SalesforceキャンペーンとPardotキャンペーンの連携を徹底解説
この記事でわかること
- SalesforceキャンペーンとAccount Engagement(旧 Pardot)キャンペーンの違い
- SalesforceとPardotのキャンペーンを連携することによるメリット
- SalesforceとPardotのキャンペーン連携方法
- Salesforceでのキャンペーン作成・管理方法と注意点
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
既にSalesforceを導入しており、新しくAccountEngagement(以下、Pardot)を導入された担当者の方、Pardotの導入を検討している担当者の方なら「キャンペーン」という言葉を1度は見たことがあると思います。そして、SalesforceとPardotの「キャンペーン」は何が違うの?どうやって使えばいいの?という疑問を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方に向けて、Salesforce・Pardotのキャンペーンの違いから連携・活用方法まで詳しく解説していきます!
参照:Salesforce Sales Cloudとは? セールスクラウドを分かりやすく解説
参照:Account Engagement(旧 Pardot)とは?機能や特徴、他のMAツールとの比較も含めて徹底解説
目次
SalesforceキャンペーンとAccount Engagement(旧 Pardot)キャンペーンの違い
多くの人はキャンペーンと聞くと、アパレルショップのセール期間やキャンペーンを実施する店舗の管理など、キャンペーン業務の管理をイメージされる方が多いと思います。
しかし、ここでのキャンペーンとはマーケティング活動の追跡・分析が主な用途です。また、マーケティング活動とは、広告、メール、デモ、展示会、資料配布などの活動全般を指します。
Salesforceキャンペーンとは
Salesforceのキャンペーンは、マーケティング活動を施策別に管理する機能です。Salesforceのキャンペーンでは主に4つの事を行うことができます。
1.キャンペーンの管理
実施するマーケティング活動をキャンペーンレコードに登録することにより、実施回数や結果を分析することが出来ます。
2.キャンペーンメンバーの管理
キャンペーンメンバーとは、キャンペーンに紐づいた人のデータ(リード・取引先責任者)の事です。キャンペーン(施策)に参加したリードをキャンペーンレコードと紐づけることにより、どのキャンペーンに関連している人物なのか把握することができます。
3.キャンペーン内のステータス管理
キャンペーンメンバーの状況という項目を使うことにより、各キャンペーン内のステータス管理もできます。
例えば、展示会に参加したリードに対し、状況を出席とします。その後、出席したリードに対してサンクスメールを送信した際に、状況を送信とすることで、誰に対してメールを送信したのかというステータス管理を行うことができます。
4.キャンペーンの効果測定
キャンペーンをリード・取引先責任者と紐づけておく事により、キャンペーンから成立した商談を分析することができます。
このように、Salesforceのキャンペーンは施策単位でキャンペーンを作成するため、一人のリード・取引先責任者が複数の施策に関連した場合は1対多の関係になります。
Pardotキャンペーンとは
それに対してPardotのキャンペーンは、プロスペクト(見込み客)がどのような初回接点でPardotに登録されたか、つまり最初に接したマーケティングキャンペーンを記録するために使用されます。したがって、Pardotキャンペーンは流入元=「ソース」とも言えます。
このように、Pardotのキャンペーンはプロスペクトと1対1の関係を構築します。
まとめるとSalesforceとPardotの違いは以下になります。
- Salesforceキャンペーンは【1人の人間(リード・取引先責任者)と複数キャンペーンを紐づけることができる】
- Pardotキャンペーンは【一人のプロスペクトに対して一つのキャンペーンしか紐付かない】
また、SalesforceとPardotをコネクターによって接続し、SalesforceとPardotのキャンペーンを連携させることにより、プロスペクトと複数のキャンペーンを紐づけて管理することができるようになります。
キャンペーンの連携については次の章で詳しく解説いたします。
SalesforceとPardotのキャンペーン連携によるメリット
SalesforceとPardotのキャンペーン接続を有効化する事により、以下のようなメリットがあります。
マーケティング施策の効果測定が行える
Salesforceのキャンペーンで、キャンペーンに紐づいたPardotのアセット(メール・フォーム・ランディングページなど)の統計値を確認し、施策の効果が確認できます。
具体的には、営業が商談を行う際に、Pardotつまりマーケティングチームで行った施策の効果を確認し、見込み客が何に関心を持っているか確認できます。
PardotからSalesforceキャンペーン情報を処理に利用できる
PardotでSalesforceのキャンペーン情報を把握できます。キャンペーン内のプロスペクトの数だけではなく、個々のスコアやグレードなども確認できます。プロスペクトのリスト化、タグ付けなども可能です。スコアやグレードの情報を元にキャンペーン内の分析、それらのリスト化やタグ付けでさらなるナーチャリング施策へと進められます。
参照:【完全ガイド】Account Engagement(旧 Pardot)のスコアリングとは?スコアリングカテゴリとの違いや活用方法を解説
PardotからSalesforceキャンペーンにプロスペクトを追加できる
Pardotのオートメーションルール・セグメンテーションルールを使うことで、自動でプロスペクトをSalesforceキャンペーンに追加できます。
参照:Account Engagement(旧 Pardot)のオートメーションルールとは?使い方や注意点を実例を交えて徹底解説
SalesforceとPardotのキャンペーン連携方法
Pardotにログインし、Pardot設定→コネクターを選択します。
Salesforce.comの歯車を押下し、設定を編集を選択します。
編集画面のキャンペーンを選択し、接続済みのキャンペーン及びEngagement Historyを有効化にチェックを入れ、レコードタイプを選択します。
※レコードタイプは、SalesforceキャンペーンでPardotと連携するレコードタイプを選択します。
接続が完了すると、Pardotキャンペーンタブから、「Pardot キャンペーン追加」ボタンが非表示になります。キャンペーン連携後はSalesforce側でキャンペーンを作成すれば自動的にPardotへキャンペーンが連携されます。
Salesforceでのキャンペーン作成・管理方法と注意点
ここからは、Pardotからの連携先であるSalesforceでのキャンペーンの作成・管理方法について解説していきます。
手順としては、①キャンペーンの作成→②キャンペーンメンバーの追加→③商談とキャンペーンの関連付け→④施策結果の確認です。
①キャンペーンの作成
まず、施策に関する情報を管理する箱であるキャンペーンレコードを作成します。Salesforceのキャンペーンタブを選択し、新規を押します。
項目に必要な情報を入力していきます。
- 説明には、対象・日時・内容・申し込みページ・資料URL・フォローシナリオなどを詳細に記載しましょう。
キャンペーンレコード作成時の注意点は命名規則と階層構造です。
- レコード作成時は、キャンペーンレコードの名称で施策の内容が分かるようなルール、つまり命名規則を定めましょう。
- 作成するキャンペーンレコードが関連するキャンペーンを、階層で束ねてまとめて管理できるような階層構造を作りましょう。
階層構造の例▽
②キャンペーンメンバーの追加と状況設定
キャンペーンメンバーとは、施策の対象となる見込み客や、その見込み客の状況を管理するオブジェクトです。キャンペーンメンバーにはリード、取引先責任者、個人取引先の追加が可能です。
キャンペーンメンバーを追加します。追加方法は、キャンペーンメンバーの関連リストから手動で追加できます。
他にも、CSVなどのリストのインポート、リード・取引先責任者の作成と同時にキャンペーンメンバーへの追加も可能です。
参照:【完全版】データインポートウィザードとは!?使い方から注意点まで徹底解説!!
また、Pardotのオートメーションルール・セグメンテーションルールという機能を使用することでも、キャンペーンメンバーの追加が可能です。
キャンペーンメンバーに追加されたメンバーの状況の更新は、手動で行うことが出来ます。リストビューにて、状況の更新をクリックし、任意の状況に変更できます。
他にも、リストのインポートによる一括更新やPardotの完了アクションを使用することで自動更新をすることでも、キャンペーンメンバーの状況の更新は可能です。
③商談とキャンペーンの関連付け
商談とキャンペーンを関連付けることにより、キャンペーン・取引先責任者・商談レコードの間で、データのつながりを持たせることができ、商談化に貢献した施策(キャンペーン)を記録できます。
キャンペーンメンバーに追加されている、リードの取引開始・取引先責任者のレコードからの商談作成により、自動でキャンペーンメンバーの状況が最新で更新されたキャンペーン、つまり最も商談化に貢献したキャンペーンが主キャンペーンソースとして、商談に登録されます。
④キャンペーンレコードの結果確認
キャンペーンレコードの結果を確認することにより、施策の対象となる見込み客の数や、そこから生まれた商談の件数・金額を確認できます。
キャンペーンレコード→詳細→計画・キャンペーン統計で確認できます。
また、これらの値をSalesforceのレポートで抽出し、施策横断の効果可視化を行うこともできます。
5.まとめ
SalesforceとPardotのキャンペーンの違い、連携方法や活用方法まで解説しました。キャンペーン機能はマーケティング施策の検証において非常に重要な役割を果たします。まだ利用してないという方は、是非本記事を見て活用してください。
Strhではキャンペーンの連携設定を含めたPardotの設計・導入から活用支援まで、実績を持ったコンサルタントが一貫して支援することが可能です。Pardotの導入や活用においてお困りごとがありましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。
執筆者 代表取締役社長 / CEO 杉山元紀
大学卒業後、株式会社TBI JAPANに入社。株式会社Paykeに取締役として出向し訪日旅行者向けモバイルアプリ及び製造小売り向けSaaSプロダクトの立ち上げを行う。
アクセンチュア株式会社では大手メディア・総合人材企業のセールス・マーケティング領域の戦略策定や業務改革、SFA・MAツール等の導入及び活用支援業務に従事。
株式会社Paykeに再入社し約10億円の資金調達を行いビジネスサイドを管掌した後、Strh株式会社を設立し代表取締役に就任。
▼保有資格
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定Pardotスペシャリスト
Salesforce認定Pardotコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント