Salesforceコネクタとは?Googleスプレッドシートとの連携方法や他ツールとの違いなどを徹底解説!

この記事でわかること
- Salesforceコネクタとは何か?
- Salesforceコネクタ・データローダ・データインポートウィザードの違い
- Salesforceコネクタの設定方法
- Salesforceコネクタの拡張機能と使用方法
- Salesforceコネクタでデータを自動更新する方法

執筆者 取締役 / CTO 内山文裕
Salesforceの導入や活用のお困りごとはプロにご相談ください
- GoogleスプレッドシートのデータをSalesforceに紐付けたいがどうしたら良いか分からない
- 大量のデータを一括で操作したいがやり方が分からない
- 定期的に手動でデータを更新するのをやめたいが設定方法が分からない
Salesforceの管理・活用を進めているとデータの出し入れについて以下の悩みに直面したことはありませんか?
- データローダはインストール手順が多くて面倒くさい
- お客様が業務でGoogleスプレッドシートを使用しており、csvファイルでデータを出し入れするデータローダは使いにくい
そんな時に活躍するのがはSalesforceコネクタ(Data connector for Salesforce)です。
Salesforce コネクタを使用すれば、Salesforce上にデータを一括投入したり、Salesforce上からデータを一括抽出できます。Salesforceの管理が効率化されることで、顧客対応に回せず時間が増え、顧客満足度の向上に貢献することができます。
本記事では、Salesforceコネクタの概要から設定方法、その他ツールとの違いについて詳しく解説します。また、Salesforceコネクタには他の機能にはないデータを自動更新する方法もあるため、そちらについても解説していきます。
GoogleスプレッドシートのデータをSalesforceに連携させたいとお考えのご担当者様はぜひ最後までご覧ください。
Salesforceに関する詳しい内容について知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
参照:Salesforce(セールスフォース)とは?製品群や機能、メリット・デメリットを簡単に解説!
目次
Salesforceコネクタとは?
Salesforceコネクタとは、Googleスプレッドシートを利用してSalesforceへデータを作成、更新したり、Salesforceからデータを抽出することができるGoogleの無料アドオン機能です。また、データの削除も一括で行うことができます。
操作したいレコードが大量にある場合、レコードを1つずつ作成や更新することはかなり手間ですが、Salesforce コネクタを使用することで効率的にレコードを操作することができます。無料で使うことができるため、Salesforceエンジニア・お客様の両者にとって金銭的な負担をかけることなく利用できます。
また、Googleスプレッドシートを開いた状態でデータのインポートとアップロードが可能なため、もしエラーが発生してしまってもエラー箇所が分かりやすく、素早く対処することができます。
Salesforceコネクタとその他ツールのメリット・デメリット
Salesforce上でデータの作成・更新・抽出・削除を行う場合、主に以下3つのツールを使うことが多いです。
- Salesforce コネクタ
- データローダ
- データインポートウィザード
上記3つのツールについて、メリットとデメリットをまとめましたので、ご参考にしてください。

Salesforce コネクタ
意外と知られていないSalesforce コネクタですが、以下のメリットデメリットがあります。
他の二つの機能との大きな違いは、自動更新ができるという点です。定期的に更新したいデータを扱っている場合は、Salesforceコネクタをご利用ください。
【メリット】
- データローダに比べインストールが簡単
- 日本語でも使用できる
- Googleスプレッドシート上でデータ操作ができる
- 自動更新できる
【デメリット】
- Googleを社内で利用していることが前提
- 抽出するデータの上限数に制限がある
データローダ
Salesforceでデータを出し入れする際、1番有名なのがデータローダでしょう。
データローダの一番の特徴は、一括で操作できるデータ量が多いという点です。規模の大きなデータを扱っている場合は、データローダの使用をお勧めします。
データローダには以下のメリットとデメリットがあります。
【メリット】
- データインポートウィザードに比べSalesforceの制約を受けにくい
- 500万件のデータを一括で操作することができる
【デメリット】
- 使っているPCにインストールが必要
- ツール内で使用できる言語は英語のみ
データローダの活用ガイドについてはこちらをご覧ください。
データインポートウィザード
データインポートウィザードもデータ操作を行うツールとして有名です。
データインポートウィザードは、他の二つの機能と違って可能な処理や対象オブジェクトに制限がありますが、インストール作業がいらないため比較的簡単に使用しやすいのが特徴です。まだSalesforceの扱いに慣れていなかったりなるべく簡単な操作で使用したいといった方は、データインポートウィザードの利用をご検討ください。
データインポートウィザードには以下のメリットとデメリットがあります。
【メリット】
- Salesforce画面上からツールを使用できる(インストール作業は特にいらない)
- 日本語でも使用できる
- Googleスプレッドシート上でデータ操作ができる
【デメリット】
- 操作できるデータの件数は5万件まで
- データの作成、更新しかできない
- 使用可能なオブジェクトに制限がある
データインポートウィザードについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
参照:【完全版】データインポートウィザードとは!?使い方から注意点まで徹底解説!!
Salesforce コネクタの設定方法
それでは、実際にSalesforceコネクタを設定する方法について、確認していきましょう。
Salesforceコネクタの設定方法は、以下のたった2ステップです。
※Googleアカウントをまだ作成していない場合は、先に作成してから以下手順に進んでください。
ステップ1:Salesforce コネクタのインストール
Salesforce コネクタのインストールは簡単、とお伝えしましたが、手順は以下となります。
1.Salesforce コネクタのインストール画面を開く。
※リンクに飛べない場合は、スプレッドシートから直接インストールをしてください。
手順は以下となります。
①Google Chromeを開き、画面右上のGoogleアプリより「スプレッドシート」を選択

②「空白のスプレッドシート」を選択

③「拡張機能」から「アドオン」を選択し、「アドオンを取得」をクリック

④Google Marketplaceが開くので、検索窓に「Salesforce Connector」と入力しEnterキーを押下
⑤検索結果に表示されている「Salesforce Connector」を開く

2.「インストール」をクリック

3.「アカウントの選択」画面でインストールで使用するGoogleアカウントを選択
4.「Data connector for Salesforce にログイン」と表示されている画面で「次へ」をクリック
5.「Data connector for Salesforce が Google アカウントへのアクセスをリクエストしています」と表示されている画面で「許可」をクリック
6.以下の画面になればインストール完了ですので、「完了」ボタンを押してください。

ステップ2:Salesforceへ接続する
Salesforce コネクタはインストール後即座に使用できる、というわけではなく、データ操作をしたいSalesforce環境と接続する必要があります。接続手順は以下の通りです。
1.スプレッドシートを開く。
2.「拡張機能」から「Salesforce Connector」を選択し、「Open」をクリック

3.画面右側に接続する組織を選択する画面が表示されるため、「Sandbox」か「Production」を選択し「AUTHORIZE」をクリックする。

4.Salesforceのログイン画面が表示されるので、ユーザーIDとパスワードを入力

5.アクセス許可を求められる画面にて「許可」をクリック

Salesforceコネクタの設定方法は以上です。
Salesforce コネクタの拡張機能と使用方法
次に、Salesforceコネクタの拡張機能と使用方法について、解説していきます。
Salesforce コネクタには以下の機能があります。

Reports
Reports機能は、Salesforce上にあるレポートをスプレッドシートへ抽出する機能です。
抽出するパターンは既存のシートに抽出するパターン、新規シートに抽出するパターンの2パターンがあります。使用方法は途中まで同じですので、まとめてご紹介します。
使用方法
1.メニューより「Report」を選択

2.検索画面でSalesforce上にあるレポートを検索し、選択

3.既存シートに抽出したい場合、抽出先のシートを開いた状態で「Import to active sheet」を選択し、「GET DATA」をクリック
新規シートに抽出したい場合、「Import to new sheet」を選択して「GET DATA」をクリック
4.3で既存シートに抽出するパターンを選んでいる場合、スプレッドシートに追加して良いかの確認画面が表示されるため、「REPLACE」をクリック

以上でSalesforce上のレポートをスプレッドシートに抽出することができます。
Import
Import機能は、Salesforce上のデータをスプレッドシートへ抽出する機能です。データは最大1万件抽出することができます。
使用方法
1.lmportしたいシートを開く
2.メニューから「Import」を選択

3.以下画面でデータを抽出したいオブジェクトを選択し、「NEXT」をクリック

4.以下画面で抽出したい項目を選択し、「NEXT」をクリック

5.画面下部にある「GET DATA」をクリック
※項目値で条件を絞り込んで抽出したい場合、4の実行前に「Add filtering conditions」欄で条件を設定してください。
以上でSalesforce上のデータをスプレッドシートに抽出することができます。
Update
Update機能は、スプレッドシート上のデータをもとに、Salesforce上にデータ挿入、または更新する機能です。
Updateを実行するには、投入したいデータをあらかじめスプレッドシート上に用意しておく必要があります。
使用方法
1.スプレッドシート上に用意したデータのヘッダーと値を選択
2.メニューより「Update」を選択

3.以下画面でデータを挿入または更新したいオブジェクトを選択

4.3の画面の下部で「Insert」「Update」「Insert or Update」いずれかを選択
5.3の画面の下部でデータ挿入または更新結果を表示する列を設定
6.「NEXT」をクリック
7.「EXECUTE」をクリック
以上でスプレッドシート上のデータを使用してSalesforceにデータを挿入または更新することができます。
Delete
Delete機能は、スプレッドシート上のデータをもとに、Salesforce上のデータを削除する機能です。
Deleteを実行するには、DeleteしたいデータのSalesforceIDを事前にスプレッドシート上に用意しておく必要があります。
使用方法
1.スプレッドシート上に用意したデータのヘッダーと値を選択
2.メニューから「Delete」を選択

3.以下の画面でデータを削除したいオブジェクトを選択

4.3の画面の下部にある「Primary key column (Object ID)」欄で、スプレッドシート上に用意したSalesforceIDが記載されている列を選択
5.3の画面の下部にある「Delete Results Column」欄でDelete結果を表示したい列を選択
6.「DELETE」をクリック
7.本当にデータを削除するのか確認する画面が表示されるので、「DELETE」をクリック
以上でスプレッドシートを使用してSalesforce上のデータを削除することができます。
Refresh
Refresh機能は、ReportsやImportでスプレッドシート上に抽出したデータを自動更新・手動更新する機能です。
例えば、あるシートにレポートを抽出していても、Salesforce上のレポートが更新されれば、スプレッドシートとSalesforce上のレポート間でデータに差異が発生します。
その差異をなくしてスプレッドシート上のデータをすぐに最新化したい場合、本機能が役に立ちます。
使用方法
1.Refreshしたいデータがあるシートを開く
2.メニューより「Refresh」を選択

3.以下画面で「Manual Refresh」欄にある「REFRESH」をクリック

4.以下の画面が表示されればリフレッシュ完了です。

以上でSalesforce上の最新データをスプレッドシートに反映することができます。
Salesforce コネクタでデータを自動更新する
さらに、Salesforce コネクタでは、上記でお伝えしたRefresh機能を使用することで、以下のタイミングでスプレッドシート上のデータを自動更新することができます。
- 4時間
- 8時間
- 12時間
設定手順
1.メニューより「Refresh」を選択
2.以下画面で「Auto Refresh」欄にある「CREATE」をクリック

3.スケジュール更新したいシートを選択し、「Refresh every」欄でRefresh間隔を設定

4.「CREATE」をクリック
以上でデータの自動更新設定は完了となります。
本機能はデータローダやインポートウィザードにはない機能ですので、Salesforceコネクタの最大の強みと言えます。
まとめ
Salesforce コネクタは、データの作成、更新、抽出、削除を一括で行うことができる便利なツールです。また、インストールやSalesforceとの接続設定を簡単に行うことができ、Salesforceエンジニアはもちろん、自分たちでデータ操作をしたいと考えている企業様にとっても導入しやすいツールです。
特に、Googleスプレッドシートをメインで使っている企業様にとっては、ものすごく相性が良いでしょう。
もちろんデメリットもあるため、導入するツールは業務内容に合わせて決める必要があります。
とはいえ、自社でどのようにSalesforce コネクタを導入すれば良いのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ストラでは、Salesforce コネクタを含むSalesforceの導入や活用について、実績をもったコンサルタントが支援しています。
Salesforceの導入や活用においてお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
また、ストラのSalesforce導入支援や定着化支援、開発支援について、さらに詳しく知りたい方はこちらのページで紹介しています。
Salesforceの導入や活用のお困りごとはプロにご相談ください
- GoogleスプレッドシートのデータをSalesforceに紐付けたいがどうしたら良いか分からない
- 大量のデータを一括で操作したいがやり方が分からない
- 定期的に手動でデータを更新するのをやめたいが設定方法が分からない


執筆者 取締役 / CTO 内山文裕
青山学院大学卒業後、株式会社ユニバーサルコムピューターシステムに入社。
大手商社のB2B向けECサイトの構築にて会員登録、見積・注文機能、帳票出力などECにおける主要機能のフロント画面・バックエンドの開発に従事。 その後アクセンチュア株式会社に入社。デジタルコンサルタントとしてWebフロントエンド・モバイルアプリの開発やアーキ構築を主に、アパレル・メディア・小売など業界横断的にシステム開発を支援。また、ビッグデータを活用したマーケティング施策の策定やMAツールの導入・運用支援にも従事。
2022年2月にStrh株式会社の取締役CTOに就任。デジタルプロダクト開発の支援やMAツール導入・運用支援を行っている。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Java Scriptデベロッパー
Salesforce 認定Data Cloudコンサルタント