Account Engagement(旧 Pardot)のダイナミックリストの使い方とは?セグメンテーションリストとの違いや注意点などをプロが解説

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Account Engagement(旧 Pardot)のダイナミックリストの使い方とは?セグメンテーションリストとの違いや注意点などをプロが解説

この記事でわかること

  • Account Engagement(旧 Pardot)のダイナミックリストとは?
  • ダイナミックリストの作成方法
  • ダイナミックリストとセグメンテーションリストの違い
  • ダイナミックリストを利用する際の注意点
  • ダイナミックリストの利用ケース

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

 

Account Engagement(以下、Pardot)内で保持しているプロスペクトを適切に管理するために利用するリスト。Pardotのリストには「セグメンテーションリスト」と「ダイナミックリスト」の2種類のリストが用意されています。それぞれ特性が異なるため、目的に応じて使い分けることでマーケティング活動をより効率的かつ効果的に実施することができます。

本日はそのうち「ダイナミックリスト」を概念から作成方法、具体的な利用ケースまで詳しくご紹介します。

参照:Account Engagement(旧 Pardot)とは?機能や特徴、他のMAツールとの比較も含めて徹底解説

1.Account Engagement(旧 Pardot)のダイナミックリストとは

Pardotのダイナミックリストは、ターゲットとするリストを効率的に作成し、リアルタイムな情報に基づいて自動的に更新される動的なリストを作成することができます。これを使用することで、頻繁に変化する情報に関連するリストを簡単に設定でき、自動的に管理されるため、マーケティングのプロセスを迅速化し、効率化することができます。

例えば、プロスペクトのダイナミックリストを作成する場合、条件に「都道府県が東京都で、役職が部長」と設定すると、東京都に住む役職が部長のプロスペクトが自動的にリストに追加されます。また、このリストは自動的に更新され、新たに都道府県が東京都になった役職が部長のプロスペクトがリストに追加され、都道府県が東京ではなくなったプロスペクトが自動的にリストから削除されます。

また、ダイナミックリストはセグメンテーションルールやオートメーションルールのトリガーに使用することもでき、ダイナミックリストを他のリストと組み合わせることもできる便利な機能です。

参照:Account Engagement(旧 Pardot)のオートメーションルールとは?使い方や注意点を実例を交えて徹底解説

2.Account Engagement(旧 Pardot)のダイナミックリスト作成方法

それでは具体的なダイナミックリストの作成手順を見ていきましょう。

ダイナミックリストの基本設定

まず、Pardot Lightningホーム画面のメニュータブから「見込み客」タブをクリックします。その後、「セグメンテーションリスト」>「+リストを追加」をクリックします。

「セグメンテーションリスト」>「+リストを追加」をクリック

「リスト情報」のポップアップ画面が立ち上がるので、任意のリスト名を入力し格納するフォルダを選択します。

そして、「ダイナミックリスト」のチェックボックスにチェックマークを入れて「ルールを設定」をクリックします。

「ダイナミックリスト」のチェックボックスにチェックマークを入れて「ルールを設定」をクリックします。

ダイナミックリストのルール設定

ダイナミックリスト作成画面に遷移するので、ここでダイナミックリストの条件を設定します。

今回は「都道府県が関西」の条件のリストを動的に作成することとします。

まずは、「新しいルールを追加」ボタンをクリックします。

「新しいルールを追加」ボタンをクリック

ルールを選択するリストが表示されるので、「プロスペクトのデフォルト項目」が「State」「次の値と等しい」「関西」を選択し、「ルールを実行」をクリックします。

ルールを選択するリストが表示されるので、「プロスペクトのデフォルト項目」が「State」「次の値と等しい」「関西」を選択し、「ルールを実行」をクリック

ダイナミックリストの詳細画面に遷移し、処理が開始されます。

少し時間をおくと処理が完了し、通知メールが届きます。

ダイナミックリストの詳細画面に遷移し、処理が開始

以上でダイナミックリストの作成は完了です。

一度作成すると、設定した条件に当てはまればリストに追加され、条件に当てはまらなくなればリストから削除されるという処理が永続的に続くため、大変便利な機能です。

設定自体はとても簡単ですし、複雑な抽出条件を作成することもできるので是非一度ご自身の環境で作成してみてください。

3.Account Engagement(旧 Pardot)のセグメンテーションリストとの違い

ダイナミックスリストとセグメンテーションリスト

Pardotではダイナミックリスト以外に、「セグメンテーションリスト」というスタティックリスト(静的リスト)を作成・活用することができます。

ここからはダイナミックリストとスタティックリストの違いを簡単にご紹介します。

ダイナミックリストは上記でもご紹介したように、条件に基づいて自動的にリストメンバーを更新するリストです。つまり、リストに追加されるプロスペクトは、指定された条件を満たす場合に自動的に追加され、条件を満たさなくなった場合にはリストから自動的に削除されます。

プロスペクトをより迅速に特定して、そのプロスペクトに適したキャンペーンやコンテンツを提供することができるため、マーケティングキャンペーンに非常に便利な機能になります。

Account Engagement(旧 Pardot)のセグメンテーションリストとは

一方、セグメンテーションリストは、手動で作成され、条件に基づいてフィルタリングされたリードのグループです。つまり、プロスペクトをリストに追加するには手動で追加する必要があります。これは、プロスペクトの分析や、特定のプロスペクトグループに対して特定のキャンペーンを実行する場合に役立ちます。

また、セグメンテーションリストにプロスペクトを追加する方法としては以下の方法があります。

  • 「プロジェクト」一覧の「アクション」メニューから「リストに追加」を選択する手動で追加する方法
  • セグメンテーションルールで追加するあらかじめ設定したセグメンテーションルールに基づいて、プロスペクトを自動的にセグメンテーションリストに追加する方法
  • インポートから追加するCSVファイルなどの外部ファイルから、プロスペクトを一括でセグメンテーションリストに追加する方法

ダイナミックリストとセグメンテーションリストの違い

要するに、ダイナミックリストは自動化されたリストであり、セグメンテーションリストは手動で作成されたリストであるため、どちらを使用するかは、目的に応じて異なります。

ダイナミックリストは自動的にプロスペクトを追加できるため、マーケティング活動の自動化に最適であり、セグメンテーションリストは、手動で細かい制御が必要な場合に適しています。

4.Account Engagement(旧 Pardot)ダイナミックリストの注意点

ダイナミックスリストの注意点

ダイナミックリストを利用する際にはいくつかの注意点を認識しておく必要がありますので、ここではそれらを紹介します。

1.条件の適切な設定

ダイナミックリストは、設定した条件に基づいて動的にプロスペクト追加・削除するため、条件の設定に注意が必要です。条件が不適切な場合、意図しないプロスペクトがリストに追加されたり、必要なプロスペクトがリストから除外されたりする可能性があります。

2.条件の実行頻度

ダイナミックリストは、条件の設定に基づいて動的にプロスペクトを追加・削除するため、条件の実行頻度にも注意が必要です。条件が頻繁に実行される場合、システムの負荷が増加し、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

3.リストの更新

ダイナミックリストは自動的に更新されるため、追加・削除されたプロスペクトが自動的に反映されます。しかし、リストの更新に時間がかかる場合があります。そのため、リストの変更が即座に反映されるわけではないため、注意が必要です。

4.ダイナミックリストの条件

ダイナミックリストを作成する際に、使用できる条件には制限があります。特に、複雑な条件を設定する場合は、設定できる条件について事前に確認しておく必要があります。

5.ダイナミックリストの利用目的

ダイナミックリストは、自動的に更新されるため、定期的なキャンペーンやアクションに利用することが適しています。ただし、一度だけ利用する場合や、手動でリストを更新する必要がある場合は、セグメンテーションリストを使用する方が適している場合があります。

以上が、Pardotのダイナミックリストを使用する際の注意点になります。

5.Account Engagement(旧 Pardot)ダイナミックリストの利用ケース

ここからはダイナミックリストのユースケースをいくつかご紹介します。

1.特定の製品に興味関心をもったプロスペクトリストの作成

個別製品のランディングページを訪問したり、特定の製品のコンテンツをダウンロードしたプロスペクトをダイナミックリストに動的に追加することで、特定製品に興味関心があるプロスペクトに対してマーケティングキャンペーンを自動実行することができます。

参照:Account Engagement(旧 Pardot)の ランディングページの作成方法やレスポンシブ対応方法、注意点を詳しく解説

特定の製品に興味関心を持ったプロスペクトリストの作成

2.リードステージ別の顧客管理

Pardot内のプロスペクトに対してスコアや特定のアクションの有無によって「Cold」や「Hot」の基準を作成し、その基準をもとにダイナミックリストを作成します。

そうすることで、動的な「Coldリスト」や「Hotリスト」を作成することができ、各リストに対してEngagement Studioでナーチャリングキャンペーンを自動実行することができます。

リードステージ別の顧客管理

6.まとめ

Pardotのダイナミックリストとセグメンテーションリストは、それぞれ異なる目的に合わせたリストの作成に役立つことがご理解いただけかと思います。それぞれのリストのメリットとデメリットを理解し、自社のマーケティング戦略に合わせて最適なリストを選択しましょう。

ストラではダイナミックリストを活用したPardot運用はもちろん、Pardot活用の全体設計から、導入も含めて一貫して認定資格を保有した実績あるコンサルタントがご支援させていただきます。

Pardotの導入や活用においてお困りごとがありましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

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執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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