【ユーザーインタビュー設計方法】インタビューの目的や進め方のコツまで解説!

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【ユーザーインタビュー設計方法】インタビューの目的や進め方のコツまで解説!

サービス改善においてユーザーのリアルな声を拾い集め、それをサービス改善に活かしましょう!、、、この必要性は理解しているものの、どうやって始めればいいのか分からない。。そして明確なゴールを設定しないままただインタビューの件数をこなし、リアルな意見を吸い上げることが出来ず、結果インタビュー件数のみ達成目標になってしまった、、というケースはよく耳にします。

本記事ではユーザーインタビューを進める際の目的、そしてインタビューの進め方のコツや質問の詳しい設計方法まで、分かりやすく解説します。

1.ユーザーインタビューとは?

ユーザーインタビューとは、商品やサービスを実際に利用しているユーザーやターゲットユーザーに対して、直接的な対話や質問を通じてニーズやフィードバックを収集する手法です。

また、ユーザーインタビューを通して顧客との関係性を構築できるという点も重要なポイントです。顧客が自分たちのリアルな声を聞いてもらえることで、製品やサービスに対して愛着や満足度を高めることができます。そしてユーザーインタビューを通じて得た情報を元に、製品やサービスのアップデートを重ねることで、より良いサービスの提供をしながら顧客との信頼関係を築くこともできます。

2. ユーザーインタビューの重要性

ユーザーインタビューを行う主な理由は、製品やサービスの開発において潜在的な顧客のニーズや要望を知ることです。これにより、製品やサービスをより良くするためのポイントや改善案を挙げることができます。潜在顧客に対しては事前調査として、提供する製品やサービスがそもそもニーズがあるのか、そして市場で成功する可能性を見極めることが重要です。これらも含めてユーザーインタビューで得られるものとしては下記などが挙げられます。

顧客のニーズと要望の把握

顧客との直接的な対話を通じて、ニーズや要望を理解する貴重な機会です。顧客の声を直接聞くことで、製品やサービスの改善や新たなアイデアの発見につなげることができます。

ターゲット層の特定

ユーザーインタビューを重ねることによって自社の製品やサービスのターゲットをより明確に特定することができます。顧客の属性や行動パターン、嗜好等を把握することで、効果的なターゲティングとパーソナライズされたマーケティング戦略を企てることができます。

参照:現場でも混同しがちなセグメンテーションとターゲティングの違いとは?

競合分析

競合他社と自社を比較して強みや弱みを明らかにし、差別化を図るための情報収集手段でもあります。顧客の意見や経験を聞くことで、競合と比較した際の自社の改善点を明確にすることができます。

顧客満足度の向上

ユーザーインタビューを通じて得た意見をサービス改善に繋げることによって、直接的に顧客満足度を向上させることができます。顧客の声を反映し、その問題点を解消することでロイヤルティを構築することが出来ると言えます。

顧客満足度の向上に欠かせない顧客セグメントに関する記事はこちらからご覧いただけます。

新たなマーケティング戦略の創出

ユーザーインタビューから得た意見や情報は、新たなマーケティング戦略の開発に役立てることができます。顧客の意見やニーズを基に、斬新なアイデアやアプローチを取り入れることで、かつて取り組んでいなかったマーケティングの手法を新たに実施することができます。

3. ユーザーインタビューの進め方

ユーザーインタビューを実施する際は、大まかに下記のようなステップで進めていくを踏むことが一般的です。

3ステップ

1.目的の明確化

ユーザーインタビューを実施する前に、明確な目的を設定することが重要です。どのような情報を得たいのか、何を知りたいのかを明確にしないまま進めてしまうと、求めていた情報を得られなくなってしまいます。目的設定では、以下の3点を明確にしておくようにしましょう。

①課題の抽出とゴール設定:現状ビジネスを進める上でどのような課題があるかを明確にし、何をゴールとして実現するためにユーザーインタビューを実施するのかを明確にする。

②検証する事項:ユーザーインタビューを通して何を明らかにするのかを仮定立てておく。

③調査結果の活用:ユーザーインタビューで得た情報を何に、どのように活用するのかを想定しておく。

2.対象者の選定

インタビューしたい対象の要件を決め、リクルーティングを行います。要件を決める際にこちら側で知りたい情報を持っているのはどんなユーザーかという観点から具体的に掘り下げていくとよいでしょう。年齢、性別、居住地、家族構成といった属性だけでなく、「○○の行動をしたことがある人」「○○をよく利用している人」というように分解することで、有益な情報を得やすくなります。

対象者を選定する上でベースになるのが「ペルソナ」になります。自社で既にペルソナを検討されているのであれば、そのペルソナに合致するユーザーを対象者として選定することができます。もしペルソナの設定がされていないのであれば、これを機に関係各部署を巻き込んでペルソナの検討を行ってもよいでしょう。

参照:【DLできるテンプレート公開】ペルソナとは?作り方の5つのステップや具体的な活用方法を解説

3.質問項目の設計

ユーザーインタビューの質問項目を設計します。調査目的である「何を明らかにするのか」を念頭に置いて、どのような質問をすれば求める答えを引き出せるのかを考えていきます。

また、回答が「はい」や「いいえ」のような単一な回答になるような質問ではなく、オープンエンドの質問を用いることが重要です。より具体的で深い回答が得られるような質問を用意しつつ、質問の順序や流れも考慮し、適切なタイミングで質問を切り替えていけるような手法も重要です。質問項目の一連の流れを紹介します。

▼利用前にどのような悩みや課題があったか

▼興味を持った背景、利用の動機や期待

▼情報収集や比較検討のポイント、参考にした情報は何か

▼実際に利用してみての感想、導入後の成果

▼補足質問

▼まとめの質問

また、インタビュー当日にスムーズに進行できるよう、質問項目、各質問の時間配分などをインタビューするユーザーの情報と併せて事前にシートにまとめておくようにしましょう。

インタビュー実施

ユーザーインタビューの実施形式は、オンラインツールを使って遠隔で行うケースと、会場を用意して対面で行うオフラインの方法があります。オンラインのメリットは、場所の制約を受けないため、居住地問わず広く対象ユーザーを集められることです。また、移動の手間を削減できるという利点もあります。オフラインで実施するメリットは、ユーザーの反応を直接確認できるため、表情や仕草などの非言語情報も把握しやすい点が挙げられます。シチュエーションに応じてうまく使い分けるようにしましょう。

また、予め設計した質問を事前にインタビューを受けるユーザーに伝えておくことが望ましいです。インタビュー中は自由に話すことができるような環境を用意し、不快な状況を作らないよう心がけましょう。

データの分析・レポート

収集したデータを分析し、傾向やパターンを特定します。このとき、質問によっては意見が分かれることがあるため、それらの意見を比較することが必要です。分析方法に特定の形式はありませんが、参考として基本の流れを紹介します。

①音声データを文字起こしする

インタビューの回答を録音することが可能な場合、それを後で聴き返しながら得た情報をまとめ、データとして収集します。

②情報を整理する

まずは調査目的に対する分析結果の要約としてサマリーを作成し、実際にインタビューで得た情報を整理し、可視化できる状態にします。項目を分けておくことで情報の整理がしやすくなり、レポーティングする際にも活用できます。

③ファインディングをまとめる

整理した情報から「どのような気づきや発見があったのか」「どんな点が重要といえるのか」をレポートとして整理してまとめていきます。実際に得られたファインディングとその根拠となるコメントを併せて記載するとよいでしょう。また、分析結果から得られた考察や提言、今後検討すべき事項なども追記しましょう。

参照:【初めてのデータ分析】ビジネスマン必須スキル!知っておきたいデータ分析の基本

4. ユーザーインタビューの質問のコツ

前項ではインタビューの一連の流れを紹介しましたが、ユーザーインタビューを「話を聞くこと」と単純に取り組んでしまうと求めている情報を見出すことはできません。ここでは実際にユーザーインタビューを進める際に気を付ける点や、ポイントをご紹介します。

ユーザーインタビューの目的をしっかりと伝える

聞き手として、ユーザーに何を期待しているのか伝えることで、一緒に目指すべき方向を共有しましょう。

ユーザーが話しやすい環境でインタビューを行う

リラックスして話してもらえるような環境が大切です。また、発話のスピードをユーザーインタビューを進めながら、相手が話しやすいテンポを探してみましょう。実際に話している時は視線を合わせ、常に好意的な表情を保つよう心がけましょう。回答の内容に関わらず、笑顔を絶やさないことでユーザーを安心させ、正直な回答を引き出すことができるでしょう。

質問は答えやすいようにブレークダウンする

質問の内容が広すぎると、求めている回答が得られないことがあります。質問はテーマに沿って具体的であればあるほど良いでしょう。

過去経験に基づいた質問する

正確性の高い回答を得るためには、ユーザーが実際に過去体験した状況、そして特定の時点について掘り下げてヒアリングをする必要があります。そうすることで、より正直で詳細な回答を得ることにつながります。

オープンエンドな質問を優先する

前項でも触れましたが、オープンエンドとは自由に回答ができ、答えがひとつとは限らない質問のことを指します。二者択一の質問ではなく、ユーザーが回答について詳細を述べられる余地を残すようにしましょう。

正解・不正解はないことを伝えておく

当たり前のようですが、あえてユーザーに伝えることによって回答の幅を狭めずリアルな意見を引き出すことに繋がります。また、否定肯定せずにリアクションを制御することも重要です。仮にユーザーが回答した内容に対してネガティブなリアクションをしてしまうと、ユーザーは正直に答えることを止めてしまう可能性があります。そうなれば、ユーザーインタビューの目的にそぐわなくなってしまいます。

サービスの紹介や販売をしない

インタビューの目的は、正直なフィードバックを収集するためであり、サービスの紹介や案内をする機会ではありません。基本的に会話の主導権を握らず、ユーザーから回答を得る機会ということを忘れないようにしましょう。

発言以外のヒントを見逃さない

表情やボディランゲージ、声のトーン、声量などに気を払うと言葉以外の情報が得られることがあります。ユーザーの声に耳を傾けながら、目でも細かな情報をキャッチするようにしましょう。

5. インタビュー項目の事例

ここまでインタビューに関する大枠の部分を説明させていただきましたが、この章では具体的にどのような質問項目が挙げられるのか、目的別にご紹介します。

購入プロセスや購入背景

  • 購入前の悩みやニーズ
  • 商品の認知経路(CMやWeb広告の接触状況)
  • 購入前のイメージ
  • 興味を持ったきっかけ
  • 情報収集方法(インターネット、テレビ、口コミなど)
  • 使用したデバイス(パソコン、スマホなど)
  • 購入場所
  • 比較検討した商品、比較したポイント
  • 購入の決め手

パッケージやコンセプトの評価

  • 第一印象
  • 魅力を感じた点、感じなかった点とその理由
  • 商品の特徴にふさわしいか
  • 自分に合っていると思うか
  • 使いたいと思うか

「状況・実態」の質問項目

  • 使用期間、頻度
  • 使用する場所・シーン
  • 使用方法、使用量
  • 使用する順番
  • 使用している時の気持ち
  • 使用後の気持ち
  • 商品の満足度とその理由

「意識・価値観」の質問項目

  • 〇〇に対するイメージ
  • 〇〇の良い点/悪い点
  • 〇〇はどのような存在か
  • 〇〇がなくなったらどう思うか

インタビューでは、アンケート調査だけでは捉えづらい深層心理に隠されたニーズやインサイトを探ることができます。インサイトは、「洞察・発見・直感」のような意味を持ちますが、マーケティングにおけるインサイトとは、消費者の購買行動の根拠や動機のことです。しかし、通常の根拠や動機とは異なり、「消費者自身も気づいていない」というのが大きなポイントです。このインサイトの探索に有効な質問例について、4つの要素に分けてご紹介します。

「感情」を問う質問

  • 〇〇を初めて使った時、どんな気持ちだったか
  • どんな気分の時に〇〇を使いたくなるか
  • 触れた時の感触はどうだったか
  • 使用している時はどんな気分になったか
  • 使い終わった時の気分はどうだったか
  • 〇〇が無かったらどんな気持ちになるか

「要因」を問う質問

  • どのようなきっかけで購入したのか
  • 興味を持ったきっかけとして、知人や有名人などの影響はあったか
  • 購入する決め手となった情報は何か
  • 購入時に誰かの助言をもらったか
  • 興味を持ってから購入までの時間はどれくらいだったか

「場面」を問う質問

  • 初めて使用した場所
  • 使用後に何をしたか
  • 誰かと一緒に使うことはあるか

「背景」を問う質問

  • 〇〇のように感じたのは、何らかの出来事の影響があったか
  • 使用する前は、そのような気持ちになったことはなかったのか
  • 気持ちが変わるきっかけとなった情報や出来事はあったか

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?ユーザーインタビューをうまく活用することで、サービスや製品の提供側からは見えなかった新たなヒントを得ることのできる非常に有益な手法と言えます。ただ、ユーザーインタビューを実施すれば求めているすべての答えが得られるわけではない、ということを念頭に置いておくことも重要です。

ストラではインタビューの設計や実施はもちろん、その後のマーケティング戦略の策定やサービス設計などもご支援可能です。

上記内容でお困りごとがございましたらお問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀

大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。

▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント

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