プロスペクトとは?混同しがちなリードとの違いも解説
この記事でわかること
- プロスペクトとリードの違い
- プロスペクトとリードを区別する利点
- リードをプロスペクトに進める評価プロセス
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
マーケティングではリードとプロスペクトという用語を同じ意味で利用されることも多いと思います。例えばSalesforceやAccount Engagement(以下、Pardot)を併用されている企業であれば、見込み客のことをPardotではプロスペクトと呼び、Salesforceでは同じような意味合いでリードと呼ばれたりすることで特に混乱を招くことも多いかと思います。
しかし、厳密にはこれらには明確な意味と用途があり、マーケティング・営業担当者であれば是非覚えておきたいところです。
「プロスペクトもリードも同じ意味でいいじゃないか!」「違いは何?」と思われた方はぜひ本記事を読み進めていただけますと幸いです。
目次
プロスペクトとは?
プロスペクトとは、直訳すると「見通し」や「展望」という意味になります。一般的には期待値や可能性を指し示す文脈で使われる言葉です。
マーケティングにおいては、上記から「近い将来商品やサービスの購入に繋がる可能性のあるもの」という意味で使われることが多くあります。
言い換えると、プロスペクトは「商品やサービスの購入を検討する可能性があると評価された見込み客」とも言えます。
プロスペクトとリードの違い
ではプロスペクトとリードの違いはどこにあるのでしょうか?
マーケティングファネルで考えてみましょう。
リードとは目標達成に向けたプロセスの最上部にいて、まだ興味関心が評価されていない見込み客のことをいいます。
例えば、ホワイトペーパーのダウンロードなどを通し企業と何らかの接触をしていて、見込み客はその企業の商品やサービスを認識し、企業もその連絡先を認識しているとします。ただし、その連絡先がどの程度製品やサービスに興味を持っているかや、購買に繋がりそうかなどはまだ明らかな状態ではありません。
こういった販売プロセスにおける、出発点にいる連絡先のことをリードと呼びます。
それに対してプロスペクトは先ほども述べた通り、「商品やサービスの購入を検討する可能性があると評価された見込み客」であり、コミュニケーションを通してすでに商品やサービスに興味を持ち、購入する可能性があると評価され、”リード”からファネルの次のステップに移行している見込み客のことをいいます。
上記のように”リード”と”プロスペクト”は厳密には違いがあり、一般的には見込み客のことを広く”リード”と呼称することが多いのも実情です。
プロスペクトとリードを区別することの重要性
これまでも説明してきた通り、”リード”とはファネルの最上位にいる連絡先のことです。リードはあなたの企業と商品・サービスを認識はしていますが、どの程度興味感心があるのか、受注可能性としてどの程度有望なのかは明らかではありません。
また、“プロスペクト”は将来的に購入可能性のある連絡先で、”リード”よりファネルの先のプロセスに進んでいる見込み客です。
これらを区別しておくことで以下のようなことが実現できると考えられます。
営業アプローチの効率化
もし、多くの見込み客を抱えている企業であれば、営業がすべての見込み客に盲目的にアプローチするのは非効率ですよね?できれば見込み客に優先順位をつけながら、有望な見込み客からアプローチしたいところです。
“リード”と”プロスペクト”を区別しておくことで、まずは”プロスペクト”からアプローチを行うなど、アプローチリストの優先順位を付けることが可能になります。
見込み客に対する効果的なコミュニケーション
販売プロセスを前に進めて見込み客から商品やサービスを購入していただくために、お客様に合わせたコミュニケーションを行ってお客様の課題解決や要望に可能な限り応えたいですよね?
例えば、自社の商品やサービスを知ったばかりの見込み客と、何度か資料請求もされwebサイトへの特定製品ページへのアクセス履歴がある見込み客では、見込み客が求める情報は異なります。異なる情報ニーズがあるにも関わらず一辺倒の同じコミュニケーションをしていては非効率ではありませんか?
“リード”と”プロスペクト”を区別することで上記のようなコミュニケーションの使い分けを行う上での最低限のインプットになり得るでしょう。
リードをプロスペクトに進めるための評価プロセス
リードをプロスペクトにするにはリードの評価プロセスを経る必要があり、このプロセスは商品やサービスがリード(潜在顧客)のニーズに適しているかを評価するのに役立ちます。
リードの評価プロセスには3つの段階があります。
1.組織レベルの評価
組織レベルでリードがペルソナまたは理想的な顧客プロファイルの基準を満たしているかどうか評価します。BtoBビジネスの場合は、企業規模や業界、所在地などの企業属性情報がペルソナと適合しているかも一つの評価指標になります。
参照:【DLできるテンプレート公開】ペルソナとは?作り方の5つのステップや具体的な活用方法を解説
2.機会レベルの評価
この段階では、リードが自社の商品やサービスを実際に導入できるかを判断する必要があります。リードは自社の商品やサービスを利用することで本当に便益を得られるかどうかの判断を行う必要があります。
3.ステークホルダーレベルの評価
リードが自社のペルソナや理想的な顧客プロファイルに適合し、商品やサービスを利用することでメリットを享受できると判断されたら、そのリードが購入における最終意思決定を下す権限を持っているかを確認します。もしその権限を持っていない場合は、販売プロセスを進めるための適切な関係者を特定する必要がある場合もあります。
まとめ
ここまで、プロスペクトとリードの違いや、リードをプロスペクトにするための評価プロセスについて解説いたしました。ビジネスシーンにおいて「見込み客=リード」という意味合いで何気なく使うことも多いかと思います。本記事で紹介したそれぞれの意味や違いを理解し、今後のマーケティング施策や営業施策に役立てていただければと存じます。
ストラではマーケティング戦略の策定から実行支援、SFAやMAツールの導入から活用支援まで一貫して実績のあるコンサルタントが支援いたします。
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執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント