Salesforce Experience Cloudとは?特徴・導入手順・活用事例を徹底解説
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この記事でわかること
- Salesforce Experience Cloudとは何か?
- Salesforce Experience Cloudの主な機能
- Salesforce Experience Cloudの導入手順
- Salesforce Experience Cloudの注意点
- Salesforce Experience Cloudの活用事例
- Salesforce Experience Cloudのよくある質問
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執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
Salesforce Experience Cloudの導入・活用ならプロにご相談ください
- 顧客やパートナー向けのポータルサイトを構築し、情報共有をスムーズにしたい
- FAQサイトでサポート業務を効率化し、顧客満足度を向上させたい
- 既存のSalesforce環境を活かしながら、Experience Cloudを導入したい
Salesforce Experience Cloud(旧 Community Cloud)は、顧客・パートナー・従業員向けのポータルサイトを簡単に構築できるプラットフォームです。企業が自社のブランドに合わせたWebサイトを作成し、顧客とのエンゲージメントを強化するために活用されています。
本記事では、Experience Cloudの基本概要から導入手順、活用事例、カスタマイズ方法までを詳しく解説します。
「Experience Cloudとは?」「どんな機能があるの?」「導入するメリットは?」といった疑問を持つ方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
Salesforceについて詳しく知りたい方は、まずはこちらの記事からご覧いただければと思います。
参照:Salesforce(セールスフォース)とは?製品群や機能、メリット・デメリットを簡単に解説!
目次
- Salesforce Experience Cloudとは?
- Salesforce Experience Cloudの主な機能
- Salesforce Experience Cloudの導入手順
- Salesforce Experience Cloudの注意点
- Salesforce Experience Cloudの活用事例
- Salesforce Experience CloudとCommunity Cloudの違いは?
- Salesforce Experience Cloudの料金はいくら?
- Salesforce Experience Cloudのカスタマイズにはプログラミング知識が必要?
- Experience Cloudは外部システムと連携できる?
- Experience Cloudのセキュリティ対策は?
- まとめ
Salesforce Experience Cloudとは?
Experience Cloudの基本概要
Salesforce Experience Cloudは、Salesforceプラットフォーム上で動作するデジタルエクスペリエンス構築ツールです。企業はExperience Cloudを活用することで、顧客サポートポータル、パートナーポータル、従業員向けナレッジ共有サイトなどを短期間で作成し、効率的に情報を発信することが可能になります。
Experience Cloudの最大の特長は、Salesforce CRMとの統合により、既存のSalesforceデータを活用しながら、顧客ごとに最適化されたエクスペリエンスを提供できることです。例えば、カスタマーサポートポータルを作成する場合、顧客が過去に問い合わせた内容に基づいて、関連するFAQを自動的に表示するといった機能を実装できます。
Experience Cloudの主な特徴
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① ポータルサイトの作成
Experience Cloudを利用すると、企業は顧客・パートナー向けの専用サイトを簡単に構築できます。Experience Builderというツールを使えば、専門的なプログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップ操作でページをデザインできます。
また、テンプレート機能を活用すれば、FAQサイト、カスタマーサポートポータル、パートナーポータルなど、目的に応じたサイトを素早く構築できます。
② Salesforceとの統合
Experience Cloudは、SalesforceのCRMデータを活用してポータルサイトを運用できます。これにより、顧客がログインした際にその顧客に関連する情報だけを表示するパーソナライズ機能を実現できます。
例えば、サポートポータルでは、顧客が過去に問い合わせたケースの履歴を表示することで、サポートチームへの問い合わせを減らし、顧客自身で問題を解決できるようになります。
③ 高度なアクセス制御
Experience Cloudでは、ユーザーごとに異なる情報を表示することが可能です。たとえば、あるB2B企業が販売代理店向けポータルを運用する場合、代理店ごとに異なる商品情報や価格情報を表示することができます。
さらに、「シングルサインオン(SSO)」を活用すれば、Salesforce以外のシステムとも連携し、スムーズなログイン体験を提供できます。
④ 柔軟なカスタマイズ性
Experience Cloudは、基本的なサイト構築機能に加え、LWC(Lightning Web Components)やApexを活用して独自のカスタマイズが可能です。
例えば、カスタマイズした検索機能を追加したり、特定の条件に応じて動的にページのレイアウトを変更することができます。
Apexについては以下の記事で詳しく解説しておりますので合わせてご確認ください。
参考:Salesforce Apexとは?特長や使い方、トリガとクラス、フローとの違いについても徹底解説!
Salesforce Experience Cloudの主な機能
ポータルサイト構築機能
Experience Cloudを利用すると、以下のようなポータルサイトを簡単に構築できます。
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顧客ポータル
顧客が自己解決できるよう、FAQページ、ヘルプセンター、サポートチケット管理システムを提供することができます。例えば、製品のマニュアルやトラブルシューティング情報を掲載し、顧客の自己解決を促進することが可能です。
パートナーポータル
B2Bビジネスにおいて、代理店やパートナーとの情報共有をスムーズに行うために利用されます。例えば、販売支援資料や価格表、最新キャンペーン情報をパートナー企業向けに提供するポータルを作成できます。
従業員ポータル
社内向けのポータルサイトとして活用し、社内ドキュメントの共有や、研修資料の配信、ナレッジベースの構築などに利用できます。従業員が必要な情報に簡単にアクセスできる環境を整えることで、生産性の向上が期待できます。
アクセス管理とセキュリティ
Salesforce Experience Cloudは、企業が外部ユーザー(顧客、パートナー、従業員)向けのポータルサイトを安全に運用できるよう、強力なアクセス管理とセキュリティ機能を提供しています。
このセクションでは、Experience Cloudで利用できるアクセス制御の方法や、セキュリティ対策について詳しく説明します。
① ユーザーごとのアクセス制限
Experience Cloudでは、異なるユーザーグループ(顧客・パートナー・従業員)ごとに、表示できる情報や操作可能な機能を制限できます。
例えば、顧客には製品FAQページのみを閲覧させ、パートナーにはマーケティング資料のダウンロードを許可するなど、アクセス権限を細かく設定できます。
■プロファイルと権限セット
- 各ユーザーに対して、プロファイル(基本的なアクセス権限)や権限セット(追加の権限)を設定することで、適切な情報だけを閲覧・編集できるようになります
- 例えば、ある製品の顧客には、その製品の情報だけを表示し、他の製品情報は見せないようにすることが可能です。
■共有ルールと制限ルール
- 共有ルールを設定することで、特定のデータを組織内外の特定のユーザーと共有できます。
- 逆に、制限ルールを設定すれば、機密情報が不適切なユーザーに表示されないよう制御できます。
② SSO(シングルサインオン)の活用
シングルサインオン(SSO)を利用すると、ユーザーはSalesforce Experience Cloudにログインする際に、企業がすでに利用している外部の認証システム(Google Workspace、Microsoft Azure AD、Okta など)を使って認証できます。
これにより、ユーザーは一度のログインで複数のシステムにアクセスできるようになり、利便性が向上します。
■SSOを導入するメリット
- ログインプロセスの簡素化(複数のパスワード管理が不要)
- セキュリティ強化(企業の認証ポリシーを適用可能)
- 管理負担の軽減(パスワードリセットなどの運用コストを削減)
③ MFA(多要素認証)の導入
Experience Cloudでは、多要素認証(MFA: Multi-Factor Authentication)を導入することで、アカウントのセキュリティを強化できます。
MFAを有効にすると、ユーザーがログインする際に、パスワードに加えて追加の認証(ワンタイムパスワード、認証アプリ、ハードウェアトークンなど)が必要になります。
■MFAの主な特徴
- 不正アクセス防止:万が一パスワードが漏洩しても、追加の認証が必要なため第三者による不正ログインを防げる。
- セキュリティ基準の向上:Salesforceでは、MFAの利用を推奨しており、2023年以降はMFAの導入が義務化されている。
Salesforceでの多要素認証やSalesforce Authendicatorについて詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。
参考:Salesforce Authenticatorとは?その必要性や導入手順、トラブルシューティングに至るまでをわかりやすく解説【必読】
カスタマイズと拡張性
Salesforce Experience Cloudは標準機能だけでなく、カスタマイズを行うことで、より自社のニーズに合ったポータルサイトを構築できます。
特に、Experience Builderによるビジュアルカスタマイズと、LWC(Lightning Web Components)やApexを活用した拡張機能が大きな特徴です。
① Experience Builderを活用した直感的なデザイン変更
Experience Builderを使えば、ノーコード(プログラミング不要)で、ドラッグ&ドロップ操作を用いてポータルのデザインをカスタマイズできます。
■Experience Builderの主な機能
- デザインのテンプレート:用途に応じた標準テンプレートを選択し、簡単にページレイアウトを作成可能
- コンポーネントの追加:画像、ボタン、ナビゲーションメニュー、動画などを自由に配置
- レスポンシブ対応:PC・スマートフォン・タブレット向けに最適化されたレイアウトを自動適用
- ブランドのカスタマイズ:ロゴ、フォント、カラーなどを自社ブランドに合わせて変更可能
Experience Builderの強みは、Salesforce管理者やマーケティング担当者でも直感的にデザインを変更できる点にあります。
例えば、新製品の発表に合わせてトップページのバナーを変更する場合、開発者に依頼せずにマーケティングチームが即時に更新できるのが魅力です。
② LWC(Lightning Web Components)やApexによる高度なカスタマイズ
Experience Builderの標準機能では対応できない高度なカスタマイズを行う場合、LWC(Lightning Web Components)やApexを活用して機能を拡張できます。
■LWC(Lightning Web Components)の活用
LWCは、Salesforceの最新のWebコンポーネントフレームワークであり、カスタムコンポーネントを開発して、Experience CloudのUI/UXを向上させることができます。
■LWCで実装できる機能例
- 検索機能の強化(独自の検索フィルターやサジェスト機能を追加)
- インタラクティブなデータ表示(グラフ、リアルタイムデータ表示)
- 顧客ごとのカスタマイズページ(ログインユーザーに応じたコンテンツの動的表示)
■Apex(バックエンドロジックのカスタマイズ)
Apexを活用することで、Experience Cloudのバックエンドロジックをカスタマイズし、複雑なビジネス要件に対応できます。
■Apexの活用例
- データの自動連携(特定のアクションが行われた際にデータを自動更新)
- ワークフローの自動化(ユーザーの操作に応じて、特定の通知を送信)
- 外部システムとの統合(ERPやマーケティングツールとのAPI連携)
LWCとApexを組み合わせることで、より柔軟なカスタマイズが可能になり、独自の要件に沿ったポータルを構築できます。
Salesforce Experience Cloudの導入手順
Experience Cloudについての理解を深めたところで、次に導入手順を確認していきましょう。
導入前の準備
利用目的を明確化(顧客ポータル or パートナーポータル)
まず、Experience Cloudを導入する目的を明確にしましょう。
- 顧客向けFAQサイトを作成したいのか?
- 代理店向けの販売支援ポータルを構築したいのか?
- 社内向けのナレッジ共有サイトを導入したいのか?
導入目的によって、選ぶテンプレートや設定内容が変わるため、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。
必要なライセンスを選定(Experience Cloudの料金プラン比較)
Experience Cloudには、ユーザー数や機能に応じた複数のライセンスプランが用意されています。例えば、無料のゲストユーザー向けの閲覧専用ライセンスや、顧客がログインして利用するためのライセンスがあります。
導入後に「想定以上のコストがかかる」「必要な機能が使えない」といった事態を避けるために、事前に適切なライセンスを選定することが重要です。
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データ連携とセキュリティの確認
Experience Cloudは、Salesforce内のデータを活用するため、どのデータを外部ユーザーに公開するのかを慎重に設定する必要があります。
特に顧客情報を含むデータを扱う場合、アクセス権限の設定を厳格に行うことで、不正アクセスや情報漏洩を防ぐことができます。
基本的な設定手順
Experience Cloudの導入後、実際にポータルを設定・公開するには、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。ここでは、Experience Cloudの基本的な設定手順について、詳細に解説します。
1.Experience Cloudの有効化
2.テンプレートを選択してサイト作成
3.コンテンツやデザインのカスタマイズ
4.アクセス制御と権限設定
5.公開前のテストと最終確認
ステップ1:Experience Cloudの有効化
Experience Cloudを利用するには、Salesforce管理画面で有効化を行う必要があります。
1.Salesforceに管理者アカウントでログイン
2.[設定] → [デジタルエクスペリエンスの設定] に移動
3.[デジタルエクスペリエンスを有効化] のチェックボックスをオンにする
4.保存をクリック
5.[設定] → [すべてのサイト] に移動し、Experience Cloudのセットアップ画面を開く
この操作によって、Experience Cloudのサイトを作成できるようになります。
ステップ2:テンプレートを選択してサイトを作成
Experience Cloudでは、サイトの用途に応じたテンプレートが用意されており、ゼロから構築しなくても、簡単にデザインを適用できます。
1.[すべてのサイト] → [新規] をクリック
2.用途に応じたテンプレートを選択
- カスタマーサービス(FAQやケース管理に最適)
- パートナーポータル(販売代理店やパートナー向け)
- ヘルプセンター(ナレッジ共有に最適)
- 空白のテンプレート(完全カスタム用)
3.サイト名とURLを設定
- 例:https://yourcompany.force.com/customer-portal
- サイト名は後から変更可能だが、URLは変更できないため慎重に設定する。
4.サイトを作成して保存
ステップ3:コンテンツやデザインのカスタマイズ
サイトの基本構造が決まったら、Experience Builderを使ってコンテンツの配置やデザインを調整できます。
1.[サイトの管理] → [Experience Builder] を開く
2.デザインをカスタマイズ
- ロゴ、フォント、カラーを変更してブランドに合わせる
- ナビゲーションメニューの編集
- ヘッダーやフッターのカスタマイズ
- レスポンシブデザインを適用(PC・スマホ対応)
3.コンテンツの追加
- ナレッジ記事の掲載
- FAQページの作成
- 動画や画像をアップロード
- コールトゥアクション(CTA)の追加(例:問い合わせボタン)
4.コンポーネントの活用
- 検索機能(キーワード検索を追加)
- チャットボット(Salesforce Chatの統合)
- カレンダーやイベント情報の表示
ステップ4:アクセス制御と権限設定
Experience Cloudでは、サイトごとにどのユーザーがどの情報にアクセスできるのかを細かく制御できます。
1.[サイトの管理] → [メンバー管理] を開く
2.アクセスするユーザーの種類を決定
- 社内ユーザー(Salesforceユーザー)
- 外部ユーザー(顧客、パートナー)
- ゲストユーザー(ログインなしでアクセス)
3.プロファイルと権限セットの設定
- ユーザーが見られる情報を制限(例:顧客は自分のケースのみ閲覧可能)
- パートナーには商談情報へのアクセスを許可
- ゲストユーザーにはナレッジ記事の閲覧のみ許可
4.SSO(シングルサインオン)の設定
- 企業の認証システムと統合し、Salesforce以外のシステムともシームレスにログイン可能に。
5.MFA(多要素認証)の設定
- セキュリティ向上のため、特定のユーザーにはMFAを有効にする。
ステップ5:公開前のテストと最終確認
サイトが完成したら、公開前にテストを行い、正しく動作するか確認します。
1.異なるユーザー権限でログインして動作確認
- 管理者、一般ユーザー、ゲストユーザーでそれぞれアクセス制限が適切に適用されているか検証。
2.各ページのリンクチェック
- すべてのナビゲーションメニューやCTAボタンが正しく動作するか。
3.レスポンシブデザインの確認
- PC、スマートフォン、タブレットでの表示が最適化されているかテスト。
4.パフォーマンスとロード時間のチェック
- 画像や動画が最適化され、ページのロード時間が遅くなっていないか。
5.公開の実施
- 問題がなければ、[サイトの管理] → [公開] をクリックして本番環境に反映。
Salesforce Experience Cloudの注意点
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Experience Cloudは非常に便利なプラットフォームですが、導入・運用に際して考慮すべき制限や注意点もあります。
Salesforce Experience Cloudライセンスに関する制限
サイト数の制限
Salesforce組織では、最大100個のExperience Cloudサイトを使用できます。
ユーザー数の制限
ライセンスの種類によって、組織あたりのユーザー数に制限があります。
- Partner Community、Channel Account、Customer Community Plus: 最大100万人以上
- 取引先ロールの最適化(ARO)が有効化された場合: 最大1,000万人以上
- Customer Community、External Apps: 最大1億人以上
機能に関する制限
取引先所有権の制限
ロールベースのライセンス(Customer Community Plus、Partner Communityなど)を持つ取引先の所有者は、最大50,000件の取引先を所有できます。
制限ルールの適用範囲
制限ルールは、カスタムオブジェクト、外部オブジェクト、契約、行動、ToDo、タイムシート、タイムシートエントリで使用できます。
その他の制限
ゲストユーザーのアクセス
ゲストユーザーは、一般公開されているExperience Cloudサイトページにアクセスして、ナレッジ記事を参照できますが、アクセスできる機能やデータに制限があります。
カスタマイズの制約
Experience Builderを使えば、基本的なカスタマイズは可能ですが、高度なデザインや機能を追加するにはLWC(Lightning Web Components)やApexの知識が必要になります。例えば、独自の認証フローやカスタムコンポーネントを作成したい場合、標準機能だけでは対応できないため、追加開発が必要になる点に注意が必要です。
APIとデータ統合の制約
APIコールの制限
Experience Cloudでは、使用できるAPIリクエスト数に制限があります。大量のデータを扱う場合は、バッチ処理を活用したデータ連携が推奨されます。
Salesforceデータのリアルタイム同期
Experience Cloudでは、Salesforce CRMとのリアルタイム同期は基本的に可能ですが、カスタムデータの統合にはミドルウェアやAPI開発が必要になるケースもあります。
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Salesforce Experience Cloudの活用事例
業界別の導入事例
① 小売業界:オンラインカスタマーサポートポータル
導入企業例:大手家電メーカー
■導入前の課題
- 顧客からの問い合わせが急増し、カスタマーサポートの負担が増大。
- ユーザーが自己解決できる仕組みが不足しており、簡単な質問でもコールセンターに問い合わせが集中。
- 問い合わせ対応の人員コストが増加し、運用コストの最適化が必要だった。
■導入後の成果
- Experience Cloudを活用し、FAQサイト・製品サポートポータルを構築。
- 顧客がログインすると、購入履歴に基づいたパーソナライズされたFAQやマニュアルを自動表示。
- カスタマーサポートへの問い合わせ件数が30%削減され、運用コストを最適化。
② B2B企業:パートナーポータルの活用
導入企業例:ソフトウェア企業(SaaS)
■導入前の課題
- 販売代理店が多数存在し、それぞれに異なる価格表、販促資料、営業支援ツールを提供する必要があった。
- 最新情報をメールや個別連絡で配信していたため、情報管理が煩雑になっていた。
- 代理店の営業担当者が、必要な情報をすぐに取得できず、営業活動が非効率になっていた。
■導入後の成果
- Experience Cloudでパートナー専用ポータルを構築し、販売代理店がログインすれば、リアルタイムで最新の価格表や販促資料にアクセス可能に。
- パートナーごとにカスタマイズしたコンテンツを提供し、必要な情報だけを表示することで、情報管理の手間を大幅に削減。
- パートナー営業担当者が資料を検索する時間を短縮でき、売上が20%向上。
③ 教育機関:学生向け学習ポータル
導入企業例:私立大学
■導入前の課題
- 学生向けの情報共有が紙ベースで行われており、試験情報や教材の配布に時間がかかる。
- 学生からの質問が多数発生し、教員や事務スタッフの対応負担が増加。
- 既存の学習管理システム(LMS)との連携ができず、データ管理が煩雑だった。
■導入後の成果
- Experience Cloudで学生向けのポータルサイトを構築し、シラバス・教材・試験日程などを一元管理。
- FAQ機能を導入し、よくある質問を自動回答する仕組みを整備し、教員の対応負担を削減。
- LMSとAPI連携し、学生がポータルから直接課題の提出や成績確認ができるようになった。
④ 医療業界:患者向けヘルスポータル
導入企業例:大手医療機関
■導入前の課題
- 患者とのコミュニケーションを電話やFAXで行っており、予約管理や診察結果の共有が非効率だった。
- 医師の説明を理解しきれずに、後から問い合わせをする患者が多発。
- 医療機関のシステムと患者側の情報が分断されており、診療履歴の管理が困難だった。
■導入後の成果
- Experience Cloudを活用し、患者向けヘルスポータルを導入し、診察予約・検査結果の確認をオンラインで完結できるように。
- AIチャットボットを活用し、診察後のよくある質問を自動回答する仕組みを構築。
- 患者の診療履歴を一元管理し、必要な情報にアクセスしやすくなった。
Salesforce Experience CloudとCommunity Cloudの違いは?
Salesforce Experience Cloudは、旧Community Cloudの進化版であり、基本的な概念は同じですが、以下のような拡張が加えられました。
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Salesforce Experience Cloudの料金はいくら?
Experience Cloudの料金は、主にライセンスの種類とユーザー数に応じて決定されます。
一般的なライセンスには以下のような種類があります。
ライセンス種別 | 主な用途 | 価格の目安(参考) |
---|---|---|
Customer Community | 顧客向けポータル | ユーザー数に応じた従量課金制 |
Customer Community Plus | 顧客向けポータル(レポートや権限管理強化) | ユーザー単位の月額料金 |
Partner Community | 代理店・販売パートナー向け | ユーザー単位の月額料金 |
External Apps | カスタムアプリ向け | 利用規模に応じた料金設定 |
価格の決定要素
- ユーザー数:ライセンスによっては「同時ログインユーザー数」による料金設定がある。
- 機能の種類:レポート機能、権限管理、API利用制限によって異なる。
- 契約内容:年間契約か月単位契約かによって価格が変動。
Salesforce Experience Cloudのカスタマイズにはプログラミング知識が必要?
Experience Cloudでは、プログラミング不要のカスタマイズと、開発が必要なカスタマイズの両方が可能です。
プログラミング不要で可能なカスタマイズ
- Experience Builder:ドラッグ&ドロップでページレイアウトを変更。
- 標準コンポーネント:ナビゲーション、フォーム、検索機能などを簡単に追加可能。
- テンプレートの適用:FAQサイト、パートナーポータルなど、用途別テンプレートが利用可能。
開発が必要なカスタマイズ
- LWC(Lightning Web Components):独自のUIコンポーネントを作成。
- Apex:バックエンドロジックを開発し、データ処理を自動化。
- API連携:外部システム(ERP、マーケティングツールなど)とデータを同期。
例えば、「顧客の行動履歴を元に、おすすめ商品を表示する機能を追加したい」場合、LWCやApexを用いたカスタマイズが必要になります。
Experience Cloudは外部システムと連携できる?
Experience CloudはAPIやSalesforceコネクタを活用することで、さまざまな外部システムと連携できます。
ここでは、連携できる外部システムと連携方法を確認していきましょう。
連携可能な外部システム
- ERP(SAP、Oracle ERPなど):発注管理や在庫データをExperience Cloudで表示可能。
- マーケティングツール(Marketing Cloud、HubSpot):ユーザーの行動データを活用し、パーソナライズされたコンテンツを提供。
- eコマース(Shopify、Magentoなど):顧客がExperience Cloud内で購入履歴を確認可能。
- カスタマーサポートツール(Zendesk、Freshdeskなど):顧客の問い合わせをExperience Cloudから直接管理可能。
連携方法
- Salesforce API:REST API / SOAP API を利用して、データの取得・更新を実行。
- Salesforce Connect:外部データをSalesforce内で仮想オブジェクトとして表示。
- ミドルウェアの利用(MuleSoftなど):異なるシステム間のデータ統合を効率化。
例えば、マーケティングオートメーションツールと連携することで、Experience Cloud上で顧客の閲覧履歴に応じたコンテンツを動的に表示することができます。
Experience Cloudのセキュリティ対策は?
Experience Cloudでは、強力なセキュリティ機能を提供しており、不正アクセスやデータ漏洩を防止できます。
Experience Cloudの主なセキュリティ機能
- MFA(多要素認証):不正ログインを防止。
- SSO(シングルサインオン):企業の認証システムと統合し、アクセスを統一管理。
- プロファイルと権限セット:ユーザーごとにアクセスできる情報を制限。
- データ暗号化:機密データを暗号化して保存。
- 監査ログ:システム上のアクションを記録し、アクセス履歴を管理。
例えば、パートナーポータルを運用する場合、SSOとMFAを組み合わせることで、外部ユーザーの不正ログインを防ぐことが可能です。
まとめ
Salesforce Experience Cloudは、顧客、パートナー、従業員との効果的なコミュニケーションと情報共有を実現する強力なプラットフォームです。その多機能性と柔軟性により、企業は独自のニーズに合わせたコミュニティを構築し、ビジネスプロセスの効率化と顧客満足度の向上を図ることができます。
本記事では、Experience Cloudの主要機能・導入手順・活用事例・注意点・よくある質問について詳しく解説しました。これらの情報が、貴社のExperience Cloud導入・活用の一助となれば幸いです。
Experience Cloudの導入や活用に関してご不明な点やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。Strh株式会社は、Salesforceの導入支援から定着化・活用支援まで、包括的なサービスを提供しております。
Salesforce Experience Cloudの導入・活用ならプロにご相談ください
- 顧客やパートナー向けのポータルサイトを構築し、情報共有をスムーズにしたい
- FAQサイトでサポート業務を効率化し、顧客満足度を向上させたい
- 既存のSalesforce環境を活かしながら、Experience Cloudを導入したい
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執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloudアドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagementスペシャリスト
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagement コンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント
Salesforce認定Data Cloudコンサルタント