MOps(マーケティングオペレーション)とは?導入ステップや企業事例まで解説
この記事でわかること
- MOpsとは?MOpsに求められる役割や必要なスキルセット
- MOpsが注目されている背景
- MOpsの具体的な導入ステップ
- MOpsの企業事例
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
マーケティングにおけるデジタル化や業務効率化が上手く進まずに困っている。
この記事は上記のようなお悩みを抱えている方に向けて、MOps(マーケティングオペレーション)という考え方・手法をご紹介します。
MOpsの概要や役割、必要なスキルなどを踏まえつつ、導入ステップやポイント、役立つツールなどをまとめて解説します。
最後に企業事例も併せてご紹介していますので、ぜひご一読ください。
また、BtoBマーケティングについての基本知識や進め方などについては是非こちらの記事もご参照ください。
参照:BtoBマーケティングとは?戦略の立て方やそのプロセス、成功事例までプロが解説
目次
1.MOps(マーケティングオペレーション)とは
まずはMOpsについて基本的な内容を確認していきましょう。
MOpsの概要
MOps(Marketing Operations)とは、マーケティング活動の最適化を図るために、管理体制やプロセスの構築などを行う手法、および役割のことです。
マーケティングに関するテクノロジーやデータ、業務プロセスなどを統括し、マーケティング活動の実行を支えます。
MOpsは適切なマーケティング戦略を策定できる環境を整え、プロセスの効率化や精度向上を実現し、成果へと繋げていくことを目的として配置されるのです。
MOpsに求められる役割
MOpsに求められる役割としては、大きく以下の点が挙げられます。
役割①:ツールの選定や運用管理
一つ目の役割は、ツールの選定や運用管理です。
現代はマーケティングを支援する様々なデジタルツールが登場しています。
IT部門などと連携しながら自社にとって必要な要件を定義し、数多く存在するツールの中から最適なものを選ぶことになるでしょう。
またツール導入後の運用ルールも取り決め、管理する役割も担うのです。
役割②:マーケティングプロセスの策定
次に挙げられるのは、マーケティングプロセスの策定です。
導入したツールを踏まえ、自社におけるマーケティングの業務プロセスを策定します。
また業務プロセスを前提として、各作業レベルのフローやマニュアルなども併せて規定することで、マーケティング業務全体の標準化を図ることになるでしょう。
役割③:マーケティングノウハウやベストプラクティスの集約
マーケティングのノウハウやベストプラクティスの集約も、MOpsの役割の一つです。
マーケティング活動を通じて得られた知見は勿論のこと、成果に結びついた事例に関するデータを適切に集約し、マーケティングチーム全体に共有するのです。
これらの取り組みにより、マーケティング部門全体のパフォーマンス向上を目指していきます。
役割④:データ管理と分析
続いて挙げられる役割は、データ管理と分析です。
マーケティング活動を通じて得たデータを適切に管理・分析し、マーケティング戦略や戦術策定における示唆を抽出します。
顧客に関するデータは勿論、施策の効果に関するデータなどを分析することで、マーケティング活動を改善していくことになるのです。
役割⑤:テクノロジー教育
テクノロジー教育もMOpsの役割の一つとして挙げられます。
MOpsはマーケティングの実行メンバーに対して、導入したツールやテクノロジーを使いこなせるように、教育していく役割も担うのです。
また最新のマーケティングテクノロジーなどもキャッチアップし、これらの情報をマーケティング部門に共有するといった取り組みも求められるでしょう。
役割⑥:部門間連携の促進
役割の最後にご紹介するのは、部門間連携の促進です。
MOpsはマーケティング部門と、営業やカスタマーサクセスなどの関連部門とのハブ役として、コラボレーションや連携を促進させる役割も担います。
部門間での顧客情報共有などをスムーズに行うための基盤を整え、マーケティングから営業、既存顧客フォローに至るまでの流れ全体の最適化をサポートするのです。
MOpsに必要なスキルセット
ここまで紹介してきた役割を踏まえ、MOpsに必要なスキルセットを確認します。
MOpsではマーケティングに関する経験や知見の他に、以下のようなスキルが求められます。
データ分析
マーケティング活動を通じて収集した顧客や施策効果に関するデータを、適切に分析・加工し、そこから有益な示唆を導き出すためのスキル
参照:【初めてのデータ分析】ビジネスマン必須スキル!知っておきたいデータ分析の基本
テクノロジー・ツールに関する知見
マーケケティングに関する最新テクノロジーやツールについて、その仕組みなどを深く理解した上で、適切なツール選定や運用を実現できるスキル
ビジネスプロセスマネジメント
マーケティングの業務プロセスを最適化し、業務フローやマニュアルなどに落とし込みながら、プロセス運用や改善ができるスキル
ファシリテーションスキル
マーケティング部門内での会議は勿論、関連部門とのミーティングを実施する際、参加者の意見を的確に引き出しながら、会議を円滑に進めるスキル
コミュニケーションスキル
マーケティング部門のメンバーとのコミュニケーションに加え、関連部門と連携を図るための関係構築や適切な連携を行うスキル
2.MOps(マーケティングオペレーション)が注目される背景
ここでMOpsが注目される背景についてご紹介します。
背景①:マーケティングのデジタル化
背景としてまず挙げられるのは、マーケティングのデジタル化です。
インターネットをはじめとしたデジタル技術が発展したことに伴い、マーケティングの各手法もデジタル化が進み、マーケティングを支援するツールも数多く登場しています。
マーケティングテクノロジーや手法において、取り得る選択肢が増えた分、正しく選択する必要性や難易度が高まったと言えるでしょう。
そういった状況の中で適切な手法やツールを選び、マーケティング活動を最適化させるにはMOpsの機能が求められるのです。
背景②:データ管理や分析の重要性の高まり
次に背景として挙げられるのは、データ管理や分析の重要性の高まりです。
顧客の多様化が進んだ現代において、画一的なアプローチでは成果を挙げることはできません。
マーケティング活動を通じて獲得した顧客データを分析し、各顧客にパーソナライズされた施策を展開して、はじめて購買や契約などに繋げることができるのです。
そのため適切な分析を実施できるツールを選定し、かつ精度の高い分析や示唆出しを担うMOpsは重要となるでしょう。
背景③:競争環境の激化
競争環境が激化したことも、MOpsが求められる背景として挙げられます。
日本では1995年以降生産年齢人口が減少し続けており、その分顧客となる母数も減っている状況と言えます。
こういった中で競合他社との顧客獲得競争は激化し、顧客に自社を選んでもらう難易度は飛躍的に高まっているのです。
そのためマーケティングにおいても最新のテクノロジーやツールなどを取り入れ、分析や実行を高い精度で行える体制を構築する必要性が増したと言えます。
背景④:ROIの追求
背景の最後に挙げられるのはROIの追求です。
マーケティングがデジタル化されたことに伴い、各施策の投資対効果が可視化されるようになりました。
その結果、これまで以上に経営層がマーケティングに関するROI(Return On Investment:投資利益率)を追求するようになったのです。
現場においても各マーケティング施策の収益性や費用対効果を管理することが求められるなかで、マーケティング活動を最適化させるMOpsの重要性が高まっていると言えるでしょう。
3.MOps(マーケティングオペレーション)を導入するメリット
次にMOpsを導入することで得られるメリットをご紹介します。
メリット①:マーケティングのDX促進
メリットとしてまず挙げられるのは、マーケティングのDX促進です。
DXとは「Digital Transformation」の略称で、デジタル技術を適切に活用することで、業務プロセスの改善やサービス品質の向上などに繋げる取り組みを指します。
MOpsを導入することで、マーケティング遂行に必要かつ、適切なツールや最新のテクノロジーを導入でき、プロセス改善にも繋げられます。
そのためマーケティング活動のDX化の促進を効率良く進めることができるでしょう。
メリット②:プロジェクトマネジメントレベルの向上
次に挙げられるのは、プロジェクトマネジメントレベルの向上です。
MOpsを導入することで、マーケティング活動において必要なデータや有益な示唆なども得やすくなる上、プロジェクト管理に役立つツールなども導入されます。
そのため、現場のプロジェクトマネジメントを効率的かつ高度に実施できるようになるのです。
プロジェクトマネジメントのレベルが高まることにより、効果的なマーケティング施策の運用を実現できるでしょう。
参照:プロジェクトマネジメントとは?プロジェクト管理の概要から仕事で使える手法を紹介
メリット③:生産性や費用対効果の向上
メリットの最後に挙げられるのは、生産性や費用対効果の向上です。
マーケティングに関する管理業務をMOpsが担うことによって、現場メンバーがマーケティングプロセスの施策遂行に集中できるため、各メンバーの生産性が高まります。
またデータ分析に基づき、リソースも最適配分できるため、各施策の費用対効果も向上することが期待できるのです。
4.MOps(マーケティングオペレーション)の導入ステップ
ここからはMOpsの導入ステップを確認しましょう。
ステップ①:目的と目標を明確にする
MOpsを導入するにあたって最初に行うべきは、目標を明確にするという点です。
まずは現在のマーケティング組織や体制上の問題点を整理した上で、「MOpsの導入がなぜ必要なのか、MOpsを導入することで自社にとってどんな影響や効果が見込まれるのか」を整理しましょう。
その上で導入の目的を明確にし、目的を達成するための目標を定める必要があります。
明確化した目的や目標については、マーケティング部門や社内関連部門などにも共有し、認識を擦り合わせておくと良いでしょう。
ステップ②:課題の抽出
次にMOps導入における課題を抽出します。
先のステップで整理した現状の問題点などを踏まえつつ、MOps導入における課題や障害となり得る要素を洗い出しましょう。
MOps導入において大きな課題となるのは以下の点です。
- 環境を整える上での予算確保
- 従来のやり方に固執する保守的なメンバーへの対応
- MOpsを担える人材の確保や育成
- レガシー化した既存システムやツールなどへの対処
企業によって課題の重みが異なるため、自社にとってより影響度が大きい課題はどれかといった点も踏まえながら課題を抽出し、具体的な対応策を検討しましょう。
ステップ③:ロードマップの策定
続いてMOps導入までのロードマップを策定します。
先に挙げた課題が残ったまま無理やりMOpsを導入しても、社内の反対などが生じ、途中で導入プロジェクトが頓挫したり、導入できても形骸化したりしてしまいます。
そのため事前に課題の影響度を踏まえながら、対応への優先順位を付けていきましょう。
その上で各課題に対して「誰が・何を・いつ・どのように行うのか」を細かく定めたロードマップを策定します。
ステップ④:MOps体制の構築
ステップの最後はMOps体制の構築です。
策定したロードマップに基づき、自社に合ったマーケティングオペレーションの仕組み作りやツール導入を行い、徐々に体制を構築していきましょう。
たとえばMOpsを担える人材が不足している場合、外部からMOpsに関するスキルを持った人材を採用、あるいは社内人材を育成することになります。
育成する場合、運用開始までにスキルやノウハウを全て吸収させるのは実質不可能であるため、ある程度の前提知識を学ばせた後は、実際の運用の中でキャッチアップさせていくことになるでしょう。
5.MOps(マーケティングオペレーション)導入におけるポイント
続いてMOps導入におけるポイントをご紹介します。
ポイント①:マーケティング戦略を明確にする
一つ目に挙げられるポイントはマーケティング戦略を明確にするという点です。
MOpsは、あくまでマーケティングを最適化させるために、プロセスや体制を整える役割を担うだけであり、戦略策定までは対応できません。
そのため「どのようなプロセスや体制が最適なのか」といった点を検討する上で、前提となるマーケティング戦略が必要になります。
そもそものマーケティング戦略が曖昧になっていると、MOpsを導入しても効果が現れにくい点には留意しましょう。
参照:マーケティング戦略とは?立案手順や役立つフレームワークを事例付きでわかりやすく解説
ポイント②:アジャイル的な管理を行う
アジャイル的な管理を行うという点も、ポイントとして挙げられます。
アジャイルとはソフトウェア開発における考え方の一つであり、短いサイクルで「設計・開発・テスト・実装」を繰り返すことで、実際の性能や顧客の反応を踏まえてプロダクトを柔軟に変化させていく手法です。
MOpsにおいても、アジャイル的な思考を持ってプロセスや環境の構築に取り組むことで、市場や顧客ニーズの変化にも柔軟に対応できるようになるでしょう。
ポイント③:ドキュメント類のフォーマット化
次に挙げられるポイントは、ドキュメント類のフォーマット化です。
マーケティング業務では、企画書や提案書、施策に関するレポートといった様々なドキュメントを作成することになります。
もしこれらのドキュメントにフォーマットがなければ、各個人の判断に応じて作成されるため、資料の項目や粒度にバラつきが生じるでしょう。
MOpsを導入する際は、各ドキュメントのフォーマットをあらかじめ用意しておくことで、運用開始後の標準化が可能です。
ポイント④:カスタマージャーニーを策定する
カスタマージャーニーを策定する点も重要なポイントとして挙げられます。
カスタマージャーニーとは、ターゲットとする顧客が各購買プロセスにおいて抱えるニーズや悩みを整理し、それに対して企業として提供すべき情報などをまとめた資料です。
MOpsでは、自社のマーケティング戦略に基づき最適な業務プロセスを設計することが求められますが、その際カスタマージャーニーを参照することで、より精度の高いプロセス設計を実現できます。
またカスタマージャーニーは、自社に適したツールを選ぶ際の参考にもできるため、あらかじめ策定しておきましょう。
参照:カスタマージャーニー作成の教科書【テンプレート無料公開】
ポイント⑤:全社で取り組む
ポイントの最後にご紹介するのは、全社で取り組むという点です。
MOpsの導入はこれまでのマーケティングの在り方を大きく変える可能性があり、その分現場社員からネガティブな意見なども出てくるケースが多いと言えます。
そのためマーケティング部門の責任者や一担当者だけで推進しようとしても難しく、トップダウンでの働きかけも必須となります。
「MOpsがなぜ必要なのか、それによってどんな効果が得られるのか」といった点を経営陣からも現場に説明してもらうことで、現場の納得を得やすくなり、運用も軌道に乗りやすくなるでしょう。
6.MOps(マーケティングオペレーション)に役立つツール
MOpsに役立つツールについても併せて押さえておきましょう。
ツール①:MA
まずご紹介するのはMA(Marketing Automation)です。
MAはマーケティング業務を支援するツールであり、見込み顧客に関する情報を適切に管理しながら、メール配信などのアプローチを自動化できます。
他にも以下のような機能が搭載されています。
- 問い合わせフォーム作成機能
- スコアリング機能
- 顧客のセグメンテーション
- 顧客データの分析機能
このようにマーケティングにとって欠かせない機能が豊富に搭載されているため、マーケティング活動の効率化を実現できるでしょう。
参照:マーケティングオートメーション(MA)とは?機能や選び方、おすすめツールまで紹介
ツール②:SFA
続いてご紹介するツールは、SFA(Sales Force Automation)です。
SFAは営業活動を支援するツールとなっており、商談プロセスに移行した顧客を主な対象として、情報管理やアプローチするための機能が搭載されています。
具体的には以下のような機能が挙げられます。
- 顧客情報の管理
- 案件・商談情報の管理
- 営業担当の行動データ管理
- 予実管理
- メール配信
基本的には営業部門が活用するツールとなっていますが、MAとの連携も可能であるため、マーケティングから営業に至るまでの全体プロセスを最適化することが可能です。
参照:SFAとは?基礎知識からCRMやMAとの違いや導入ポイントをわかりやすく解説
ツール③:CRM
次に挙げられるのはCRM(Customer Relationship Management)です。
CRMは主に既存顧客へのアプローチを最適化させるためのツールとなっており、以下のような機能が搭載されています。
- 商談情報管理
- 問い合わせ管理
- タスク管理
- 帳票作成・管理
- メール配信
マーケティングの対象となるのは新規顧客だけでなく、既存顧客も重要なターゲットとなります。
CRMを導入することで、既存顧客のニーズなどを的確に分析できるため、リピート購買やロイヤリティの向上へと繋げることができるでしょう。
参照:CRMとは?導入メリットや機能、選び方やおすすめツールまで解説
ツール④:BIツール
BI(Business Intelligence)ツールも、MOpsにおいて役立つツールとなります。
BIツールは、これまでのマーケティングや営業活動を通じて社内に蓄積された様々な情報を一元的に集約し、分析できるツールです。
データ分析に関する高度な知見が無くても、ツールに搭載された機能を活用すれば、簡単に精度の高い分析ができ、様々な示唆を得ることができます。
グラフ化やレポート化なども簡単に行えるので、MOpsの重要な業務であるデータ分析を効果的かつ効率的に取り組むことができるでしょう。
tableauに関する詳しい内容は、こちらの記事を御覧ください。
参照:Tableauとは?基本情報や製品構成、導入する2つのメリットと注意点を紹介
ツール⑤:ワークマネジメントツール
ツールの最後にご紹介するのは、ワークマネジメントツールです。
ワークマネジメントツールは、進行しているプロジェクト、それに紐づくタスクなどを含めた、ワークフローを管理するためのツールとなっています。
業務において「すべきこと」をリスト形式で可視化したり、各メンバーの稼働量なども把握した上でタスクを割り振ったりできるため、プロジェクトマネジメントの効率化を実現できるのです。
7.MOps(マーケティングオペレーション)の企業事例
最後にMOpsの企業事例についてご紹介します。
事例①:株式会社PLAN-B
事例としてまずご紹介するのは、マーケティング支援サービスを提供する株式会社PLAN-Bです。
PLAN-Bは2020年頃、マーケティングにおけるパフォーマンス評価の精度に課題を抱えていました。
そこでエンジニアメンバーをマーケティング部門にMOps担当として異動してもらい、パフォーマンス評価を徹底して行うための環境構築に取り組んだのです。
MOps担当を中心に最適なツールへの乗り換えや運用ルールの策定、分析環境整備などに取り組み、パフォーマンス評価の精度向上を実現しています。
現在もデータ管理やプロセスの改善に従事しつつ、更なる業務効率化の推進に取り組んでいるのです。
参考:BtoBマーケティングの課題を解決する「マーケティングオペレーション(Marketing Ops/MOps)」とは?
事例②:旭化成株式会社
次にご紹介するのは、様々な材料や医薬品などの研究開発を行っている旭化成株式会社の事例です。
旭化成は2021年に組織横断的なDX推進を担うデジタル共創本部を設立し、デジタル化に向けたロードマップを策定しました。
デジタル化の取り組みの一環としてMOpsを導入し、MAやSFAといったツールの普及や、データ分析などを実施しています。
またMOpsを担う人材を育成するために、オープンバッジ制度という教育プログラムを設け、ITリテラシーやデータ分析、アジャイルといったテーマを学ぶコースを社員に提供している点も見逃せません。
参考:MOps(マーケティングオペレーション)はなぜ必要なのか? 導入の壁を壊すために
事例③:ソフトバンク株式会社
事例の最後にご紹介するのは、モバイル事業やブロードバンドサービスを提供するソフトバンク株式会社です。
ソフトバンクは2023年に、MOpsを内包したRevOpsを行うチームを立ち上げました。
RevOpsとはマーケティングや営業などのプロセス基盤を整備し、企業の収益を最大化する考え方および手法のことです。
RevOpsチーム立ち上げに当たり、MOpsを担える人材を外部から獲得することは困難であると考え、1年半という長い期間をかけて社内育成に取り組みました。
チーム立ち上げ後は、オペレーションモデルに関する世界中のベストプラクティスを学びつつ、自社の状況に応じて柔軟に変化させながら、MOpsを含めたRevOpsに取り組んでいるのです。
参考:今、注目を集める「マーケティングオペレーション(MOps)」とは
8.まとめ
今回はMOpsをテーマに求められる役割やスキル、導入ステップなどをまとめて解説してきましたが、いかがでしたか。
技術革新などに伴い、マーケティングを取り巻く環境も凄まじいスピードでデジタル化しています。
こういった環境においては、マーケティングにおいても「デジタルテクノロジーを効果的に活用できるかどうか」が成否を分ける重要なカギとなります。
MOpsはマーケティングのデジタル化を進める上で欠かせない役割となるため、ぜひこの記事を参考に導入を検討していただければ幸いです。
ストラでは、マーケティングの戦略策定からオペレーション・施策実行支援までワンストップでご支援しております。BtoBマーケティングに関してお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント