マーケティングクラウドとは?Salesforce Marketing Cloudの機能や価格体系、導入時のポイントなどを徹底解説

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マーケティングクラウドとは?Salesforce Marketing Cloudの機能や価格体系、導入時のポイントなどを徹底解説

この記事でわかること

  • SalesforceのMarketing Cloudとは?
  • Marketing Cloudの5つの特徴
  • Marketing Cloudの代表的な機能
  • Marketing CloudとAccount Engagement (旧 Pardot)の違い
  • Marketing Cloudのエディションと料金プラン
  • Marketing Cloudを導入する際のポイント

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

今回はSalesforce社が提供するマーケティングオートメーションツールの1つである、Salesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)について、分かりやすく解説します。

インターネットの登場以降、顧客の好みや欲求は多様化し、SNSの発展以降はその傾向にさらに拍車がかかっています。以前は、テレビCMなどを通じて大きなトレンドが作り出され、多くの人が同じトレンドを追いかけるという行動が見られましたが、現在は、webやSNSから人々は様々な情報を容易に入手し、誰もがトレンドの発信源となれることから多様なトレンドが作り出されています。

そうした中で企業は顧客の個別ニーズに対応するべく、マーケティングコミュニケーションも個別化(one to one)していく必要があります。

これから顧客とのコミュニケーションを実現するために、「最適なタイミング」で「最適なチャネル」で「一人ひとりに合わせた」コミュニケーションが必要不可欠です。

そうしたコミュニケーションを実現するのがSalesforce社の「Salesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」です。

参照:Salesforce(セールスフォース)は何がすごい?機能やメリット・デメリットを簡単に解説!

1. Salesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)とは?

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Salesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)とは、Salesforce社が提供するMAツールで主にBtoCのサービス・プロダクトを提供している企業様向けに導入が多いツールです。

顧客情報の管理やメール配信はもちろんのこと、SMS配信やLINE等のSNS、広告、Web、Eコマース、カスタマーサービス、データ分析など様々な機能を利用でき、マルチチャネル・デバイスで顧客に合わせてパーソナライズされたコミュニケーションが可能なプラットフォームです。

さらに、収集した顧客情報を一元管理し、チャネル横断のカスタマージャーニーの自動化もでき、収益拡大やマーケティング担当者の工数の削減効果も期待できます。

各機能は顧客数と機能によってプランが異なり、課金制なので、費用を確認する場合は、営業担当に問い合わせ、個別に見積もりをしましょう。

2. Salesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)の特長

Salesforce Marketing Cloudには様々な特長がありますが、代表的な特長をご紹介します。

①様々なデータソースを統合・一元し、高度なセグメンテーションが可能

CRMや販売管理システム、DWHやCDP、CSVファイルなど様々なデータソースから、必要なデータを連携することができ、「Automation Studio」のSQLアクティビティで、それらのデータを統合・加工・抽出できます。また、「Contact Builder」で顧客情報やその他データを集約・関連付けさせることで、複雑なセグメンテーションを行い、自動実行することもできます。

②マルチチャネル・デバイスでのマーケティングコミュニケーション

メール配信だけでなく、SMS配信やモバイルのアプリプッシュ通知、LINE連携、その他SNS、広告、webページなど様々なチャネルを組み合わせ、顧客にパーソナライズしたマーケティングコミュニケーションの自動化をします。

③マーケティングキャンペーン及びデータ処理の自動化

「Journey Builder」を利用したマーケティングコミュニケーションの自動化。「Automation Studio」を利用した外部システムとのファイル入出力、SQLでのデータ抽出、ファイル転送やデータフィルターなど、様々な処理の自動化をします。

④Sales CloudやSales Cloud(Salesforce CRM)とのシームレスなデータ連携

Salesforce Marketing Cloud単体でも利用可能ですが、、Marketing Cloud Connectと呼ばれるコネクタを利用することで、Salesforce CRMデータのシームレスな連携や、配信したメールの配信結果をSalesforce CRMへの連携、オブジェクト内のデータ更新などが可能です。

参照:【前編】Marketing Cloud Connect(MCコネクト)とは?Salesforce Marketing CloudとCRMを統合する方法

⑤AI(Einstein for Marketing Cloud)を活用したパーソナライズやレコメンデーション

SalesforceのAIである「Einstein for Marketing Cloud」を使用してマーケティングアクティビティの最適な評価と実装を行います。

具体的には、配信対象者の属性情報や送信時間、エンゲージメント頻度、コンテンツなどを自動で学習、件名の作成やメール内のコンテンツパーソナライズ、また、メールやメッセージに対する顧客のエンゲージメント予測、送信時間の自動最適化を行うことが可能です。

レコメンデーションについては標準で9つのアルゴリズム(Einstein Recipes)があります。

 3. Salesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)の機能

Salesforce Marketing Cloudは多様な機能(アプリケーション)の中で、代表的な機能を紹介します。

Email Studio

Email Studioはメールマーケティングのプラットフォームで、パーソナライズされたメールの作成と管理ができます。代表的な機能をいくつか紹介します。

①送信対象のデータ管理

すべての購読者やリスト、データエクステンション(DE)といったデータの管理を行うことができます。

②メールコンテンツの作成(Content Builderへのリンク)

簡単なドラッグ&ドロップ操作で動的にパーソナライズされたメールを作成し、コンテンツの共有やロック、承認によって組織全体でメールコンテンツを作成・管理できます。

③メール送信

メールテンプレートを使用しすべてのデバイスに最適化されたメールを作成できます

メールトラッキング機能により、テストと最適化を繰り返しパフォーマンスを向上します

Mobile Studio

プッシュ通知やSMS、LINEを駆使して顧客のモバイルに最適なタイミングでメッセージを送信できるプラットフォームで、代表的な機能を紹介します。

①MobileConnect:テキストメッセージ(SMSやMMS)を作成して送信できます

②MobilePush:モバイルアプリから自動化・インタラクティブ化・スケジューリングされたプッシュ通知を作成して送信できます

③GroupConnect:顧客データを使用して、LINEで1対1のチャットを開始できます

Journey Builder

顧客の属性や行動に合わせて様々なチャネル(メール・App・SMS・SNS広告)でone to oneコミュニケーションを行う仕組みを作り、ドラッグ&ドロップで操作できるツールです。

テンプレートが用意されていて、鉄板施策などを手軽に始められます。

参照:【Marketing Cloud】Journey Builder(ジャーニービルダー)とは?基本機能と使い方を分かりやすく解説

Automation Studio

外部システムとのファイル入出力の自動化やSQLでのデータ抽出の自動化、ファイル転送やデータフィルターなど様々な処理を自動化するための機能(アクティビティ)が用意されています。

「SQLアクティビティ」や「メール送信」など単体のアクティビティの利用から、複数アクティビティを繋げて複数の処理を自動実行することができます。

配信対象者の抽出やその自動化、Journey Builderと連携したシナリオの自動実行、FTPサーバーからのファイルの自動取り込みなど運用においては利用頻度の高い機能です。

Content Builder

メールコンテンツやモバイルメッセージ、ランディングページのテンプレート、画像ファイルなどSalesforce Marketing Cloudで利用する様々なコンテンツを作成・管理することができます。

テンプレートも豊富に用意されているので、まずはテンプレートを利用しながら必要なコンテンツの作成を気軽に行えます。

Contact Builder

顧客に関する様々なデータを集約し、顧客IDでそれらのデータを関連付けることができます。これにより、顧客の様々な行動履歴を基に詳細なセグメンテーションが行えます。Salesforce Marketing Cloudではアカウント内に含まれている1人の個人を「連絡先」と呼称します。

*メール配信を行うことができる個人=「購読者」という呼称もあるので注意が必要ですContact Builderを利用することで顧客IDをベースに連絡先データを顧客の単一ビューにまとめることができます。

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Web Studio

「Cloud Pages」という機能を利用することで、モバイルデバイスに対応したランディングページや小規模なWebサイトの作成やWebフォームの作成を行うことができます。

Cloud Pagesエディターはドラッグ&ドロップで操作でき、「Smart Capture」というブロック(ページ要素の1つ)を追加することでアンケートフォームなどのwebフォームを簡単に作成することができます。

Smart Cpatureから収集したデータはリスト及びデータエクステンションに自動的に保存されるので、アンケートや申込フォームを作成する際に便利で強力な機能になります。

4. Account Engagement (旧 Pardot)との違い

同じSalesforce社が提供するAccount Engagement(旧 Pardot:以下、Pardot)との違いについて紹介します。

PardotはBtoBビジネスでの利用が多く、Salesforce Marketing CloudはBtoCビジネスでの利用が多いですが、製品としてはBtoB/BtoCどちらでも両製品利用することが可能です。

機能としての差異で、一般的にはSalesforce Marketing Cloudは「集客型ビジネス」、Pardotは「商談型ビジネス」で効果的に利用できます。Pardotは見込み客に対してスコアリングやグレーディングなどの機能等を駆使して、「見込み客の管理・評価」を行うことで、営業活動における、商談獲得の効率化や商談獲得コストを下げる効果を期待できます。

Salesforce Marketing Cloudは例えばSQLでより大量の顧客データをより柔軟に加工や抽出が行えたり、マルチチャネルの送信・管理が行える機能が備わっており、ECや店舗ビジネス等のBtoCビジネスでより大きな効果を期待できます。

参照:Account Engagement(旧 Pardot)とは?機能や特徴、他のMAツールとの比較も含めて徹底解説

参照:【完全ガイド】Account Engagement(旧 Pardot)のスコアリングとは?スコアリングカテゴリとの違いや活用方法を解説

5. Salesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)のエディションと費用の考え方

Salesforce Marketing Cloudには4つのエディションが用意されていて、日本ではそのうち3つのエディションが提供されています。

エディション一覧

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費用の考え方

上記エディション(基本パッケージ)の利用料に加えて、機能/チャネルやセキュリティライセンス、顧客数、メッセージ数などのオプション要素で費用が決まります。

Salesforce Marketing Cloudは費用の捉え方が複雑なため、導入前に何を実現したいのか、そのためにどのような機能を使うのか、顧客数はどの程度いるのかなどは事前に検討・調査した上で、営業担当に問い合わせて見積もりを依頼しましょう。

6.Salesforce Marketing Cloud(マーケティングクラウド)を導入する際のポイント

ここからはSalesforce Marketing Cloudを導入し成果を出していくために重要なポイントをいくつか紹介します。

Salesforce Marketing Cloud導入の目的と目標を明確にする

Salesforce Marketing Cloudは様々な機能が備わっており、活用方法によっては大きなビジネスインパクトをもたらす強力なツールです。

しかい、導入の目的や定量的な目標を設定せぬまま、何となく導入をしても決してうまく活用はできません。貴社のビジネスインパクトやSalesforce Marketing Cloudの導入評価を行うためにも必ず目的・定量的な目標は設定した上で導入を行いましょう。

顧客とのコミュニケーションの設計を行う

Salesforce Marketing Cloudを導入後、自社の顧客に対して「いつ」「どのタイミング」で「どのチャネルから」「どのような」コミュニケーションを行うのかを設計しましょう。

顧客分析やペルソナ・カスタマージャーニーの設計を行い、どのセグメントのどのようなペルソナにどのようなコミュニケーションを行うのか。これを整理した上で実際にSalesforce Marketing CloudのJpurney BuilderやAutomation Studioを用いて実装し、定期的にコミュニケーション設計を見直しながら運用改善を行いましょう。

継続的に運用改善を行うための体制を構築する

Salesforce Marketing Cloudを活用し継続的に運用改善を行いながら成果を上げていくためには、相応の体制が必要になります。

具体的に必要な役割としては以下になります。

PM/管理者

Salesforce Marketing Cloudを用いたマーケティング活動のKPI設計や戦略・戦術策定、予実管理など運用における責任者になります。

開発者

システム連携やデータベース設計・運用などSalesforce Marketing Cloudの技術面における実務者になります。

マーケティング担当

Salesforce Marketing Cloudを用いたキャンペーンの設計や各機能の実装や設定など実務の推進者になります。

コンテンツ制作者

Salesforce Marketing Cloudの運用にはメールや画像、ランディングページ、フォームなど様々なコンテンツが必要になります。これらのコンテンツ制作に関する実務や外部制作ベンダーのマネジメントを担当します。

データサイエンティスト

Salesforce Marketing Cloudを用いた様々なマーケティングキャンペーンの効果分析や、顧客・商品の分析などを行い、成果最大化に向けたインサイトを提供するデータ分析を担当します。マーケティング担当が兼任することもあります。

これらは押さえておくべきポイントの一部ですが、Salesforce Marketing Cloud導入時には確実にこれらポイントを押さえておきましょう。

7. まとめ

今回はSalesforce Marketing Cloudについて、その特長や機能などを中心に、Pardotとの違いやエディションと費用の考え方をご紹介しました。

膨大な情報から本当に必要な情報を選好する傾向にある現代、顧客の期待に沿って一人ひとりに合わせたコミュニケーションを行うことがどの企業においても求められます。

それを実現する”HOW”の一つとして、複数の製品から成るマーケティングプラットフォーム、Salesforce Marketing Cloudを利用することで、複数のチャネル・デバイスから最適なタイミングで最適なコミュニケーションを実行・管理できるのです。

自社の顧客を理解し、変化し続ける顧客ニーズをリアルタイムに捉えて複数のタッチポイントから顧客とパーソナライズコミュニケーションを行うことで顧客の期待値を超え続け、選ばれ続けるサービス・プロダクトとなるためのツールがSalesforce Marketing Cloudです。Strh(ストラ)では、Salesforce Marketing Cloudの設計や導入はもちろん、顧客分析や運用改善などの支援も、実績を持ったコンサルタントが一貫してご支援いたします!

Salesforce Marketing Cloudの導入や活用においてお困りごとがありましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

Salesforce、Sales Cloud、及びその他はSalesforce, Inc.の商標であり、許可のもとで使用しています

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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