Salesforce Trustで障害情報をリアルタイムで把握!確認できる内容や確認方法を紹介

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Salesforce Trustで障害情報をリアルタイムで把握!確認できる内容や確認方法を紹介

この記事でわかること

  • Salesforce Trustの基本と、稼働状況・障害情報・メンテナンス予定・セキュリティ情報など確認できる内容
  • 自社Salesforceのインスタンスを特定する方法と、Trustサイト上でリアルタイムにステータスを確認する手順
  • Salesforce Trustの通知設定方法と、通知カテゴリ・更新レベルの選択による情報フィルタリングの最適化手順

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

Salesforceの稼働監視や障害対応でお困りの方は、Strhにご相談ください

  • Salesforce Trustの見方やインスタンスの特定方法がわからず、障害発生時にすぐ対応できない
  • メンテナンスや障害通知を受け取っていないため、業務影響が出てから気づいてしまう
  • 稼働率や障害履歴の活用方法が分からず、SLA評価や運用改善に活かせていない
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Salesforceを活用する多くの企業にとって「システムが正常に動作しているか」は日々確認すべき重要事項です。業務に欠かせないクラウドサービスであるSalesforceは、障害やパフォーマンスの問題が発生すると、その影響が社内外にも広がるリスクがあるため稼働状況をリアルタイムで把握できる手段が求められています。

そこで活用したいのがSalesforce Trustです。Salesforce TrustはSalesforce公式が提供する稼働状況や障害情報、メンテナンス予定、セキュリティ情報などをリアルタイムで確認できる信頼性の高い情報サイトです。

本記事では、Salesforce Trustの各ページ(ステータス・メンテナンス情報・障害履歴)の意味を正しく理解し、組織情報画面からインスタンスの現在の状態を確認する方法、障害発生時にすぐ気づける通知の設定方法、業務に必要な情報だけを受け取るための通知フィルターの使い方を解説します。本記事を読むことで、Salesforceを安心して運用し続けるために必要な情報管理スキルを身につけられます。

Salesforceに関する詳しい内容について知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

参照:Salesforce(セールスフォース)とは?製品群や機能、メリット・デメリットを簡単に解説!

Salesforce Trustとは

Salesforce TrustはSalesforceが公式に提供するシステムの稼働状況や障害情報、メンテナンス予定、セキュリティ関連の情報をリアルタイムで確認できる情報ポータルサイトです。

Salesforceは営業やマーケティング、カスタマーサポートなど日々の業務を支える重要なシステムです。そのため、取引先との商談中に突然システムが重くなったり、定期メンテナンス中にレポート出力ができなくなったりといった事態を避けるためにも、常にシステムの稼働状況や障害情報に注意を払っておくことが求められます。

Salesforce Trustではインスタンス単位でステータスを確認できるほか、障害発生時の影響範囲や対応状況、過去の障害履歴なども確認できます。管理者やエンジニアだけでなくSalesforceを活用するすべてのユーザーにとって信頼性と情報の透明性を確保するための必須ツールといえるでしょう。

Salesforce Trustで確認できる内容

Sales Trustで確認できる内容

Salesforce TrustではSalesforceの利用において欠かせないシステムの現在の状態や、過去に起きたトラブルの履歴、予定されているメンテナンスの日時や内容などを確認することができます。さらに、Salesforceがどのようなセキュリティ対策を行っているかもチェックできます。

特にSalesforceの運用担当者にとっては、障害発生時の初動対応を左右する情報源として非常に重要です。ここからはSalesforce Trust上で確認できる主なコンテンツを5つに分けてご紹介します。 

サービスの稼働状況

「サービスの稼働状況」では、Salesforceの各インスタンスが現在正常に稼働しているかどうかをリアルタイムで確認できます。表示されるステータスは「全て正常」「パフォーマンス低下」「障害発生」などに分かれており、自社が利用しているインスタンスの名前(例:NA123)を検索することで、すぐに状況を確認できます。

ステータスの横には詳細ページへのリンクもあり、発生している障害の内容や影響範囲、対応状況まで把握できます。Salesforceが重い、接続できないといった不調を感じたとき、まず最初に確認すべきページになります。

障害発生履歴

「障害発生履歴」では、過去に発生した障害の記録を時系列で確認できます。各インスタンスごとに、障害の発生日時、影響のあった機能、原因、復旧までにかかった時間、対応内容などが詳細に記載されています。

検索フィルターを使えば、自社インスタンスに絞って履歴を確認することも可能です。定期的に障害が発生しているか、同じインスタンスに繰り返し問題が起きていないかを把握することで、システムの安定性を評価したり、社内向けの運用報告に活用したりできます。

メンテナンス情報

「メンテナンス情報」では、今後予定されているシステムメンテナンスのスケジュールを確認できます。対象インスタンス名、実施日時、想定される影響範囲、メンテナンスの種類(計画・緊急など)が明記されており、自社業務への影響を事前に把握するのに役立ちます。

業務時間中にメンテナンスが行われる場合は、画面操作やデータ処理に制限がかかる可能性もあるため、事前の社内共有や業務調整が欠かせません。また、影響がない軽微なメンテナンスも区別して記載されているため、過度な対応を避けるためにもこのページの確認が有効です。

セキュリティ & コンプライアンス

「セキュリティ & コンプライアンス」では、Salesforceが取り組む最新のセキュリティ対策や、各種業界基準に対する対応状況を確認することができます。たとえば、ISO 27001やSOC 2といった外部認証の取得情報、データ保護ポリシー、脆弱性への対応状況などが公開されており、自社のセキュリティポリシーとの整合性をチェックする際にも役立ちます。

また、外部の審査機関による監査報告書なども閲覧できるため、情報システム部門や監査対応を担当する部門にとっては非常に重要な情報源となります。クラウド利用における「信頼性」を担保する要素をここで確認できます。

パフォーマンス & 稼働率

 「パフォーマンス&稼働率」では、Salesforceの各インスタンスが過去にどの程度安定して稼働していたかを確認できます。表示される情報には日別や月別の稼働率(アップタイム)、応答速度(レスポンスタイム)、発生した障害の件数や影響時間などが含まれています。特定の期間にパフォーマンス低下があったか、定常的に安定して動作しているかを把握することで、業務のパフォーマンスへの影響度を定量的に評価できます。

またSLA(サービスレベルアグリーメント)の確認や、ベンダーとのレビュー資料の根拠データとしても活用可能です。過去の信頼性を把握するうえで有用な指標が集約されています。

現在のインスタンス状況を確認する方法

Salesforce Trustを使って稼働状況を確認するには、まず自社のSalesforceがどのインスタンス上で動いているかを把握する必要があります。インスタンスとは、Salesforceのデータセンターにあるシステム環境のことで、各組織に固有の識別子(例:NA123、AP45など)が割り当てられています。

ここでは自社のインスタンスを確認する方法と、その情報をもとにSalesforce Trusでのステータス確認を行う手順を解説します。

組織情報画面からインスタンス情報を確認する

インスタンス名はSalesforceの「会社情報」画面から簡単に確認できます。以下の手順に従って、自社が利用しているインスタンスの識別子を確認しましょう。

■確認方法

1.Salesforceにシステム管理者権限でログイン

2.画面右上の設定(歯車アイコン)をクリックし、「設定(Setup)」を選択

3.クイック検索バーに「組織情報」と入力し、「組織情報」を選択します。
4.「組織情報(Organization Details)」セクションにスクロール
5.「インスタンス(Instance)」という項目に、英字+数字(例:NA123)の形式で表示されている

インスタンスの場所

各インスタンスのステータス確認方法

インスタンス名が確認できたら、次はSalesforce Trus上でそのインスタンスの現在のステータスを調べる手順に進みます。このステータス確認によって、障害が起きていないか、何かしらのメンテナンスが進行中かを即座に判断できます。

1.Salesforce Trust公式サイト にアクセス
2.画面上部のステータスを押した後、検索バーに自社インスタンス名(例:NA123)を入力


3.一覧から該当インスタンスを選択


4.表示されたステータス(「全て正常」「パフォーマンス低下」「障害」など)を確認

表示されたステータス

5.ステータス横のリンクから、障害内容や対応状況の詳細も確認可能

ステータスの障害状況

障害発生時のインスタンスチェック方法

Salesforceの動作に異常を感じたとき、まず確認すべきなのがSalesforce Trusで自社インスタンスの状態を見ることです。障害は特定のインスタンスだけに発生することが多く、全体ではなく自社環境に本当に影響があるのかを正しく判断するために不可欠です。

■チェックのポイントステータス表示:現在の状態(正常/障害など)が表示される

ポイントステータスの画面

■更新履歴:対応の進捗や復旧時刻が時系列で確認できる

更新履歴の画面

■影響範囲:ログインやデータ保存など、影響のある機能が明記される

影響範囲確認画面

Salesforce Trustの通知設定と最適化

Salesforce Trustでは障害やメンテナンスなどの重要情報をメールで受け取ることができます。ただし、すべての通知を受け取ると情報過多になるため、必要な情報だけを効率よく取得するための通知設定と最適化が重要です。

ここからは通知の種類ごとの特徴や設定方法、不要な通知を除外するフィルターの使い方まで順を追って解説していきます。

通知の種類

通知の種類

Salesforce Trustで受け取れる通知は大きく以下の4種類に分かれています。それぞれの特性を理解した上で、自社に必要な通知だけを選択することがポイントです。

障害通知

障害通知はSalesforceのインスタンスに障害が発生した際に送られる重要なアラートです。障害の発生時刻、影響範囲、現在の対応状況、復旧の見込みなどが記載されており、障害の初動対応に役立ちます。

特に、現場から「Salesforceが遅い」「操作できない」といった声が上がったときに、自社インスタンスが影響を受けているかどうかを判断する材料となり、通知のタイミングもリアルタイムに近く、迅速な状況把握が可能です。

メンテナンス通知

メンテナンス通知はSalesforceが定期または緊急で行うシステムメンテナンスに関する事前案内です。対象インスタンス、開始・終了予定時刻、影響の有無、メンテナンスの種類(定期/緊急)などが含まれます。

特に営業時間中に影響が出る場合は、社内調整やスケジュール変更が必要になるため、早めの確認が重要です。通知を受け取ることで「いつ、どの程度の影響があるか」が明確になり、業務計画に役立ちます。

セキュリティ通知

セキュリティ通知はSalesforceのセキュリティ関連で重要な更新や注意喚起がある場合に配信されます。たとえば、脆弱性への対応、セキュリティパッチの適用、ポリシー変更、外部からの脅威への対策などが対象です。

企業の情報システム担当者や管理者にとっては、セキュリティリスクを最小限に抑えるための重要な判断材料となります。通知を通じて早期に把握し、必要に応じた対応を速やかに行うことが求められます。

その他の通知

その他の通知にはシステム改善やパフォーマンス調整、UI変更、新機能追加など、Salesforceのサービス内容に関わる幅広いアップデート情報が含まれます。

これらは緊急性が高いわけではないものの、日常の運用や操作性に影響する可能性があるため、ユーザー部門にも関係する内容です。通知を受け取っておくことで、事前に変更を把握し、社内周知やマニュアルの更新などに活かすことができます。

通知を受け取るための設定方法

Salesforce Trustで通知を受け取るには、公式サイト上でメールアドレスを登録するだけで簡単に設定できます。対象インスタンスや通知の種類も細かく指定できるため、自社に必要な情報だけを効率よく受け取ることが可能です。

■通知設定の手順

1.Salesforce Trust にアクセス
2.対象のインスタンスを選択し、ページ右上の「Subscribe(購読)」ボタンをクリック


3.メールアドレスを入力し、確認メールの指示に従って認証
4.インスタンス名を選択(例:NA123)

インスタンス選択

5.受け取りたい通知の種類(障害/メンテナンスなど)を選択


6.設定を保存して完了

必要な情報だけを受け取るフィルター設定

通知の利便性を高めるためには、すべての情報を受け取るのではなく、本当に必要な通知だけを選んで受信する設定が重要です。特に複数のインスタンスや複数部門でSalesforceを利用している場合は、情報の取捨選択が欠かせません。Salesforce Trusでは、以下のようなフィルター設定が可能です。

■フィルターの設定

  • インスタンス単位で通知を限定:自社のインスタンス名だけを指定して登録することで、関係のない通知を除外できます
  • 通知カテゴリの選択:障害、メンテナンス、セキュリティなど、必要な種類だけ選択可能
  • 更新レベルの選択:初回通知だけを受け取る/進捗があるたびに通知を受け取る、など細かく設定可能

まとめ

Salesforceを業務で日常的に活用している方にとって、万が一の障害やメンテナンスへの備えは欠かせません。本記事を通じて、Salesforce Trustでどのような情報が確認できるのか、その意味や活用方法を具体的に理解いただけたのではないでしょうか。インスタンスの特定方法や稼働状況の確認手順、そして必要な通知だけを受け取るための設定など、実務で役立つポイントを押さえることができました。こうした準備をしておくことで、いざという時にも慌てずに状況を把握し、必要な対応を落ち着いて進められるはずです。

ストラでは、Salesforceの導入や外部システム連携などはもちろん、現場への定着化支援やチェンジマネジメントまで一貫したSalesforce活用をご支援します。
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また、ストラのSalesforce導入支援や定着化支援、開発支援について、さらに詳しく知りたい方はこちらのページで紹介しています。

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執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloudアドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagementスペシャリスト
Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagement コンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント
Salesforce認定Data Cloudコンサルタント

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