Quipとは?Salesforceが提供するQuipで実現できることやSalesforceとの連携方法まで徹底解説

この記事でわかること
- Salesforce Quipの必要性と実現できること
- Salesforce Quipの実践活用例
- Salesforce Quipの導入方法と高度な設定、カスタマイズ方法
- Salesforce Quipの料金プラン
- Salesforce Quipのよくあるトラブルとその解決策

執筆者 コンサルタント 李瑞毅
Salesforceの導入や活用のお困りごとはプロにご相談ください
- Salesforceの環境が自社の業務フローに適していないが、改善方法が分からない
- 社員同士の情報共有を活発化し、チームのコラボレーションを促進させたいがよい方法が分からない
- リモートワークの業務内容を可視化させ、チーム運営を円滑にしたいがシステムを上手く作れていない
Salesforceを活用して、業務効率を向上させたいと考えていませんか?
- Salesforce環境の業務フローを最適化し、チームのコラボレーションを促進したい
- リモートワークでも円滑なチーム運営を実現し、プロジェクトの進捗を可視化したい
- 営業チームの情報共有をスムーズにし、商談のスピードと成約率を向上させたい
このような課題を解決するのがSalesforce社が提供するコラボレーションツールのQuipです。
本記事では、「Salesforce Quipとは何か?」という基本的な疑問から、Salesforceとの連携方法、具体的な業務での活用例まで、Quipを最大限に活用するための情報を網羅的に解説します。
まずはSalesforceに関する詳しい内容について知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
参照:Salesforce(セールスフォース)とは?製品群や機能、メリット・デメリットを簡単に解説!
SalesforceのQuipとは
Salesforce社が提供するQuipは、ドキュメント、スプレッドシート、タスク管理、チャット機能を統合したコラボレーションプラットフォームです。Salesforceとの統合によりリアルタイムでCRMデータを活用しながら、チームで効率的に協働作業を進めることができます。
Quipの必要性が高まった背景
新型コロナウイルスの感染拡大以降、リモートワークが急速に普及しました。これによりオンラインでの共同作業を基本とした働き方が求められるようになり、場所や時間に縛られないデジタルワークスペースの必要性が高まっています。
従来のドキュメントツールではバージョン管理の煩雑さ、コミュニケーションの分断、情報共有の遅延など、リモートワークにおける様々な課題が顕在化しました。
Salesforce Quipはこれらの課題を解決するために開発され、リモートワーク環境下でのチームコラボレーションと生産性向上を後押しします。
Quipで実現できること
Salesforce Quipを導入することでチームは場所や時間にとらわれず、リアルタイムかつ効率的に協働作業を進めることができます。ここではQuipで実現できる主な機能とメリットをご紹介します。
リアルタイム共同編集
Quipのドキュメントとスプレッドシートはクラウド上で管理され、複数メンバーが同時にアクセスして編集できます。編集内容はリアルタイムで反映されるため、常に最新の情報を共有しながら、スムーズな共同作業が可能です。
主なメリット
- バージョン管理の効率化: 常に最新版がクラウド上で管理されるため、ローカルファイルでの煩雑なバージョン管理が不要になります。
- 編集ミスの防止:過去の変更履歴を簡単に確認できるため、編集ミスや意図しない変更を迅速に特定し、修正することができます。
- 場所や時間を問わない共同作業:リモートワーク環境でも、オフィスにいるかのようにリアルタイムで共同編集作業を進めることができます。
Salesforceとのリアルタイム連携
Salesforce Quipの最大の特長はSalesforceとの連携機能です。
Quipドキュメント内にSalesforceの顧客データや商談情報などのCRMデータを埋め込み、常に最新の情報を参照しながら、ドキュメント作成や営業戦略の立案が可能です。
Salesforce連携における主な機能
- CRMデータ埋め込み:Salesforceのレポート、リストビュー、レコードなどをQuipドキュメントに直接埋め込み、常に最新情報を表示できます。
- 双方向同期:QuipドキュメントからSalesforceレコードを直接編集したり、逆にSalesforceからQuipドキュメントを更新したりと、双方向のデータ連携が可能です。
- 営業・プロジェクト管理の効率化: Salesforceデータに基づいた営業戦略ドキュメントやプロジェクト計画書をQuipで作成し、進捗状況をリアルタイムに可視化できます。
モバイル・オフライン対応
QuipはPC、スマートフォン、タブレットなど様々なデバイスに対応しています。専用のモバイルアプリ(iOS、Android)を利用すれば、外出先や移動中でもドキュメントの閲覧や編集が可能です。
オフライン環境でもドキュメントの編集作業が可能で、オンライン復帰後に自動で同期されるため場所を選ばずに作業を継続できます。
タスク管理機能
Quipにはタスク管理機能が組み込まれており、ドキュメント内でタスクの割り当て、期限設定、進捗状況の管理が可能です。
新しいチェックリスト機能ではタスクの担当者と期日を明確に設定し、タスク完了状況をチーム全体で可視化できます。Salesforceワークフローとの連携により、タスクの完了状況をSalesforceに自動的に同期させることも可能です。
テンプレート機能
Quipには豊富なテンプレートが用意されており、様々な業務シーンで活用できます。
営業提案書、プロジェクト計画書、議事録、タスク管理リストなど、業務に必要なドキュメントをテンプレートから簡単に作成し、標準化されたフォーマットで効率的に業務を進めることができます。
主なテンプレートとして以下のようなものが用意されています。
- 営業:提案書、顧客管理、営業戦略
- プロジェクト管理:プロジェクト計画書、タスク管理、進捗報告
- 人事関連:採用プロセス、オンボーディング、人事評価
- その他:議事録、ブレインストーミング
Quipテンプレートギャラリー では、様々なテンプレートが公開されていますので、ぜひご確認ください。
Quipの実践活用例
Quipは様々な業務シーンで活用できます。ここでは具体的な活用例をいくつかご紹介します。
手順書の作成と共有
新入社員のオンボーディング手順や各種申請手続き、営業プロセスなど、社内業務の手順書をQuipで作成し、社内メンバーに共有することで業務効率化と標準化を実現できます。
Quipで作成された手順書は常に最新の状態に保たれ、検索機能により必要な情報を迅速に見つけられます。新入社員は手順書を参照することで、先輩社員に都度確認することなくスムーズに業務を進めることができます。
勉強会での活用例共有
社内外の勉強会にてQuipを活用するのも有効な有効な活用方法の1つです。
例えば、Quipの効果的な活用方法を社内に広めるために勉強会を開催し、Quipの推進担当者がアカウントプランニングや商談管理、顧客とのコラボレーション事例など、具体的な活用例をQuipベースで共有します。
勉強会で共有された活用例はQuipドキュメントとして蓄積され、それらをテンプレート化することで全社的なベストプラクティスとして管理・展開することができます。その結果、組織全体のSalesforce Quip活用レベルを底上げすることにも繋がります。
中途入社社員に向けたタスクリストの作成
中途入社社員向けに入社手続きやチーム紹介、研修スケジュールなど、オンボーディングに必要なタスクをリスト形式でQuipドキュメントとして作成することにもQuipを活用することができます。
Quipで作成したタスクリストを中途入社社員に共有することで、中途入社社員は自身でタスクの進捗状況を確認しながら、スムーズにオンボーディングを進めることができます。
管理者はタスクリストを通じて、中途入社社員の進捗状況をリアルタイムに把握し、必要なサポートを実施することができます。
実際、Salesforce社内でも中途入社社員向けにQuipのタスクリストを活用しており、新しい社員がQuipに慣れるきっかけにもなっているとのことです。
Quipの導入方法
それでは、Quipはどのように導入を進めていくのでしょうか。ここではQuipの導入プロセスをご紹介します。
初期設定
まずは、Salesforce Quipのトライアルに申し込むか、製品版を契約します。Salesforceの契約プランによっては製品にQuipがバンドルされている場合がありますので、Salesforce営業担当に確認してみましょう。
契約完了後、Quipのウェブサイト にアクセスしアカウントを作成、またはSalesforceアカウントでログインします。
Quip管理画面からチームメンバーを招待し、必要なメンバー全員がQuipを利用できるようにします。
SalesforceとQuipの連携設定
SalesforceとQuipを連携させることで、Quipのドキュメント内でSalesforceデータを活用できるようになります。連携設定はQuip管理画面から簡単に行えます。
1.Quipの管理者アカウントでログインします。
2.「Admin Console」 > 「Salesforce」 を選択しSalesforce連携設定画面を開きます。次に「Connect to Salesforce」をクリックしSalesforce組織への接続を開始します。
3.連携するSalesforce組織のログイン情報を入力し、Quipからのアクセスを許可します。
4.連携が完了するとQuipドキュメント内でSalesforceデータが利用可能になります。
設定自体はとてもシンプルで簡単な内容ですので是非皆様もお試しください。
更に詳細の設定についてはSalesforceヘルプドキュメント Salesforce と Quip の接続 をご参照ください。
Quipの料金プラン
Quipには組織の規模やニーズに合わせて選べる、複数の料金プランが用意されています。
高度な設定とカスタマイズ方法
Quipを最大限に活用するためにはエンタープライズ向けのより高度な設定を理解し、組織のニーズに合わせてカスタマイズすることが重要です。ここではQuipの高度な設定とカスタマイズ方法について解説します。
セキュリティとアクセス管理
ユーザーごとの権限管理
Quipでは3種類のユーザー権限 (閲覧・編集・管理者) を設定し、組織内の情報セキュリティを強化できます。
- 閲覧:ドキュメントの閲覧のみを許可する権限
- 編集:ドキュメントの編集・コメントを許可する権限
- 管理者:ドキュメントの編集・削除・共有・ユーザー管理など、すべての権限を持つ権限
■ユーザー権限の設定手順
1. Quip管理画面にログインします。
参照:Salesforceヘルプページ:管理コンソール、Salesforce Anywhere (Quip)
2. 権限設定を行いたいドキュメントまたはフォルダを選択します。
3. 右上の「共有」ボタンをクリックし、「共有設定」画面を開きます。
4. ユーザーまたはグループごとに権限レベルを選択し、「完了」をクリックします。
監査ログの設定
監査ログ(Audit Log)を活用すると、誰が・いつ・どのファイルにアクセスしたかを記録できます。監査ログを有効にすることで不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減し、内部統制を強化できます。
■監査ログの設定手順
1.Quip管理画面にログインします。
2.左メニューの「Security」>「Audit Log」を選択します。
3.「Enable Audit Log」オプションを有効にします。
4.監査対象 (アクセス履歴、ダウンロード履歴など) を設定し、「Save」をクリックします。
シングルサインオン(SSO)の導入
シングルサインオン(SSO)を設定するとSalesforceやOktaなどのID管理システムと連携し、Quipへのログイン認証を一元化できます。SSOを導入することでユーザーは複数のIDとパスワードを管理する手間が省け、セキュリティリスクを低減できます。
■SSOの設定手順
1.Quip管理画面にログインします。
2.左メニューの「Security」>「SSO」を選択します。
3.「SSO設定」画面で、利用するID管理システム(Okta、Microsoft Azure ADなど)を選択します。
4.ID管理システム側の設定手順に従い、Quipとの連携設定を行います。
5.Quip側の設定画面で、ユーザー認証ポリシーを設定し、SSOを有効化します。
Quipと外部ツールとの連携
QuipはAPI連携やZapier/Workatoなどの連携ツールを活用することで、Salesforce以外の外部ツールとも連携できます。
API連携を活用したSalesforceの自動更新
SalesforceとQuipをAPI経由で連携すると、特定のイベント発生時にQuipのデータを自動更新できます。
例えば、Salesforceで商談フェーズが更新された際にQuipの営業戦略ドキュメントの情報を自動的に更新したり、Salesforceで新規リードが作成された際に、Quipでウェルカムドキュメントを自動作成する、といった連携が可能です。
API連携の設定手順(Salesforceの場合)
1. Salesforce Developer Consoleを開きます。
2. Quip APIキーを取得します。Quipのアカウントにログインし、API設定からAPIキーを生成します。このキーは後のステップで必要になります。
3. SalesforceのREST APIを利用して、Quip APIを呼び出す連携処理を実装します。YOUR_QUIP_API_KEYに手順2で取得したAPIキーを入れてください
4. Salesforceのトリガーやフローを設定し、特定のイベント発生時にAPI連携処理が実行されるように設定します。
※後述のワークフローの自動化セクションに例示があります。
これで、SalesforceとQuipのAPI連携が設定されました。特定のイベントが発生した際に、Quip APIが呼び出されるようになります。
カスタム通知の作成
Quipでは特定の条件が満たされた際に、Quip内で自動通知を送ることができます。
例えば、ドキュメントが更新された際に特定のメンバーにメールやQuip内通知を送付したり、タスクの期日が近づいたら担当者にリマインダー通知を送るといった設定が可能です。
■カスタム通知の設定手順
1.Quipの「通知設定」画面を開きます。
2.「カスタム通知を作成」ボタンをクリックします。
3.通知のトリガー(ドキュメントの変更、コメントの追加、タスクの期日など)を設定します。
4.通知を受け取るユーザーまたはグループを選択します。
5.通知方法(メール、Quip内通知、Slack、Teamsなど)を選択し、「保存」をクリックします。
SlackやMicrosoft Teamsとの連携
Salesforce QuipとSlackやMicrosoft Teamsを連携させることで、Quipの最新情報をSlackやTeamsで自動通知し、チーム間の情報共有をスムーズにできます。
具体的にはQuipドキュメントが作成・更新された際に、Slackの特定のチャンネルに通知したり、Quipでタスクが完了した際に、Teamsでチームメンバーに通知するといった連携が可能です。
■Slack連携の設定手順
1. Quipの管理画面を開きます。
2.「管理者」を選択し、「Slackインテグレーションを追加」をクリックします。
3. 「Slackに追加」をクリックする。
4.連携するSlackのワークスペースを選択し、「許可する」をクリックする。
5. 連携が成功するとSlack画面でQuipを開くことが出来るようになります。
ワークフローの自動化
ZapierやWorkatoなどのiPaaS(integration Platform as a Service)ツールを活用することで、Quipと様々な外部システムを連携させ業務プロセスを自動化できます。ここではいくつかの自動化例をご紹介します。
商談の進捗に応じた自動タスク割り当て
Salesforceのフローを活用することで商談フェーズが特定の段階に進んだ際に、Quip上で自動的にタスクを作成できます。
例えば「商談フェーズが「見積もり提示」になったら、Quipに「提案書作成」タスクを自動作成する」といったワークフローを構築できます。
■設定手順(Salesforceフロー)
1. Salesforceの設定からフローを開き、新規フローをクリックします。
2. 「最初から開始」を選択し、「次へ」をクリックします。
3. 「レコ―ドトリガーフロー」を選択し、「作成」をクリックします。
4. トリガーの開始条件を設定します。
- オブジェクト:商談
- トリガーを設定:レコードが更新された
- エントリ条件:いずれかの条件に一致(OR)
条件:「フェーズ」 次の文字列と一致する 「Proposal/Price Quote」
5. アクションとして「Quip APIを呼び出す」アクションを選択し、Quip API連携設定を行います。
※API連携の設定手順で作成したApexアクションを呼び出す
6. Quip API連携設定で、タスクを自動作成するQuipドキュメント、タスク名、担当者、期日などを設定します。
7. 「保存」して、フローを有効化します。
Salesforceフローについて詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご覧ください。
参照:Salesforceフローとは?基本機能からレコードトリガフローの使い方も具体例と一緒に徹底解説!
リード獲得時に自動で関連Quipドキュメントを作成
また、同じくSalesforceフローを活用することで、新規リードが作成された際に自動的に関連するQuipドキュメントを作成し、営業チームと共有できます。
例えば、「新規リードが作成されたら、Quipにウェルカムドキュメントを自動作成し、営業担当者に通知する」といったワークフローを構築できます。
■設定手順(Salesforceプロセスビルダー)
1. 事前にQuipドキュメントを作成するApexアクションを作成します。
2. Salesforceの設定からフローを開き、新規フローをクリックします。
3. 「最初から開始」を選択し、「次へ」をクリックします。
4. 「レコ―ドトリガーフロー」を選択し、「作成」をクリックします。
5. トリガーの開始条件を設定します。
- オブジェクト:リード
- トリガーを設定:レコードが作成された
6. アクションとして「Quip新規ドキュメント作成」アクションを選択し、Quip API連携設定を行います。
※「QuipDocumentService」のApexアクションを呼び出す
7. Quip API連携設定で、ドキュメントを自動作成するドキュメントタイトル、ドキュメント内容などを設定します。
8. 「保存」して、フローを有効化します。
SalesforceのApexについて詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しておりますので合わせてご覧ください。
参照:Salesforce Apexとは?Apex言語の特長や使い方、トリガとクラス、フローとの違いについても徹底解説!
ZapierやWorkatoを使用した業務効率化
ZapierやWorkatoなどのiPaaS(integration Platform as a Service)ツールを使用すると、プログラミング不要でQuipと様々な外部システムを連携させることができます。
■QuipとZapierの連携例
- QuipとGoogle Drive連携::Quipで新規ドキュメントが作成されたら、Google Driveに自動バックアップを作成する。
- QuipとTrello連携::Quipでタスクが完了したらTrelloカードを自動的に完了にする。
■QuipとWorkatoの連携例
- QuipとSalesforce連携: Salesforceで営業案件がクローズされたらQuipに成功事例ドキュメントを自動作成する。
- QuipとJira連携::Quipでバグ報告ドキュメントが作成されたらJiraに課題を自動起票する。
ZapierやWorkatoを活用することで、エンジニアがいなくてもノーコードで様々なシステム連携やワークフロー自動化を実現できます。
よくあるQuipのトラブルとその解決策
最後に、Quipを利用する上でよくあるトラブルとその解決策について、解説します。
QuipがSalesforceと同期しない
QuipとSalesforceを同期しようとすると、エラーで同期されないことがまれに発生します。その際には、SalesforceとQuipのAPI接続設定が正しく行われていない「API接続エラー」か、Salesforce側のユーザー権限が不足していることが考えられるので確認してみましょう。
■解決策
①Quip Connectの設定を確認
Quip管理者がQuip Connectの設定(SalesforceのAPI接続設定)を確認し、API接続が有効になっているかチェックします。
②ユーザー権限を確認
SalesforceとQuipの両方で、連携に必要なユーザー権限(APIアクセス権限など)が付与されているか確認します。
③ブラウザのキャッシュ・Cookieを削除 & 再ログイン
ブラウザのキャッシュやCookieを削除し、QuipとSalesforceに再ログインします。
ドキュメントが編集できない
ドキュメントが編集できない際の原因としては「編集権限が付与されていない」または「ネットワークが不安定」などの要因が考えられますので、それぞれの設定を確認してみましょう。
■解決策
①権限設定を確認
ドキュメントの共有設定を確認し、編集権限が付与されているか確認します。必要に応じて、ドキュメントのオーナーに編集権限の付与を依頼します。
②オフライン編集の可能性を確認
オフライン編集モードになっている場合、オンラインに戻るまで編集内容が同期されません。オンライン環境でQuipを利用しているか確認し、オンライン同期を待ちます。
③ネットワーク接続を確認
接続が安定しているか確認します。Wi-Fiルーターの再起動や、有線LAN接続への切り替えを試します。
Quipのロードが遅い/フリーズする
Quipの利用が拡大していくと、ロードが遅かったりフリーズしたりすることがしばしば起こります。その際は「ブラウザへのキャッシュの蓄積」や、ドキュメントに大量の画像や埋め込みオブジェクトが含まれているために起こる「大量のデータ処理」が原因として考えられるので確認してみましょう。
■解決策
①ブラウザのキャッシュ・Cookieを削除
ブラウザの設定から、キャッシュとCookieを削除し、ブラウザを再起動します。
②別のブラウザで試す
Google Chrome、Mozilla Firefox、Safariなど、別のブラウザでQuipにアクセスし、動作が改善されるか確認します。
③Quipのデスクトップアプリ版を使用
ブラウザ版ではなく、Quipのデスクトップアプリ版(Mac/Windows)を利用すると、動作が改善される場合があります。
モバイルアプリで同期されない
モバイルアプリでQuipが同期されない場合は「ネットワークが安定しているか」「アプリのバージョンが最新であるか」をまずは確認しましょう。
■解決策
①Wi-Fiやモバイルデータ接続を確認
モバイルデバイスがWi-Fiまたはモバイルデータに接続されているか確認します。電波状況が悪い場合は、場所を移動したり、Wi-Fiルーターを再起動したりします。
②アプリの最新バージョンにアップデート
App StoreまたはGoogle Playストアから、Quipモバイルアプリを最新バージョンにアップデートします。
③アプリの再起動
Quipモバイルアプリを完全に終了し、再度起動します。
まとめ
Quipはチームコラボレーションと業務効率化を強力に支援するツールです。本記事では、Quipの基本機能から高度な設定、活用事例、トラブルシューティングまで、Quipを最大限に活用するための情報を網羅的に解説しました。
Quipを導入することでリモートワーク環境下でも、チームは場所や時間にとらわれずリアルタイムかつ効率的に協働作業を進めることができます。ぜひ、本記事を参考にSalesforce Quipを導入し、チームの生産性向上を実現してください。
ストラでは、この記事で解説したQuipの導入支援や設定サポート、活用コンサルティングなど、お客様のSalesforce活用に関するご支援を一貫して行っております。もし導入にお困りの際や、更なる活用方法にご興味をお持ちの場合は、お気軽にお問い合わせください。
また、ストラのSalesforce導入支援や定着化支援、開発支援について、さらに詳しく知りたい方はこちらのページで紹介しています。
Salesforceの導入や活用のお困りごとはプロにご相談ください
- Salesforceの環境が自社の業務フローに適していないが、改善方法が分からない
- 社員同士の情報共有を活発化し、チームのコラボレーションを促進させたいがよい方法が分からない
- リモートワークの業務内容を可視化させ、チーム運営を円滑にしたいがシステムを上手く作れていない


執筆者 コンサルタント 李瑞毅
東京理科大学を卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。
Webマーケティングコンサルタントとして、保険代理業、不動産業、専門学校などの幅広い業界でリスティングやSNS広告、Webサイト改善等のデジタルマーケティング支援に従事。その後、建設業界を中心にCRMおよびMA(マーケティングオートメーション)システムの導入・活用支援プロジェクトを主導。これに加えて、営業およびマーケティング支援業務にも従事。
2024年12月Strh株式会社に入社し、CRMコンサルタントとして、CRMやMAツールなどテクノロジー導入・活用支援を行っている。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Account Engagementスペシャリスト
ZOHO認定マーケッター
ZOHO認定DX推進コンサルタント
ZOHO認定MA CRM・SFA チャットボットスペシャリスト