手の関心事との接点を示し、好奇心をそそって続きを読ませる |
2.描写や説明 | 大事な点のあらましを述べ、必要な詳細に入る |
3.動機や理由付け | 提案内容が相手にとってどう役立つのかを示す |
4.保障や証明 | 提案内容の証拠や根拠を述べる |
5.決め手の一言や不利益 | 今すぐ行動しなければ、チャンスを失うといった点を述べ、不安な気持ちにさせて、直ちに行動させる |
6.結び | 顧客に取るべき行動やその方法を示し、今すぐ行動しやすくさせる |
引用:伝説のコピーライティング実践バイブル p.146を元にStrhが作成
ロバートコリアー氏は、数多くのセールスライティングの実績の中から、上記の6つの要素を含んだ型を活用することで、顧客からの反応が得やすいことを導き出したのです。
セールスライティングのポイント
先の型を前提としつつ、以下のようなポイントも押さえることでより効果を発揮するでしょう。
ポイント①:自分が欲しくなるように書く
自分が利点や価値を理解できていない製品・サービスを、顧客に購入してもらえるように促していくことは至難の業です。そのため、まずは自分を顧客の立場に置き、客観的な視点で提案内容のメリットや価値を抽出していきましょう。
その上で「こういった文章が書かれてあれば自分なら買う」といった点を基準としつつ、テキストを執筆していくことで、効果的なメルマガを制作できます。
ポイント②:相手がイメージしやすい言葉を使う
また相手がイメージしやすい言葉を使う点も重要なポイントになります。
メルマガで製品・サービスなどを訴求する際、伝えたいという気持ちが強まり、どうしても一方的な表現や難しい言葉を使ってしまいがちです。
しかしそれでは読み手が提案内容を具体的にイメージできず、購買や問い合わせなどのアクションに繋がることはありません。メルマガの内容を正しく伝えるには、専門用語や技術的な用語はできるだけ用いず、相手が使う言葉でイメージを積み上げていく必要があると言えるでしょう。
5.まとめ
今回はメルマガのクリック率をテーマに、計算方法や高めるためのポイントなどをまとめてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
メルマガは顧客との定期的な接点を持てるだけでなく、顧客の購買意欲を高め、資料請求や問い合わせといった行動に効率よく繋げることができる優れたマーケティング手法です。とはいえメルマガで成果を出していくには、クリック率を含めた効果を定期的に検証し、改善していく必要があります。
ぜひこの記事を参考にしつつ、クリック率の高いメルマガを実現してください。
Strhではメルマガの改善をはじめとした、メールマーケティングの戦略策定から実行支援まで一貫して実績をもったコンサルタントが支援しています。マーケティング活動においてお困りごとがありましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント