Salesforce Inspector Reloadedとは?設定方法からエラー発生時の対処方法まで徹底解説!

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Salesforce Inspector Reloadedとは?設定方法からエラー発生時の対処方法まで徹底解説!

この記事でわかること

  • Salesforce Inspecter Relodedとは何か?Salesforce標準機能との違い
  • Salesforce Inspecter Relodedの導入方法と使い方
  • Salesforce Inspecter Relodedが表示されない場合の対処法
  • Salesforce Inspecter Relodedを使用する際の注意点

執筆者 コンサルタント 李瑞毅

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Salesforceは、多くの企業が業務効率化や顧客管理のために導入しているCRM(顧客関係管理)ツールです。その柔軟性と強力な機能は、営業、マーケティング、カスタマーサポートなどのさまざまな部門で活用されています。しかし、データ量が膨大になりがちなSalesforceでは、データの操作や管理に手間取ることが少なくありません。

それらの作業を効率的に行うためのツールとして、「Salesforce Inspector」というブラウザ拡張機能が多くのユーザーに利用されてきました。しかし、最近ではその機能を強化・改良した「Salesforce Inspector Reloaded」が登場し、注目を集めています。

本記事では、Salesforce Inspector Reloadedの特徴や導入方法、基本的な使い方、そして表示されない場合の対処法などを徹底解説します。

Salesforceの膨大なデータを効率的に操作・管理したいご担当者様は、ぜひ本記事を参考にしてください。

まず、Salesforceについて詳しく知りたいという方は、こちらの記事からご確認ください。
参照:Salesforce(セールスフォース)とは?製品群や機能、メリット・デメリットを簡単に解説!

Salesforce Inspector Reloadedとは

Salesforce Inspector ReloadedはオープンソースのChrome拡張機能であり、標準機能では難しいSalesforceのデータ操作やメタデータの確認、クエリの実行などをブラウザ上で簡単に行うことができます。

特にオブジェクトの全項目や関連オブジェクトの参照したいとき、SOQLでのデータ絞り込み、出力が素早く簡単に行うことができます。

Salesforce Inspectorからバージョンアップした背景

元々「Salesforce Inspector」という拡張機能が2013年にSøren Krabbe氏によって開発され、その利便性から多くのユーザーに利用されてきましたが、開発の停止やバグの存在が課題となっていました。特に、SOQLエディタでの余分なカンマの挿入などのバグがユーザーの生産性を低下させていました。

そこで、コミュニティの開発者たちがこれらの問題を解決し、さらに新機能を追加したのが「Salesforce Inspector Reloaded」です。

現在はオープンソースプロジェクトとしてGitHub上で公開されており、コミュニティの協力によって継続的にバージョンアップされています。

Salesforce Inspector ReloadedとSalesforceの標準機能との違い

Salesforceの標準機能でもデータのインポート(取込)・エクスポート(取得)やクエリの実行は可能ですが、操作手順が多く効率的とは言えません。一方、Salesforce Inspector Reloadedを使用することで、ブラウザ上で迅速にこれらの操作を行うことができ、開発者や管理者の生産性を大幅に向上させることができます。

また、メタデータの検索やユーザー代理ログインなど、標準機能にはない便利な機能も備えています。

項目Salesforce Inspector ReloadedSalesforceの標準機能
機能概要Chrome拡張機能として提供されるデータ管理ツールSalesforceに組み込まれた公式機能
クエリ実行SOQLを使用して直接クエリを実行標準レポート機能でフィルタリング可能
データエクスポート高速なデータエクスポートが可能レポート機能やデータローダーを使用
データインポート直接データの編集やアップロードが可能手動入力またはデータローダ、インポートウィザードが必要
オブジェクト・レコードの検索クエリベースで素早く検索・フィルタ可能レポート機能や標準の検索機能を利用
APIの活用API経由でのデータ取得・操作が可能ApexやAPIツールを別途使用する必要あり
UIシンプルで直感的なUIを提供Salesforceの標準画面に準拠
カスタマイズ性拡張機能の追加やSOQLクエリの活用が可能設定の範囲内でカスタマイズ可能
対象ユーザー開発者・管理者向け一般ユーザーも利用可能
導入ハードルChrome拡張機能をインストールするだけで利用可能標準機能のため特別な導入不要
価格無料Salesforceライセンスに含まれる

Salesforce Inspector Reloadedの主要機能

続いて、Salesforce Inspector Reloadedの主要機能についてご紹介します。

Salesforce Inspector Reloadedを活用することで、データの使用が簡単に行えるようになり、業務負担を大幅に削減することができます。

クエリの実行とエクスポート

SOQLクエリをブラウザ上で直接実行し、結果を即座に確認できます。また複雑なクエリのテストやデータの検証が容易になり、またこれらのデータを簡単にエクスポートできます。

実行結果はCSVやJSON形式でダウンロード可能で、データ分析やバックアップに役立ちます。

インポート

CSVファイルを使用して、ブラウザ上からSalesforceにデータをインポートできます。データローダーを起動する必要がなく、ブラウザ上で迅速にデータの追加や更新が行えます。

メタデータを確認する

オブジェクトや項目のAPI参照名、レコードタイプIDなどのメタデータ情報を簡単に確認できます。開発や設定作業時に、これらの情報を迅速に取得できるため、効率的な作業が可能です。

ユーザーの代理ログイン

特定のユーザーとして代理ログインできます。設定のユーザー一覧ページにアクセスすることなく、任意のユーザー情報を検索し、代理ログインが可能です。テストフェーズやトラブルシューティング時に非常に便利です。

ショートカットタブを設定する

設定やメタデータへの迅速なアクセスを提供するショートカットタブを備えています。これにより、頻繁に使用する設定ページやメタデータにワンクリックでアクセスでき、作業効率が向上します。

Salesforce Inspector Reloadedの導入方法

Salesforce Inspector Reloadedの主要機能を確認したところで、実際の導入方法について確認していきましょう。

インストール手順

まずは、インストールの手順をご紹介します。

1.Chromeウェブストアにアクセスし、「Salesforce Inspector Reloaded」を検索します。

Chromeウェブストアで「Salesforce Inspector Reloaded」を検索します

2.「Chromeに追加」ボタンをクリックし、拡張機能をインストールします。

「Chrome」をクリックし「Salesforce Inspector Reloaded」をインストールします

使用開始

インストール後、Salesforceにログインしている状態でSalesforce Inspector Reloadedを開けば、すぐに使用を開始できます。特別な設定は不要ですが、必要に応じてSOQLクエリの設定をカスタマイズできます。

1.Salesforceにログインします。

2.ブラウザの右上に表示される「Salesforce Inspector Reloaded」のアイコンをクリックします。

右上に「Salesforce Inspector Reloaded」のアイコンが表示されます。

3.サイドパネルが表示され、各種機能にアクセスできます。

Salesforce環境上にサイドパネルとして「Salesforce Inspector Reloaded」があります

Salesforce Inspector Reloadedの基本的な使い方

次に、Inspector Reloadedの基本的な使い方をご紹介します。

クエリの使用とデータのエクスポート

1.サイドパネルから「Data Export」を選択します。

サイドパネルから「Data Export」を選択します。

2.SOQLクエリを入力し(例:SELECT Id , Name ,Company FROM Lead)、「実行」ボタンをクリックします。

SOQLクエリを入力し(例:SELECT Id , Name ,Company FROM Lead)、「実行」ボタンをクリックします。

3.結果が表示され、「Excel」や「CSV」、「JSON」形式でコピーまたは「CSV」形式でダウンロードします。

結果が表示され、「Excel」や「CSV」、「JSON」形式でコピーまたは「CSV」形式でダウンロード

データのインポート

1.サイドパネルから「Data Import」を選択します。

サイドパネルから「Data Import」を選択します。

2.インポートするオブジェクトを選択します(例:取引先、商談など)。

インポートするオブジェクトを選択します(例:取引先、商談など)。

3.CSVファイルを開き、インポートしたい内容をコピーし赤枠にペーストします。

CSVファイルを開き、インポートしたい内容をコピーし赤枠にペーストします。

4.CSVファイルファイル内のヘッダー行とSalesforce上の項目を紐づけるためのマッピングを設定します。

CSVファイルファイル内のヘッダー行とSalesforce上の項目を紐づけるためのマッピングを設定します。

5.「実行」ボタンをクリックすると、データがSalesforceにアップロードされます。

「実行」ボタンをクリックする。
再度「実行」ボタンをクリックする。

6.インポート完了の結果でインポートされた状況が確認できます。

インポート完了の結果でインポートされた状況が確認できます。

メタデータを確認する

1.Salesforce環境上で確認したいオブジェクトのリストビューまたは詳細画面を開いた状態でサイドパネルの「メタデータ」タブを開きます。

Salesforce環境上で確認したいオブジェクトのリストビューまたは詳細画面を開いた状態でサイドパネルの「メタデータ」タブを開きます。

2.API参照名やフィールド情報などのメタデータが一覧表示されます。

API参照名やフィールド情報などのメタデータが一覧表示されます。

ユーザーの代理ログインを行う

1.サイドパネルから「Users」タブを開きます。

サイドパネルから「Users」タブを開きます。

2.代理ログインするユーザーの名前を入力し、検索しユーザーを選択します。

代理ログインするユーザーの名前を入力し、検索しユーザーを選択します。

3.「LoginAs」ボタンをクリックすると、そのユーザーとしてSalesforceにアクセスできます。

「LoginAs」ボタンをクリックすると、そのユーザーとしてSalesforceにアクセスできます。

ショートカットでページを移動する

1.サイドパネルから「Objects」タブを開くと、よく使う設定ページへのリンクが表示されます。

サイドパネルから「Objects」タブを開くと、よく使う設定ページへのリンクが表示されます。

2.クリックすると、Salesforceの該当ページにすぐに移動できます。

Salesforce Inspector Reloadedが表示されない場合の対処法

さまざまなことができ作業を効率化してくれるSalesforceのInspector Reloadedですが、使用しようと思っても表示されないことがあります。

その場合、考えられる原因が4つありますので以下の手順で確認してみましょう。

拡張機能が無効化されている

1.Chromeの「拡張機能」管理画面(chrome://extensions/)を開く。

2.「Salesforce Inspector Reloaded」が無効になっている場合、「有効にする」スイッチをオンにする。

「有効にする」スイッチをオンにする。

Salesforceへのログイン状態が切れている

1.Salesforceに再ログインする。

2.ページを更新し、拡張機能を再起動する。

ブラウザのキャッシュやCookieの問題

1.Chromeの設定(chrome://settings/privacy)から「キャッシュ」と「Cookie」を削除する。

Chromeの設定(chrome://settings/privacy)から「キャッシュ」と「Cookie」を削除

する。

2.ブラウザを再起動しSalesforceに再ログインする。

Salesforceのインスタンスが変更されている

1.SalesforceのURLを確認し、正しい環境(sandbox、本番環境など)にアクセスしているかチェックする。

2.拡張機能を一度削除し、再インストールする。

Salesforce Inspector Reloadedを使用する際の注意点

Salesforce Inspector Reloadedを使用する際の注意点

最後に、Inspector Reloadedを使用する際の注意点についてご紹介します。

誤ったマッピングによってデータを損失する可能性がある

データのインポートや更新時に誤ったマッピングを行うと、データが上書きされる可能性があります。

そのため、事前にバックアップを取ることを推奨します。

適切なアクセス権限の設定が求められる

代理ログイン機能を使用する場合、管理者が適切な権限を設定する必要があります。

データエクスポート機能は機密情報を扱うため、アクセス管理を徹底しましょう。

シークレットモードで使用できない

Chromeのシークレットモードでは拡張機能が無効化されていることがあるため、通常モードで使用してください。

まとめ

本記事ではSalesforce Inspector Reloadedについて、その特徴や標準機能との違い、導入方法、基本的な使い方を解説してきました。

Salesforceのデータ管理やメタデータ確認、SOQLクエリの実行を効率化できるイメージはお持ちいただけたでしょうか?

Salesforceには標準機能としてもデータエクスポートやクエリツールが備わっていますが、Salesforce Inspector Reloadedを活用することで、より迅速かつ簡単に操作を行うことができます。

まずは日常業務の一部でも良いので、データの取得やクエリの実行を試してみて、必要に応じて徐々に活用の幅を広げていくことが重要です。

本記事で紹介した内容を参考に、自社のSalesforce運用にSalesforce Inspector Reloadedを活用してみてください。

また、自社のSalesforce環境の運用を見直す際に、どのような設定や拡張機能を活用すれば業務効率をさらに向上できるのか、具体的な方法やアドバイスについてご興味・ご関心がある方は、ぜひストラへお問い合わせくださいませ。

ストラではSalesforceの各種機能や拡張ツールが、お客様の目指す業務改善に対して有効に機能しているのか、業務フローにマッチしているのかを分析し最適な環境設定や運用をご支援いたします。

また、ストラのSalesforce導入支援や定着化支援、開発支援について、さらに詳しく知りたい方はこちらのページで紹介しています。

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執筆者 コンサルタント 李瑞毅

東京理科大学を卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。
Webマーケティングコンサルタントとして、保険代理業、不動産業、専門学校などの幅広い業界でリスティングやSNS広告、Webサイト改善等のデジタルマーケティング支援に従事。その後、建設業界を中心にCRMおよびMA(マーケティングオートメーション)システムの導入・活用支援プロジェクトを主導。これに加えて、営業およびマーケティング支援業務にも従事。
2024年12月Strh株式会社に入社し、CRMコンサルタントとして、CRMやMAツールなどテクノロジー導入・活用支援を行っている。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Account Engagementスペシャリスト
ZOHO認定マーケッター
ZOHO認定DX推進コンサルタント
ZOHO認定MA CRM・SFA チャットボットスペシャリスト

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